日本で絶滅したアシカがカリフォルニアで増えすぎている!?アザラシとの違いは?【動物ドッキリクイズ・その23】
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    2025.02.12

    日本で絶滅したアシカがカリフォルニアで増えすぎている!?アザラシとの違いは?【動物ドッキリクイズ・その23】

    日本で絶滅したアシカがカリフォルニアで増えすぎている!?アザラシとの違いは?【動物ドッキリクイズ・その23】
    サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフ、サンディエゴのラホーヤなど、カリフォルニアで海に面した観光スポットを訪れると、アシカの群れを目にすることがよくあります。

    人間を怖がらないのか、あるいはエサを狙っているのか、その両方なのかは分かりませんが、この体長2m、体重200㎏は優に超えると思われる大きな動物が何10頭、ときには何100頭も群れを成してひしめき合う風景は壮観です。

    昨年10月、サンフランシスコに近いモントレーの海岸にアシカがあまりにも増えすぎたために公園が閉鎖されたというニュースが報じられました。

    さらに約1か月後、ロサンゼルス郊外のボルサ・チカでアシカを射殺した犯人につながる情報に2万ドル(約300万円)の懸賞金が懸けられたことがニュースになりました。

    この2つのニュースには共通した背景があります。米国では1972年に制定された海洋哺乳類保護法(Marine Mammal Protection Act - “MMPA”)により、アシカを含む海洋哺乳類は保護動物に指定されていて、捕獲することも危害を与えることも禁じられているのです。大きなものはクジラやイルカ、小さなものはラッコもその範囲に含まれます。

    ちなみにアシカはかつて日本にも生息していましたが、乱獲が原因で絶滅したと言われています。最後の二ホンアシカが確認されたとされるのは1970年代。先述したアメリカで海洋哺乳類保護法が制定されたのとほぼ同時期です。

    アメリカでも以前はアシカの絶滅が危ぶまれていた時期がありましたが、この法律制定後に個体数が急激に増えて現在に至ったという経緯があります。多くの野生動物にとって最大の天敵とは人間であることをつくづく感じます。

    ところで、アシカはアザラシとよく混同されます。見た目は似ていますが、むろん別の動物です。今回はアシカとアザラシを比較するクイズを作成しました。回答選択肢は、すべて「a)アシカ b)アザラシ c)両方 d)どちらでもない」に統一しています。

    ということで、アシカとアザラシ、それはどっち?のクイズ4問です!

    【第1問】寒冷地に多く生息するのは?

    a) アシカ
    b) アザラシ
    c) 両方
    d) どちらでもない

    アシカもアザラシも生息域がとても広い動物です。北極圏から熱帯まで、幅広い海域に分布しています。しかし、全体的な傾向を比較すると、どちらかと言えば暖かい海域を好むか、あるいは寒い海域を好むかの違いはあります。寒冷地に多いのはアシカでしょうか? それともアザラシでしょうか?

    “Harbor Seals” by Kenai Fjords National Park is marked with Public Domain Mark 1.0.

    正解は「b)アザラシ」です。前述した通り、日本ではアシカは絶滅したと考えられていますが、アザラシはまだ野生で生息しています。その代表例はゴマフアザラシです。北海道周辺の海域に多く、冬の寒い季節には沿岸に姿を現すこともあります。

    2002年、多摩川に出現して大きな話題となった「タマちゃん」もアザラシです。しかも、北海道よりさらに寒い北極海に分布しているはずのアゴヒゲアザラシという種類でした。彼がなぜ本来の生息域から遠く離れた多摩川に姿を現したのか、その理由は今もって分かっていません。姿を消した後の消息も不明です。まるでゴジラみたいにミステリアスだなと思いませんか。

    【第2問】大きな声で鳴くのは?

    a) アシカ
    b) アザラシ
    c) 両方
    d) どちらでもない

    アシカもアザラシも鳴き声を上げます。どちらも群れを構成する動物ですので、たぶん仲間内でさまざまなコミュニケーションを取る必要があるのでしょう。

    しかし、片方の鳴き声はかなり大きく、もう片方は比較的静かだという違いがあります。大きな音を出して鳴くのはアシカでしょうか? それともアザラシでしょうか?

    “Pier 39 sea lions 13” by ryanwschwark is marked with Public Domain Mark 1.0.

    正解は「a)アシカ」です。アシカはまるで吠えるように鳴きます。しかも一頭が鳴き始めると、それに反応するかのように群れ全体で大合唱になることもあります。

    サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフなどでは、数100メートルくらい離れたところからアシカの特徴ある鳴き声の共鳴が聞こえてきますし、さらに近づくと会話も難しくなることもあります。観光業界にとっては不都合ではないかと思うのですが、それでも前述した海洋哺乳類保護法のため、アシカたちを港から追い出すことはできません。

    【第3問】魚を丸飲みにするのは?

    a) アシカ
    b) アザラシ
    c) 両方
    d) どちらでもない

    アシカもアザラシも主食は魚です。あの巨体を維持するために大量の魚(ニシン、イワシ、サバなど)、ときにはイカやタコなどを食べ続けます。当然、漁業関係者にとっては好ましくない動物となります。基本的には私たち人間と彼らは食べるものが競合するのです。

    それはともかくとして、エサとなる魚を噛み砕かずに丸飲みするのはアシカでしょうか? それともアザラシでしょうか?

    “Feeding the sea lions in Colonial Corner at Sea World, Gold Coast, Qld – circa 1980s” by Aussie~mobs is marked with Public Domain Mark 1.0.

    正解は「c)両方」です。 カリフォルニア州サンディエゴやフロリダ州オーランドにある海洋テーマパーク『シーワールド』での人気アトラクションのひとつに、エサの魚を投げ与えてアシカやアザラシがキャッチする姿を楽しむエリアがあります。あのエサはそのままするっと彼らの胃袋に収まるわけですね。

    【第4問】ショーに出るほど芸達者なのは?

    a) アシカ
    b) アザラシ
    c) 両方
    d) どちらでもない

    シーワールドで、ただエサを食べるだけではなく、音楽に合わせて踊ったり、ビーチボールでキャッチボールをするなど、ステージ上で芸を披露するのはアシカでしょうか、それともアザラシでしょうか?

    “Gangnam Style” by Prayitno / Thank you for (12 millions +) view is licensed under CC BY 2.0.

    正解は「a)アシカ 」です。 アシカのショーは日本各地の水族館などでもよく見られます。彼らはむろん絶滅したニホンアシカではなく、主に輸入されたカリフォルニアアシカです。

    アシカは後ろ足を体の下に折りたたんで歩くことができます。それに対して、アザラシは胴体で這うようにしか進めないのでショーには向かないようです。 アザラシの知能がアシカに劣っているというわけではありません。

    私が書きました!
    米国在住ライター(海外書き人クラブ)
    角谷剛
    日本生まれ米国在住。米国で高校、日本で大学を卒業し、日米両国でIT系会社員生活を25年過ごしたのちに、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。日本のメディア多数で執筆。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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