
私たち夫婦は、2年間のヨーロッパキャンピングカー旅を通して、場合によっては治安が悪いエリアで車中泊したりしながら、防犯面で学んだことがたくさんあります。
今回は、私たちが実際に使って役立った防犯アイテムやセキュリティ対策、工夫していることをご紹介します。日本は比較的安全と言われていますが、やはり用心に越したことはありません。
海外で培った知識や対策を、日本の車中泊やキャンプなどのアウトドアライフにもぜひ役立ててください!
ヨーロッパの車中泊事情:2年間のキャンピングカー旅で学んだ防犯対策

どこでも自由に寝泊まりできるキャンピングカーは魅力的ですが、注意点もあります。
私たち夫婦は2023年から、長年の夢だったバンライフでヨーロッパを周遊しています。これまで17カ国を車で巡り、有名観光地はもちろん、小さな田舎町や隠れたスポットにも足を運び、新しい発見に満ちた毎日を楽しんでいます。しかし、自由な旅だからこそ、注意すべきリスクも存在します。

キャンピングカーはまさに「移動する家」であり、生活に必要な物や貴重品が全てが車内にある状態です。
車内には生活に必要な物が全て入っており、車上荒らしに遭って、大事なパスポートや身分証明書、仕事で使うパソコンやカメラなどの高価なものが盗まれたら…と想像するだけでゾッとします。
さらに、キャンピングカーは大きく目立つ存在であり、旅行目的で使われているため、普通の乗用車よりもアウトドア用品や高価な電子機器、貴重品が積まれていると思われがちで、車上荒らしの標的にされやすいのです。実際に、ヨーロッパの一部の都市では、キャンピングカーを狙った犯罪が多発しているのが現実です。
私たちの車中泊仲間でも、「スーパーで数分間買い物している間に窓を割られて車内に侵入された」といったケースや「夜寝ている間にそっと忍び込まれ、気づかぬうちに貴重品を盗まれた」といった被害に遭った人が何人かいます。
都市ごとに治安や文化が大きく異なり、旅先ごとの注意点や防犯対策をしっかり理解しておくことが重要です。私たちも、旅を続ける中で現地の経験や、他の車中泊者からのアドバイスを元に、いくつかの防犯対策を実施し、少しでもリスクを減らして安全な旅を心がけています。
実践しているセキュリティ対策
1. 車中泊スポットは慎重に選ぶ

街灯がない場所や人通りの少ないエリアは避けて、なるべく他のキャンピングカーがいるスポットを利用しましょう。
まずは、車を停める場所が安全かどうかしっかり見極めるのが重要です。私たちは「Park4night」というアプリを使って、車中泊スポットを探していますが、必ず他のユーザーのレビューをチェックするようにしています。
レビューには、「車内に侵入された!」や「不審人物が車の周りをうろうろしていた」といったリアルな体験談が書かれているので、悪い評価のスポットには絶対に近づかないようにしています。さらに、「Googleマップ」アプリのレビューや写真、ストリートビューを活用して、事前に周囲の状況を確認するのも一つの有効な対策です。
車中泊をしている人々が互いに助け合うという共通の認識があり、他の車中泊者の近くに泊まることで、より安心感を得られることが多いです。

夜でも明るい場所で車中泊するようにしましょう。
ヨーロッパの観光都市(特にパリ、ローマ、バルセロナなど)では窃盗被害が多いため、そういった場所へは行くのを控えるようにしています。
どうしても訪れる必要がある場合は、中心地から少し離れたオートキャンプ場や、24時間警備のある有料駐車場を利用することで、より安心して過ごすことができます。
2. 外から車内の様子を見えないようにする

カーテンを使って車内の様子を見えなくする。
外から車の内部が見えていると、物が盗まれるリスクが高まります。そこで、サンシェードや遮光カーテン、ロールカーテンを使って外部から内部の様子を見えないようにするのが効果的です。
車から数分離れる時でも、必ず窓やドアをしっかり施錠し、カーテンを引いて車内が見えないようにしています。

サンシェードは外からの視線を遮ってプライベート空間を保てるだけでなく、夏や冬の断熱効果もあるのでおすすめです。
3. 外出中も車内に人が居るように思わせるのがポイント!

