
松本明子のアポなし軽キャン日記|第8回 車につきものの事故発生!
あーもう、大変。事件勃発!
香港のご夫婦が3泊4日でミント色のブギーライダー2号を借りてくださったんです。
そうしたらですね、出発したその日に業務部長の廣田さんに恐怖の電話がかかってきまして。出てみたら、電話口は日本人の男性。
「お宅の車と接触したんだけど」って。てっきり、こちらのお客さんが慣れない道でぶつけちゃったかな、って思いましたよ。
とりあえずまずは保険会社の人に電話して、その日本人の男性に連絡してもらったんです。
警察ももちろんきて、いろいろ経緯を聞いたら、高速道路の右車線を走っていたお客さんの車にその方の車が寄ってきて、横からぶつかってきたっていうじゃないですか!
接触事故ですよ。こちらの保険会社に聞いたら、走行中の場合、当てられても過失が10対0にはならないそうで、とはいえ、こちらがぶつけられたほうなので、7対3ぐらいにはなるだろうと。
そしたらね、当てたその日本人の男性が、保険を通さないっていうんです。しかも! 揉めに揉めて五分五分だって言い出して。保険会社の方が電話で聞いても、車の車種もいわなきゃ、住所も教えてくれない。挙げ句の果てには途中で電話切っちゃうし。ましてやこちらのお客さんは日本語喋れないでしょ。
車の横をこすったぐらいだったので、その場はお客さんはそのまま旅行に行き、無事帰国されました。でも返却の際、ジェスチャーでこっちがぶつけられたって、訴えていましたね。
帰ってきた車を見たら、ドアに黒い塗装が付いていたので、私と廣田さんと相談役の青倉さん3人で拭いて拭いて拭きまくって、汚れを落としました。
パッと見あんまりわからないんですが、浅い凹みができていたので、ブローさん(購入したお店)に預けました。
本社のバンライフレンタカーは大型キャンピングカーを扱っているので、接触事故も起きるようです。ズーム会議の際に(以前は月1回あった)、お客さんと揉めた事例報告を聞きました。どう考えてもお客さんがぶつけたり、損傷したであろうときも、弁償しないと言い張る方が多いそうで。裁判になるような事案もあるそうです。
そんな話が頭をよぎりましたけど、そんなことで揉めたくないし、大事には至らなかったので、五分五分、飲むしかないですかね〜。ぶつけられ損です。
「10対0の事故もありました」
レンタカー店をやって4年になりますが、いままでに事故は2回。少ないほうです。もうひとつは、一昨年の秋にバグトラを借りてくださった常連の親子のお客さんが、後ろからぶつけられたことがありました。
こちらも都内を出発して間もないころ。車のショーを見に行くとかで、鈴鹿サーキットに向かっているところでした。停車していたら日本人の女性に当てられたそうで。
こちらも旅を続けたいから、って電話連絡だけあって、そのまま行っちゃいました。でも、保険会社にも警察にも連絡してくれていて、全部こちらで終わりました〜、って事後報告。双方同じ保険会社だったこともあり、楽だった〜。バンパーに少し凹みがあって、方向指示器も割れていましたが、こちらは止まっていたので10対0でした。
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アムズのお客さんは雪の多い地方や山に行く方も多いので、11月下旬には全車スタッドレスタイヤにはき替えている。
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みなさん、冬も借りて!
車のネックは電源でした
もちろん、故障もあります。車ですから。定期点検していたって、あるときはある。30代のカップルが三重県の鳥羽に行かれたんです。返却する日の昼間に電話がきて、夕方着く予定だったのがエンジンがかからない、いまJAF呼んでます、と。
電話口でいろいろ説明して試してもらったんですが、全然ダメ。その場でJAFにバッテリーをつないでもらってもエンジンがかからない。レッカーサービスで運んでもらって、バッテリーをつないだらやっとエンジンがかかったそうです。
結局、3〜4時間足止めをくらい、東京に戻られたのが、夜の10時半ぐらいでしたね。JAFに入会してもらったので、その代金をアムズで弁償しようということになって、お金をお渡ししたんですが、そのお客さん疲れ果てて、そのお金を車内に置いたまま、トボトボと帰っちゃって。翌日ふたりでご近所までお伺いして現金をお渡ししました。もう大変だった。
でも、本当にいいお客さんで、何も怒らないんですよ。1年半ぶりに借りてくださったリピーターさんだったんですけど、それが救いでした。
レンタカー店にとって出発直後の電話こそ恐怖
それから、また今度こんなことがあったら困ると思って、イエローハットに連絡して見てもらったんです。そうしたら、夏場、走行しながら扇風機を使ったり、冷蔵庫で食材を冷やすために、シガーソケットにつないで電源として使うと、車のバッテリーに良くないそうなんです。
とくにアムズレンタカーは軽自動車なので、バッテリーの容量が小さいといわれました。充電を頻繁にしていたので、ちょっとバッテリーが劣化していますとも。勉強になりました。
専門家に聞いてみると、軽自動車に積んでいるバッテリーにも容量のレベルがあるそうで。これを機に、全車、容量がアップしたものに取り替えました。
キャンピングカーって、ネックは電源ですよね。電源をいかに効率よく、劣化させずに取り込めるかが大テーマです。一番最初に、ブローさんに電源そのものを屋根に取り付けましょうか、ともいわれたんですが、そうすると今度は重量が重くなっちゃうんで、断念しました。大きい車と違って積むスペースもないですしね。
そうそう、アムズレンタカー、昨年の12月はお客さんゼロ! 年末年始にかけて1組予約が入っただけ。それが一番の大事件。今年もがんばるぞー!!
レンタカー事業のきっかけになったバグトラを紹介
ダイハツ・ハイゼットジャンボの荷台にテント型幌を架装したスタイル。通称バグトラ。
荷台部は大人2人が車中泊できる十分な広さ。
サイドテーブルはドリンクホルダーを装備。
松本さんが一目惚れし、レンタカー事業を始めるきっかけになったバグトラック。
AMSをあしらったアムズのロゴデザイン画。
幌をめくれば三角窓が現われる。網戸付き。
●松本明子さんのレンタカー、オフィスアムズはこちら→https://officeams.com/
※構成/大石裕美 撮影/三浦孝明 写真提供/オフィス アムズ
(BE-PAL 2025年2月号より)