トレイルを歩く際の強い味方となるアウトドアショップ「REI」へ【プロハイカー斉藤のナショナルシーニックトレイル踏破レポ vol.8】
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    2025.03.05

    トレイルを歩く際の強い味方となるアウトドアショップ「REI」へ【プロハイカー斉藤のナショナルシーニックトレイル踏破レポ vol.8】

    トレイルを歩く際の強い味方となるアウトドアショップ「REI」へ【プロハイカー斉藤のナショナルシーニックトレイル踏破レポ vol.8】
    トレイルの本場であるアメリカには、連邦政府によって認定されたトレイル(ルート)がいくつかあります。そのうち「シーニックトレイル」と呼ばれるものが全11ルートあり、総距離は約17,800マイル(約28,646km)におよびます。

    日本で唯一のプロハイカー・斉藤正史さんは、そんなシーニックトレイル全11ルートの踏破に挑戦中です。

    2024年9月から10月にかけては、アメリカ東部の「ポトマックヘリテージトレイル」と「ニューイングランドトレイル」に挑みました。斉藤さんによるアメリカのトレイルの最新レポート第8回をお届けします。

    ポトマックヘリテージトレイル編 その8]

    トレイルに不可欠なアウトドアショップとディスカウントストアへ

    ワシントンDC滞在初日にチェックしたスーパーマーケットのセーフウェイでの食品が高かったこともあり、2日目は観光を兼ねて1日歩きながら買い出しをすることにしました。

    宿から、ぐるっとワシントンDCを1周するように歩きます。まず、宿から真っすぐ南下すると、あのホワイトハウスがありました。

    ホワイトハウスの前には警官が数名いて、観光客に許されているのはペンシルバニア通りを挟んだラファイアット公園から柵越しに眺めるだけでした。

    雨が降っていて観光客もまばらです。なぜか、国立公園局の制服を着た人がいるなと思ったら、ラファイアット公園は国立公園管轄だそうです。ちなみに、ホワイトハウスのあるペンシルバニアアベニュー1600番地はアメリカで一番有名な住所だとか。

    ホワイトハウス正面。

    ホワイトハウスの周りには、高級ホテルや歴史的な建物が並んでいました。そんな道を歩いて10分ほどでしょうか。

    ホワイトハウスからほど近い場所に、「ジョン・エドガー・フーヴァービルディング」があります。連邦捜査局( =Federal Bureau of Investigation)、つまりFBIの本部があるビルです。

    ビル周りには、「FBI」と書かれた車両がたくさん並んでいます。まるで、ドラマや映画の映像を見ているようで感動です。

    ジョン・エドガー・フーヴァービルディング。

    ビルの周りには、FBIの車両が!映画の撮影ではありません。

    ジョン・エドガー・フーヴァービルディング方向から歩いていくと、アメリカ合衆国議会議事堂の正面が反対側にあります。せっかくなので、少し遠回りしながら正面から見学。

    国会議事堂を正面からじっくり眺めて通りに出ると、続いて合衆国最高裁判所が見えました。ギリシャ神殿のような立派な建物です。

    アメリカ合衆国議会議事堂。

    合衆国最高裁判所。

    別に僕は、アメリカの司法や立法に興味津々なわけではありません。たまたま今回の本当の目的地へ向かう道筋に、アメリカ合衆国議会議事堂や合衆国最高裁判所があっただけです。

    ということで、おのぼりさんのような観光を早々に切り上げ、本当の目的地であるREIフラックシップ店に歩を進めます。

    REI Washington DC Flagship。

    レクリエーショナル・イクイップメント・インコーポレイテッド 、略称REI。ハイカーにとって欠かせないアウトドアのセレクトショップです。実は2000年に日本にもお店がオープンしたのですが、わずか1年ほどで閉店してしまいました。

    僕は、プロハイカーとして活動し始めた2012年に会員になり、アメリカに来てREIがあればギアを購入していました。

    かつては、トレイルを歩いていて道具が壊れたら、アウトドアショップのある町まで公共交通機関で移動するか、ヒッチハイクやトレイルエンジェル(ハイカーに食料や宿泊場所などを提供してくれるボランティア)に連れて行ってもらうしかありませんでした。