ロールカーテンは完全に閉め切らないで、外から見えない程度に上の部分を少し開け置いて、中に人がいるように思わせるのがポイントです。
これは他の車中泊者から学んだ、非常に効果的な対策です。以前は、車内が外から見えると物が盗まれるリスクが高まると思って、カーテンやサンシェードを使って完全に外から見えないようにしていました。
しかし、完全に閉め切った状態にすると、「今、外出していて誰もいませんよ!」と知らせているようなもの。これが逆に車上荒らしのターゲットになりかねません。
そこで、コツは「中に人がいるかも?」という印象を与えることです。カーテンやロールカーテンは完全に閉めず、外から見て中の様子がわからない程度に少し隙間をあけておきます。また、可能であればラジオやテレビを小さめの音で付けっぱなしにして、車内に人がいる雰囲気を作ることが大切です。
このようにして、外から見たときに「もしかしたら中に誰かいるかも?」と思わせることで、相手に警戒心を与え、結果的に車上荒らしのターゲットになりにくくなります。
4. 2段階のロックシステムを使う

2重ドアロックでセキュリティ対策の高さを外部にアピールし、犯人に対して警戒心を与え、狙われるリスクを低減できます。
元々の施錠にプラスして2重ロックを取り付けることで、車をこじ開ける際に手間と時間がかかり、侵入のハードルを上げることができます。
キャンピングカー専用の外付けドアロックは、いくつかのタイプが販売されており、電動ドライバーを使えば簡単に取り付けができます。ヨーロッパの多くのキャンピングカーが取り付けているシステムで、セキュリティ強化のための非常に効果的なアイテムです。
5. モーションセンサーライトを取り付ける

キャンピングカーの外側にライトがあると、暗い場所での車中泊も安心です。
車両の外側にモーションセンサーライトを取り付けることで、動きを感知すると自動で点灯します。これにより、夜間に近づいてくる人をいち早く察知でき、ライトが点灯することで侵入者に対して警戒心を与え、抑止効果が期待できます。特に暗い駐車場で効果的です。
6. 車の装飾を控える

車のボディの目立つロゴや装飾はほどほどに。
日本一周やバンライフをしている方で、SNSのアカウント名やYouTubeのURLのステッカー等を車のボディに貼る人が増えていますが、時によってはこれも少し危険な行為なのです。些細な情報が個人特定に繋がる可能性もあり、悪意ある第三者が接触を試みることも考えられます。
もちろん、悪い人ばかりではなく、良い人の方が多いですし、旅をシェアすることで素敵な出会いが広がることもあります。それでも、安全を守るためには用心が大切なので、車のボディに目立つ装飾を控え、個人情報の公開には気をつけましょう。
7. SNSにリアルな位置情報をアップしない!

SNSでのリアルタイム位置情報の投稿は、特に女性の1人車中泊においては注意が必要です。
旅の様子をSNSでシェアする方も多いかと思いますが、いつ、どこで、悪意を持った人がその投稿を見ているかは分かりません。最近では、リアルタイムの位置情報を公開したことで、思わぬ形で「ネットストーカー」に狙われる事例も増えています。
安易に現在地を投稿することは、身の安全を脅かすようなリスクにつながるかもしれません。また、位置情報を公開していなくても画像に写り込んだ看板や風景だけで場所を特定されることがあるので要注意です。
SNSでの情報発信は楽しみの一つですが、少しだけ注意を払い、リアルタイムで投稿せずに、その場を離れてから2~3日後に投稿するなど、工夫するのが安心です。
8. GPSの位置情報を家族とシェア
常に家族や友人に自分の位置を伝えておくと、とても安心です。特に、私たちのように遠く離れたヨーロッパを旅していると、何が起こるか分からないので、万が一のトラブル時にすぐに助けてもらえる手段として非常に頼りになります。
私たちはiPhoneの「探す」アプリを使って、家族とリアルタイムで位置情報を共有し、もしもの時に家族が自分の現在地を知っているため、より安全に旅行を楽しむことができます。
簡単な対策で、安全で楽しい車中泊旅をしましょう!

一味違った旅を体験できるのが車中泊の魅力!楽しい旅にする為にも防犯対策を忘れずに、安全な旅を心がけましょう!
私たちは2年間のキャンピングカー旅で、たくさんの素晴らしい経験をしましたが、その裏には多くの防犯対策がありました。
時には「少し過剰かも?」と思うこともありますが、安全を最優先することに越したことはありません。「日本は安全だから」と気を抜かず、防犯対策をしっかりして安全で楽しい車中泊にしましょう。
