行きはよいよい帰りはコワい!?「グランド・キャニオン」で崖を上り下りするハイキングに挑戦
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    2025.02.18

    行きはよいよい帰りはコワい!?「グランド・キャニオン」で崖を上り下りするハイキングに挑戦

    行きはよいよい帰りはコワい!?「グランド・キャニオン」で崖を上り下りするハイキングに挑戦
    ユネスコ世界遺産に登録された自然遺産は米国に12か所あります(2025年1月現在)。グランド・キャニオンもそのひとつ。グランド(大きな)、キャニオン(峡谷)という即物的な地名そのまま、長さは約400㎞、幅は約29㎞、深さは約1,800m。数字だけではイメージしづらいかもしれませんが、面積では東京都が2つすっぽり入り、深さでは東京スカイツリーが約 3本分です。

    もっとも、世界にはグランド・キャニオンよりもっとデカい峡谷が存在します。チベットのツアンポー峡谷はグランド・キャニオンより約100㎞長く、深さに至っては約6,000mと4倍近くもあるのだそうです。探検家の角幡唯介氏はこの知られざる秘境に挑み、著書『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で2010年に開高健ノンフィクション賞を受賞しました。

    探検家とは特別な存在です。神話的と言えるかもしれません。彼らは自らの生命をかけて、「誰も行ったことがないところ」や「誰もしたことがない方法」を探し求めます。彼らがいなければ、私たちには現在でも人類未踏の地が数多く残されていたでしょう。

    もちろん、そんな人は多くはありません。だからこそ伝説になります。私も含めて、探検家ならざる大勢の人たちにとっては、自分が行ったことがなければ未知の土地ですし、それより大きなものを見たことがなければ自分の中では最大です。

    ロサンゼルスから車で約8時間、ラスベガスからなら約4時間で到着できるグランド・キャニオンは、現在でも多くの人々を魅了するに値する偉大な自然遺産です。どれだけ写真や動画で見たことがあっても、生で見ればスゴイものはやはりスゴイのです。

    歩くことによって見えてくる景色

    グランド・キャニオン・ビレッジ近くの展望台。

    米国国立公園公式ウェブサイト内グランド・キャニオン観光案内ページによると、2023年にグランド・キャニオンを訪れた人の数は約473万人でした。パンデミック前にピークだった2019年の約600万人には及びませんが、それでも驚くべき人気です。

    そのほとんどがサウス・リムにあるグランド・キャニオン・ビレッジに押し寄せ、展望台、インフォメーションセンター、ギフトショップ、レストランなどの施設とそれらを繋ぐ歩道を埋め尽くします。駐車場付近では車の渋滞もしばしば起こります。

    旅に利便性や快適さを求めつつ、なるべくなら行楽地のような混雑は避けたい。そんな虫の良い願いを抱く私のような人には、グランド・キャニオンでは少しだけしんどいハイキングをおススメします。

    ビレッジ周辺にはいくつものトレイルがあり、Trailheadと呼ばれる出発地点まで無料シャトルバスでも行くことができます。

    トレイル出発地点近く。

    どのトレイルも出発点は崖の上にあります。そこから谷底に向かって降りていき、また登って戻ってくるルートです。ビレッジからは常に峡谷を上から見下ろしているわけですが、トレイルを長く歩けば歩くほど、それとは異なる角度からグランド・キャニオンの眺望を楽しむことができるというわけです。歩き始めて数10分もすれば、周りに人はぐっと少なくなります。

    トレイルはよく整備されているので運動靴でも十分歩けます。注意するべきは、行きは下りで比較的楽な道のりだけれども、帰りはずっと登り道だということです。つまり、通常のハイキングや登山とは反対になります。下りたら下りた分だけ、帰りの登りもそれだけ長くなるわけですので、ほどほどのところで引き返さないとエライことになります。

    撮影したくなるスポットが次々に現れる。

    私は朝から歩き始めて、1~2時間ほど下った後で引き返し、出発地点まで戻ってくるというハイキングを数か所でしました。帰りはその倍くらいは時間がかかりますが、それでも半日程度の行程です。根性を出せば、もう少し先まで行けたのでしょうが、私にはこれくらいで十分です。

    何人か、本格的な登山装備の人にもすれ違いました。谷底まで降りて、キャンプをする人たちです。彼らはきっと私が見なかった景色を見るのだろうなあと羨ましくはありました。

    途中ですれ違ったお馬さんご一行。

    そんな根性と体力はないけど、谷底まで行ってみたいって人には馬に乗って行くツアーも人気があります。ただし、高所恐怖症の人はご注意くださいと説明がありましたので、私はこちらも断念しております。

    ご自分に合ったスタイルでグランド・キャニオンを訪れてみてはいかがでしょうか。

    朝焼けのグランド・キャニオン。

    私が書きました!
    米国在住ライター(海外書き人クラブ)
    角谷剛
    日本生まれ米国在住。米国で高校、日本で大学を卒業し、日米両国でIT系会社員生活を25年過ごしたのちに、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。日本のメディア多数で執筆。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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