過去の失敗、やり残した仕事、来し方行く末…中山道歩きをしていると「へんなもの」が見える?
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    2025.02.11

    過去の失敗、やり残した仕事、来し方行く末…中山道歩きをしていると「へんなもの」が見える?

    過去の失敗、やり残した仕事、来し方行く末…中山道歩きをしていると「へんなもの」が見える?
    ビーパルOB・宮川 勉が、年を重ねてこそしみじみと味わい深い「歩く旅」の楽しみを案内。今回は歩き旅ならではの内省モードに突入していると、ふと出会える「へんんなもの」をご紹介します!

    歩き旅は、自分と対話をし続けている旅かもしれない

    中山道のへんなもの

    プーさん(滋賀県柏原宿)。心の清い人にしか見えないプーさん。確かにいます。見えない人は真面目な顔で「これは何ですか」と訊くので、「ドラム缶とビニールです」と答える。

    歩いていると「へんなもの」が見えます。

    時間にすると午後が多いようです。

    たぶん疲れも出てきて、さらに単調な風景で頭がぼおっとして、見えるのだろうと思います。

    たいてい、目にした瞬間は当たり前のように受け取りますが、すぐあとからじわっと違和感がひろがってきます。

    立ち止まってカメラでおさめますが、疲れているので、あまり感動もありません。

    歩きの旅というのは、風景を見ている反面、自分と対話をし続けている旅だと思うのです。 特に人と出会わない林道では、独り言が多くなります。あえて声に出してみます。

    「ああそうか」

    「先に何があるのだろう」

    「こんなところにまあ」

    「あのときああしていればよかった」

    目にしたものがきっかけとなって、とりとめのない空想が次々に浮かび、過去の失敗ややり残した仕事、来し方行く末を考えているものです。

    つくづく歩きの旅というのは陽気なものではありませんね。陰気な旅です。

    この内省的な時間が私は好きなのですが。

    心が閉じた内省モード時にしか見えない「へんなもの」たち

    中山道のへんなもの

    パンダ(埼玉県本庄宿)。国道の歩道に小さいパンダがいた。どうも道路標識が撤去された後の穴を埋めたようだ。工事関係者が仕込んだいたずらかもしれない。残念ながら、人家から遠く離れていて、この歩道を通る人は少ないと思う。私だけが気づいたアート作品。

    そんなときに、なにくわぬ顔して現れるのが「へんなもの」です。

    気持ちが開いて、風景に感動している間は、これが現れません。へんなものは心が閉じた状態でしか見えてこないのです。

    ご紹介するのは、ほんの一部です。写真は撮ってませんが、へんなものをいっぱい見ながら歩いているんだろうなあ。

    中山道のへんなもの

    猫科の何か(長野県和田宿)。国道142号線の歩道にできた猫科の何か。落ち葉の屑で出来ていた。靴で寄せたりは1ミリもしていないのに、よくまあ。

    中山道のへんなもの

    スキーゲレンデ(長野県和田峠)。和田峠を慎重に下りているとき、ふと視界に映った風景。ああ、樹間の向こうにスキー場があるんだな、人影がまったくないなあ、と思った。下りきるとただの道路だった。光の具合で真っ白な人工のゲレンデに見えただけ。きつねにつままれた思いだ。

    中山道のへんなもの

    ナキウサギ(長野県奈良井宿)。工場の花壇にいた。近づいて、いくらなんでも厳しいなと思ったが、それでも娘にラインで送ってやろうと撮影しておいた。送ってみたけどなんの返信もなかった。

    宮川 勉

    水彩画家・文筆家

    元BE-PAL編集部員。ライターときどき画伯(笑)。なんちゃって虫屋。中山道を歩いた記録として『中山道のリアル〜エッセイのある水彩画集〜』(私家本)がある。アマゾンの電子書籍で販売しています!

    宮川 勉
    中山道のリアル: エッセイのある水彩画集

     5年かけてちんたらと中山道を歩き通しました。中山道というのは、東京の日本橋から京都の三条大橋までをつなぐ旧街道です。東海道は有名ですが、中山道はその山道版とでもいうロングトレイルで、信州や美濃といった山がちな場所を歩きます。そのときに心に残った風景を水彩画として描き、まとめたものが本書です。


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