コンパクト化がトレンド!? トラックベースの本格キャンピングカーをイベントでチェック!
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    2025.02.14

    コンパクト化がトレンド!? トラックベースの本格キャンピングカーをイベントでチェック!

    コンパクト化がトレンド!? トラックベースの本格キャンピングカーをイベントでチェック!
    1月31日(金)~2月3日(月)の4日間、千葉県・幕張メッセの国際展示場1〜6ホールにて開催された「ジャパンキャンピングカーショー2025」。国産・輸入車あわせ423台も新型・定番モデルが展示され、大盛況のうちに閉幕。第3弾となる今回はキャブコンバージョン(略称:キャブコン)を中心に紹介していこうと思います。

    夢のクルマが幕張メッセに大集合! ジャパンキャンピングカーショー2025注目モデルをピックアップ<第3弾・キャブコン編>

    キャンピングカーを代表するスタイルがキャブコンバージョン

    キャブと呼ばれる運転台やエンジン、トランスミッション、足まわりを組み込んだ頑丈な枠組みが「シャシー」と呼ばれ、その上に搭載するスペースが「ボディ」と呼ばれます。キャンピングカーではボディに相当するのが「シェル」や「キャンピングシェル」といわれる居住空間。

    これをシャシーに載せたクルマのことを「キャブコンバージョン(キャブコン)」と呼んでいます。

    キャブコンはシェルの形状だけでなく窓・ドアの位置、シートや家具の配置・レイアウトを自由に決められるのが大きなメリット。ベース車両はトヨタのカムロードがもっとも多く、いすゞ・びぃーかむやトラヴィオ、フィアット・デュカトトラックなどトラックベースが多く採用されています。

    ただ、ハイエースやキャラバン、ハイラックスなどのボディをカットしてシェルと一体化させたモデルも存在しています。ちなみに昨年の総生産台数9559台とのうちの1831台(約19%)をキャブコンが占めました。

    時代はコンパクトキャブコン!?  ナッツRVがスマコン3弾となるジョリビーをリリース

    NUT RV「Joly Bee」

    国産キャブコンと言えば、全長5mを超す5.2m5.3mなど大型モデルも各ビルダーがリリースしていますが、扱いやすさやリーズナブルさで昨年よりジワりと再注目を集めているのがコンパクトキャブコン。サイズは全長5×全幅2m以下と一般的な月極駐車場やコインパーキングなどに収まり、日本の道路事情において大型車に比べて気を遣う場面が少ないのもの人気再燃の理由となっています。

    ナッツRVはそんな時代の潮流を知っていてか“スマートキャブコン(略してスマコン)”シリーズとして「ジープニー」、「アレッタ」を昨年に発売。そして今回、初披露されたのが第3弾となる「ジョリビー」。

    全長4.79mとスマコンシリーズ中、もっともコンパクト。同社を代表するキャブコンシリーズのボーダーやクレア同様、高断熱コンポジットパネルを用い側面だけでなく天井やフロアにも使うことで抜群の断熱性を実現するなど、品質については折り紙付き。

    レイアウトは「X」と「W」の2タイプを用意。Xはマルチルームがないため開放的な部屋感のある印象で、リアに常設のハイマウントのセミダブルベッドを搭載。Wはリアに常設シングル2段ベッドを備え、マルチルームも搭載したファミリー向けのモデルとなっています。

    ジョリービーのタイプX。こちらはトイレやマルチルームが必要ない人向け。マルチルームがないので広々とした空間。上部収納庫も逆反りデザインで圧迫感もなし。

    価格も698万5000円〜と驚きのプライス。両タイプとも就寝定員は5人を確保。

    老舗ビルダー、バンテックが新型キャブコン3台を出展

    会場でひときわ人だかりができていたのが、カムロードベースのバンテックによる新キャブコン「トリアス480」。全長は約4.8mで一般的な月極駐車場にも収まる、今年トレンドとなっているコンパクトなサイズ。まずは外観からチェック。

    フロントシート上部にあるバンクと呼ばれる部分の造形だけに留まらず、サイドのプレスラインからリヤに至るまで見たことがないほどオリジナリティに溢れスタイリッシュ。雨水の排水性や走行時の空気抵抗などをしっかりと計算・考慮されて生まれたデザインされています。また、リヤ上部にはキャブコンでは大変珍しいリヤスポイラーまで搭載しています。

    VANTECH「TRIAS480」

    室内のほうはあえてトイレや収納庫として使うマルチルームを置かず、横座座りの3人掛けソファプラス単座シートという新しいレイアウトにより、リビングスペースも開放感もたっぷり。最後部にあるスペースはアコーディオンカーテンが備わり、個室感のある対面単座のリビングとなっていてリモートワークなどにも使える空間。

    ここもベッド展開ができ、上段ベッドも用意。基本はバンク部分に1人、リビングで2人、リアのベッドで1人と合計4人就寝ですが、リア上段ベッドがあればファミリーなど5人の就寝にも対応しています。

    通常は前後方向に対面のリビングを構成するが、トリアスは左右の対面レイアウト。ルーフやサイドウインドウも備わり採光性も高い。

    ほかにも各装備の重量配分もしっかり計算され、走行性を犠牲にしないよう配慮。コンパクトなモデルでもしっかりとこだわって作られているのがよくわる、新世代キャブコンでした。