    そのため、定期的に壊れる靴などは、あらかじめ「このあたりで壊れそうだな」と思うエリアに郵便局留めで送っておく必要がありました。

    しかし、このREIにはメールオーダーシステムという素晴らしいサービスがあります。トレイルを歩いていてギアが壊れたり交換が必要になったりするタイミングでネットオーダーすれば、泊まる予定の宿や郵便局まで送ってくれるという画期的なサービスです。

    セール品も買えるので、ハイカーには欠かせないお店となっています。

    また、幅広いブランドを取り扱っているだけでなく、REIのオリジナル商品も充実しています。しかも、そのクオリティが年々高くなっていっているのです。さらに、ハイキングだけでなくキャンプや自転車など幅広いギアを取り扱っているので、お店でウィンドウショッピングをするだけでも十分楽しい時間を過ごせます。

    ウェアなどREIオリジナル商品が充実しています。

    オリジナルのバックパックもいい感じ!

    REIフラックシップ店のドアを開けて中に入ります。アメリカの企業ですし、きっと店内の写真を撮ったり記事を書いたりというのは断られるだろうなと思いつつ、恐る恐るスタッフの方に聞いてみました。

    すると、「責任者に確認してみる」といわれ、すぐに責任者が来て「動画を撮らなきゃOKだよ。ゆっくり見て回って」と、意外にも快諾。僕は思いのこもりまくった「THANKS」を連発しました。

    ということで、店内を見て回ります。まず、渡米後に蚊の多さにうんざりしていたので、虫よけをチェック。そして、もうすぐ10月だというのに気温が高いので、ハーフパンツも購入しました。

    オリジナルだけでなくアウトドア各社の商品も充実。

    アメリカのアウトドアでは欠かせないベアキャニスター(熊対策用の保存容器)。

    ドライフルーツなどフードの品ぞろえも豊富。

    続いて、REIフラックシップ店から10分ほど歩いたところにある、ダラー・ゼネラル(Dollar General)というディスカウントストアに向かいました。

    100円ショップのようなお店ですが、ダラー・ゼネラル、ダラー・ツリー(Dollar Tree)、ファミリー・ダラー(Family Dollar)という3系統にわかれてそれぞれチェーン店が展開されています。

    アメリカでは、スーパーマーケットのない小さな町でも、3つのチェーン店のいずれかの店舗があります。店によって品ぞろえは違いますが、どこも食品が豊富です。

    残念ながら生鮮の野菜類は扱っていませんが、ドリンク類なども安く売っています。衣類や身の回り品の取り扱いもあるので、アメリカではダラー・ゼネラルの系列店さえ見つければ何とかなります。

    特にインスタントラーメンが安いことが多く、僕が把握している範囲ではアメリカの一般的なスーパーマーケットの半値くらいで購入できる印象です。

    いつも腹ペコのハイカーにとって安くて軽量のインスタントラーメンは外せません。僕はトレイル中、3食のうち1回は食べますし、朝晩2食になることも珍しくないほどの愛好家です。

    ということで、今回もダラー・ゼネラルでインスタントラーメンやパンなどを仕入れ。物価の高いワシントンDCでも、それなりに節約できたのでした。

    こうして文章にまとめると何とも地味な買い出しですね。でも、とても大切な準備の一環ですし、いつもこんな感じで僕のトレイルが始まるのです。ワシントンDCは見どころが多いのでもう数日滞在してゆっくりしたかったのですが、超円安の現状では仕方ありません。

    次回、ようやく(?)ポトマックヘリテージトレイルを歩き始めます。

    ポトマックヘリテージトレイル公式サイト

    前回の[ポトマックヘリテージトレイル編 その7]と今回の[同 その8]で記した日本出発〜ワシントンDC周遊の様子は、下記の動画でもご覧いただけます。ぜひチェックしてください!

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載中。

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