今年は木星と火星が加わり豪華な冬空に!「冬の大三角」「冬のダイヤモンド」の見つけ方
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    2025.01.19

    今年は木星と火星が加わり豪華な冬空に!「冬の大三角」「冬のダイヤモンド」の見つけ方

    1月20日21時ごろの冬の空。華やかな星座たちに木星と火星が加わり豪華絢爛。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    冬の星空は1等星が多く、一年でもっとも華やかです。今年はさらに木星と火星が加わって、スーパー豪華に! 初心者にとっても星座が見つけやすい季節です。冬の大三角と冬のダイヤモンドの探し方をご紹介します。

    オリオン座とおおいぬ座、こいぬ座の1等星で大三角

    冬の星座観察は、「冬の大三角」から始めましょう。

    まずはオリオン座です。3つの星がきれいに並んだ「三つ星」は、星座図ではちょうどオリオンのベルトのあたりにあります。その少し上にある赤い星がベテルギウス。下にある青い星がリゲル。どちらも1等星です。

    ベテルギウス、シリウス、プロキオン。この3つで冬の大三角を作ると、星座探しがグッと楽しくなる。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    ベテルギウスはオリオンの右肩のあたり、リゲルはオリオンの左足のあたりで光っています。ギリシア神話に登場する勇者オリオンの姿がイメージできてきたでしょうか。

    オリオン座の南のほうで、ギラギラと白く光る星が、おおいぬ座のシリウスです。冬の夜空を見上げると、例年であればまずシリウスの明るさに目が奪われるかもしれません。それくらい明るい星です。全天で一番、明るい恒星です。

    おおいぬ座の東側には、こいぬ座があります。小さな星座ですが、白く光る1等星プロキオンを従えた堂々たるものです。

    オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結んだのが、冬の大三角です。オリオン座の近くにあることから、星座の大犬と小犬はオリオンの猟犬と思われがちですが、犬の飼い主については諸説あります。

    まだまだ広がる冬の空にダイヤモンド

    冬の大三角をさらに雄大にしたのが、「冬のダイヤモンド」です。

    こいぬ座のプロキオン、その北にあるふたご座の1等星ポルックス、天頂寄りの高い位置にあるぎょしゃ座の1等星カペラ、おうし座の1等星アルデバラン、オリオン座の左足の1等星リゲル、そして、おおいぬ座のシリウスを結ぶと、六角形の「冬のダイヤモンド」になります。

    冬のダイヤモンド。天頂に近いカペラからシリウスまで、明るい星を結ぶと六角に。ダイヤモンドの中で赤く光るのがベテルギウス。今年はダイヤモンドの周辺で木星と火星がアクセントに。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    しかし今年はこれだけにとどまりません。

    今年の冬の空でいちばん明るく目立っている星は、このダイヤモンドの中にはありません。アルデバランの近くにある木星です。今はマイナス2等級ほどで、シリウスよりも圧倒的に明るいです。

    そして、ふたご座のポルックスの近くには赤い火星が光ります。弟星のポルックスのオレンジ、兄さん星カストルの青、そして火星の赤で、まるで信号機のようです。3つの中では圧倒的に火星が明るいので、今年のふたご座は、ほぼ赤信号状態です。

    このように明るい恒星と明るい惑星が楽しめる2025年の冬の空。恒星と惑星の見え方の違いに注目してください。

    冬はただでさえ明るい星がキラキラしていますが、加えて上空の気流の動きが速いので、星の光がいっそう瞬いて見えます。水の動きが激しいプールの中では、水中の物がメチャクチャ揺れて、千々に乱れて見えるのと同じで、気流の激しい大気を通して見る星の光もいっそう瞬いて見えるのです。

    それでも恒星と惑星の瞬き方は少し違います。肉眼ではどちらも点ですが、惑星は望遠鏡で見ればわかる程度の大きさがあります。そのため、気流の影響は惑星の方が小さく、比較的瞬きが小さいのです。どれくらい違うのか、ぜひ自分の目で確かめてみましょう。

    構成/佐藤恵菜

    私がガイドしました!
    星空案内人
    廣瀬匠
    星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、2025年の天文現象の見どころと楽しみ方をまとめた『アストロガイド 星空年鑑2025』が好評発売中。

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