    そんなバンテックのブースではほかにもハイエースをボディカットしたキャブコン「CH1マーズ」、キャラバンのボディカットキャブコン「CC1 ビーナス」も出展。

    VANTECH「ASTRARE CH1 mars」

    CH1マーズも全長4.9mとコンパクトなサイズが自慢。最後部にはハイマウントベッドがあり、リアのバゲッジドアからベッド下の収納スペースへのアクセスがしやすいのもこのモデルならでは。乗車定員7人・就寝定員6人と大人数向けで、エントランスの左手に冷蔵庫や電子レンジ、右手にあるカウンターには水まわりなどを備えたレイアウトとなっています。

    全長5mとは思えないほど、5人がゆったりとくつろげるリビング。

    リアにハイマウントベッド、左サイドにカウンターを配置。エアコンの搭載も可能。

    大型のリアバゲッジを備え、キャンプ道具などの出し入れも楽々。

    CC1ビーナスは昨年デビューしたCC1のマイナーチェンジ版。こちらは乗車定員6人・就寝定員・4人で、マーズ同様にバックドアも搭載。全長5mを切るボディサイズでキャラバンベースならではの走行性能も魅力。リアの常設2段ベッドにマルチルームも備わっています。

    VANTECH「ASTRARE CC1 venus」

    リビングとリア常設2段ベッドの間にマルチルームも備える。マルチルームの対面は冷蔵庫と電子レンジを装備したキャビネット。

    そしてトピックスをもう一つ。バンテックがいすゞ・トラヴィオをベースにしたキャンピングカーの開発計画を発表しました。バンテックブースの中央にはトラヴィオのシャーシを展示。トラヴィオは小型トラック「エルフ ミオ」をベースにしたキャンニングカー専用シャーシ。現行(2018年以降)の普通免許は車両総重量3.5t未満までですが、この条件をクリアしつつ、ディーゼルエンジンを搭載し、AT限定免許でも乗れる唯一のモデルがトラヴィオ。

    足まわりも専用のものを使い、ジェネレーターも大型化されているのがポイント。エルフ ミオ同様に燃費性能や安全性能も高く、普通免許を取得したばかりの人でも安心して乗れてしまうポテンシャルを備えています。既にNTB(日本特殊ボディ)やキャンパー鹿児、ロータスRVなど、トラヴィオベースのモデルを発売していますが、バンテックでは開発チームを立ち上げて既に準備を進めているとのこと。トラヴィオベースのコンパクトキャブコンが登場する日もそう遠くはないでしょう。

    いすゞの小型キャンピングカーシャーシ「トラヴィオ」。バンテックもトラヴィオをベースにした新型車の開発をスタート!

    ロータスRVが展示したトラヴィオベースのキャブコン「オルカ」。

    ダイレクトカーズはコンパクトキャブコン「Osteria(オステリア)」を初出展

    DIRECT CARS「Osteria」

    第2弾のところでロゴスとのコラボモデルを紹介したダイレクトカーズでは、ボディサイズが全長4.85×全幅1.95mのコンパクトキャブコン「オステリア(Osteria)」も初のお披露目となりました。オステリアはフランス語で「大衆料理店」という意味があり、クルマのなかで大人数で食卓を囲んで楽しいひと時を過ごしてもらいたいという思いから名付けられたそう。

    レイアウトはキャブコンの定番であるフロントに対面のリビング、リアに常設の2段ベッド、中央に通路を挟んでマルチルームとキッチンを振り分け、使い勝手の高さを実現。ホワイトを基調にイエローを差し色にしたインテリアは明るく楽しい印象で大衆料理店ののように家族や仲間で過ごすのに居心地のいい空間になっています。

    キャブコンで定番のレイアウトを採用。LEDライン照明や明るい色の室内で楽しく寛げる。

    未来的なデザインが個性的な「Triglav(トリグラフ)」

    Funluce「Triglav」

    ファンルーチェブランドを展開するビルダー「キャンピングカーランド」。会場で初披露となったトリグラフはジュリア・アルプス山脈にあるスロベニア最高峰の山の名から命名。注目はシェルのデザインで、バンクルーフ部分に曲面を多用した未来的な形状が特徴となっています。

    全長は5.25mと余裕あるサイズで、車内もその恩恵が活かされています。室内はエントランス脇に2ドア冷蔵庫を置き、外からもリビングからもすぐに手が届く位置で使い勝手も良好。リアには幅にゆとりのある常設2段ベッド、中央にはシンク一体型の2口コンロを装備したキッチンキャビネットとマルチルームをレイアウト。欧州モデルのようなモダンで高級な作りが魅力の1台です。

    座り心地が抜群のソファ。幅もたっぷりでテーブルサイズも大きく4人での食事もしやすいサイズ。

    エクステリア同様、家具にも曲面を取り入れておりモダンかつ未来的な雰囲気。それでいて高級感もある。

    国産キャブコンは新しい潮流のなか、それぞれのビルダーが思い描く哲学が詰まったモデルがたくさんリリースされていました。トラヴィオといった新型ベース車も加わり、今後ますます魅力的なモデルが登場してくるのが楽しみです。最後となる第4弾ではワンボックスやミニバン、SUVなどをベースにしたバンコンバージョン(略称:バンコン)の注目モデルを紹介していきます。

    伴 隆之さん

    編集者・ライター

    大学卒業後、自動車専門誌の編集者として勤務し、その後独立。1999年から2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。現在は旅やキャンピングカーを中心にアウトドアやオートバイなどの誌面や動画を製作。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタと日産エルグランドをベースに自身で製作した車中泊カー。他誌にて全国のRVパークを巡り、その魅力を紹介中。

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