(画像提供:トレイルブレイズハイキング研究所)
今、世界各地で「ロングトレイル」への注目度が高まっている
東海自然歩道は、東京・⾼尾から⼤阪・箕⾯までゴールデンルートを歩いて⼀本に繋げる長大なトレイル。11都道府県60市町村にも跨るその総距離は、単線で1,200kmにも及びます。開通したのは1974年。日本で初めての長距離自然歩道として、50年もの長い歴史を持つ道なのです。
そんな歴史ある道に、今、再びスポットライトが当たり始めています。その理由は、コロナ禍を経て、世界中で身近な自然環境を見つめ直すムーブメントが起きていること。自然への理解を深める教育の場として、世界各地で「ロングトレイル」への注目度が高まっています。
日本国内でも、長距離自然歩道として初めて官民連携となる民間組織によって管理運営が始まった「みちのく潮風トレイル」が、2023年度に国内外から延べ12万人ものハイカーを集めたニュースは記憶に新しいでしょう。今や、地域創生の重要なツールの1つとして、全国各地でロングトレイルの整備が進められているのが現状です。
東海自然歩道の可能性を語り合う1日
一方、東海自然歩道は、これまで各自治体や都道府県が維持管理を続けてはきたものの、正直なところ、一般認知度は低く、利用状況が見えにくいなど、運用面でのさまざまな課題を抱えてきました。
しかし、コロナ禍とみちのく潮風トレイルの成功を機に、風向きが変わります。気持ちよく自然の中を歩いて回ることができる素晴らしい歩道が、じつは首都圏〜東海エリア在住者の身近にもあることが再認識され、その魅力が拡散されていったのです。
こうした流れの中で、東海自然歩道を再度見直して、もっと気持ちよく歩けるトレイルとして再生したいという動きが出始めました。そして、ハイカーや行政、地域のみなさんが一堂に集まり、その可能性を語り合おうというのが、今回開催されるイベント『つなぐ東海自然歩道、もう一歩!』です。
歩き旅のための貴重な情報や生き字引が集結
予定されている内容は、2024年度に行われた実地調査の報告をはじめ、歩き方の指南や各自治体による見どころ解説など、盛りだくさん。
ビーパル読者にはお馴染み、34年前の1991年に全線を歩いた作家・シェルパ斉藤さん、2024年に全線を歩いた山中二郎さん、新旧2人のスルーハイカーによるトークショーも開催されます。
また、会場には全国各地のロングトレイルに関するブースも出展され、歩くために必要な貴重なデータの無料配布が予定されています。この春夏に長く歩く旅をしてみたい方にとっては、情報収集の場としても非常に役立つでしょう。 なにより、歩き旅のプロフェッショナルたちをはじめ、全国各地からハイカー濃度の飛び切り高いメンバーが集結する本イベント。歩くことが好きな方にとっては、学びの多い、たまらない1日となりそうです。
会場:A&H ホール 千里中央
主催:一社)トレイルブレイズハイキング研究所
助成:地球環境基金
協力:環境省、大阪府、京都府等
*事前申込制(有料) 詳細は主催者HP(https://trailblaze-hi.org/event/tsunagutshmouippo/)でご確認ください。