夏はハイキングや湖での水遊び、キャンプ、サイクリングなどが可能だが、雪と氷に覆われる冬もハイキング、クロスカントリースキーなど1年中自然を満喫できる場所として地元の人に親しまれている場所だ。
そんなガティノパークで、誰でも気軽に楽しめるスノーシューの魅力と、ユニークな体験ができるスノーシューツアーを紹介する。
スノーシューの魅力
オタワ近郊のガティノパークでは、多くのトレイルが整備されているので、冬も多くの人がハイキングなどをして楽しんでいるが、新雪が積もると1歩1歩が膝上まで雪に埋もれて歩きにくく、積もっている雪が凍っていると滑ってしまってハイキングを楽しむのは不可になる。
でもいかなるコンディションでも、冬のトレイルを楽しめるのがスノーシュー!フワフワの新雪でも、カチカチに凍っていても、子供でも大人でも初心者でも、スノーシューさえ履けば冬のトレイル散歩を楽しめてしまうのだ。
私もやってみるまではこんなに簡単に新雪や凍っているトレイルの上を歩けると思わなかったが、ちゃんと履いていれば普通の靴で歩いているのと同じ感覚で雪や氷の上を歩ける。
ガティノパークでは、90kmに渡る様々なレベルや距離のスノーシュートレイルが整備されている。クロスカントリースキーや、スノーバイクなどのトレイルとは別に、スノーシュー専用のトレイルで安全にスノーシューを楽しめる。
カナダではマイスノーシューを持っている人も多く、週末は車にスノーシューを積んでガティノパークにハイキングに来る人も多い。たくさん雪が積もった時は近所の公園もスノーシューで散歩するなど、寒くても冬のアクティビティを楽しんでいる。
寒い時期が長いので、寒いとか雪が積もっているとか言って家にこもってばかりいられない。冬が長く厳しい所に住んでいる人たちは、寒くても外のアクティビティを楽しむ方法をたくさん知っているのだ。
トレイルを外れて進むスノーシューツアー
ガティノパークでは、毎年1月から3月の間スノーシューツアーも開催している。
スノーシューを履いてガイドと一緒にトレイルを外れ、厳しい寒さでも活動している動物たちの足跡を追えるツアーは参加費も無料、そしてスノーシューを持っていない人には無料で貸出される。スノーシューの説明もしてくれるので、未経験でも安心して参加できる。
普段はトレイルから外れることはできないので、大自然の中に行ける貴重な機会だ。
雪の上に付いた動物の足跡を探して歩き、ガイドが何の動物なのか、冬の動物たちの生活の様子などを解説してくれる。木の枝に残っている鳥の巣や、木の幹に残っている熊の爪痕など、興味深いものばかり。
多くの動物が住むガティノパーク。冬の寒さは厳しく地面は文字通り雪と氷に埋もれているので、活動する動物は少ない。それでもそんな冬の間でも活動し続ける動物がいる。
ビーバーは氷の下を泳ぎ、餌を取って冬の間でも動き続ける。カンジキウサギは身体の重さが非常に軽く雪の上を歩いても雪の中に沈まないため体力の消耗が少ない。エリマキライチョウは木の上から雪の上に落ち、雪の中に沈む事によって外敵の目をくらますカモフラージュをしつつ、体温を保つというユニークな方法で冬を乗り切るのだそうだ。
雪の上にはそんな冬でも活動している動物の足跡が鮮明に残されている。ミンク、イタチ、オコジョは似ているが足跡の大きさで見分けが付くのだそう。
足跡の大きさ、指の数、歩き方や、歩幅、尻尾の跡があるかどうかなどで、どんな動物が歩いた後なのか分かるという。雪があるからこそ見える動物の活動の様子は、とても興味深く寒さも忘れてしまうほど。とはいえもちろん完全防寒は必須だが、風がなく晴れている日は気温がマイナスでもスノーシューを履いて歩いていると暖かく感じることもあるほどだ。
そして1月から3月の金曜には、夜のスノーシューツアーも開催されている。こちらは有料だが、スノーシューの貸し出しは無料。夜の大自然の中でのスノーシュー。これは体験していないが、ちょっと怖そう。でも通常体験出来ないことなので、いつか機会があればドキドキしながら体験してみたいものだ。
Gatineau Park – National Capital Commission (ncc-ccn.gc.ca)