職人の魂が詰まったシェラカップほか、アウトドアブランド「ベルモント」のモノ作りの極意!
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    2025.03.21

    職人の魂が詰まったシェラカップほか、アウトドアブランド「ベルモント」のモノ作りの極意!

    職人の魂が詰まったシェラカップほか、アウトドアブランド「ベルモント」のモノ作りの極意!
    信濃川のたび重なる洪水で、稲作の代わりにと発展した新潟県燕三条エリアの金属加工産業。その地場産業に支えられ、発展したアウトドアブランドを訪ね、ものづくりのこだわりを聞いた。

    30年間の試行錯誤で得た極意とは

    belmont

    設立:1999年 拠点:新潟県三条市

    問い合わせ先:ベルモント TEL:0256(36)1081

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    ベルモント代表取締役  鈴木義彦さん。2011年から社長を務める福島県出身のアウトドアズマン。趣味はキャンプと釣りで、1級小型船舶免許と自艇を持ち、休日は社員と日本海に浮かぶ。

    金物の街、燕三条には「ヨコモチ」という言葉がある。「横に持っていく」が語源で、ものづくりの協力体制が敷かれているこの地では横へ横へと流しているうちに、商品が形作られるという意味である。

    「まさに『餅は餅屋』で、それぞれの工程で卓越した職人がいて、彼らをリレーすることで優れた商品が生まれます」
     
    そう話すのは、ほとんどの商品を燕三条エリアで製造するベルモントの社長・鈴木義彦さん。
     
    快活で物腰の柔らかい鈴木社長の案内で雪が降るなか燕市のチタン加工工場へヨコモチ見学。

    「言葉で説明するより、作業を見てもらうほうがわかるかも」
     
    某メーカーの依頼でチタンクッカーを世界ではじめて作ったという高桑一寿さんが、そういいながらチタンシェラカップの製造工程を見せてくれた。

    「絞り(プレス機で金型を押し付けてチタンを延ばす作業)専用の粘りのあるチタン材が出てきてからは、ずいぶん加工しやすくなりましたよ」
     
    チタンクッカーを作りはじめた30年前は、板金用のチタンだったため、絞りの途中で破れたり、失敗の連続だったという。

    「プレス機のスピードを遅くすれば、不良品は少なくなります。だけど、量を作れないからそれじゃ商売にならない」
     
    いかに早く、いいものを仕上げるかが、職人の腕の見せ所だ。加工前のチタンに付ける油の量、工場の室温、金型を動かすスピード、その環境がひとつでも変わると、不良品が多く出たりする。薄くて硬いチタンは繊細だ。
     
    フチ巻き加工のとき、石鹸をカップの縁に押し当てていた。

    「石鹸をやると、カップの縁が綺麗に仕上がるんですよ」
     
    30年間の試行錯誤で高桑さんが得た血の通った極意である。

    「高桑さんが作ったカップはひと目でわかります。納期も早くて、品質が高く、安定している。もうここにしか頼めないです」
     
    鈴木社長は太鼓判を押す。
     
    本社へ戻り、社内を見学させていただく。開発、組み立て、検品、出荷をテキパキ行なうスタッフは若く、社内は明るい。独創的かつ革新的なメタルギアを次々と展開するベルモントは、熟練の職人と新しい人材、それを束ね、彼らと距離が近い鈴木社長によって成り立っていた。
     
    大地が雪に覆われると、燕三条の農家は副業として、納屋で金属製品の内職をはじめる。市民も加わった「ヨコモチ」が、雪国の金属産業を支えていた。

    職人の魂が詰まった質実剛健チタンカップ

    チタンシェラカップ深型フォールドハンドル(メモリ付)
    250、350、480、600、850 
    ¥1,870〜3,135

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    料理を取り分ける食器や火にかけるクッカーとしても使える万能チタンカップ。4㎜厚のチタンを深く絞る(成形)技術は特定の職人しかできない神業だ。全5サイズをスタッキングできるデザイン。

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    プレス機にセットした金型で、丸く打ち抜いたチタン材を絞る。熟練の職人でもチタンが破れて不良品が出るほど繊細な作業。

    チタンシェラカップ深型が生まれる工程

    チタン加工の伝道師 高桑一寿さん

    名だたるブランドのチタン製品を世に送り出してきたチタン加工の先駆者。会長となった今も愛犬モモと工場に通いプレス機に向かう。

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    私たちが作ってます!

     

    start!

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    極薄チタンが金型と喧嘩することなく素直に延びるように薄く油を付ける作業。

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    ブランク加工した円盤の中央にロゴの刻印をプレス。一枚一枚職人の手によって。

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    金型で ガチャンコ!!

    金型をセットしたプレス機でカップの形状に絞る。深い器はこれを2回行なう。

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    絞り加工を行なったあとに不要となる縁部を切断し、安全のためのフチ巻き加工。

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    カップの側面に刻印された容量のメモリをプレス。全工程にその金型が必要だ。

    精巧なチタンプレス加工から生まれた新製品

    飲み物を美味しく保つ。これぞ職人技!

    チタンスタッキングダブルマグカップ Hitoe
    220、300、450 
    ¥3,575、4,125、4,620

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    サイズの異なるカップを2つ絞り、縁を溶接して作るチタン製二重カップ。一重カップの倍の数の金型が必要で、溶接などの手間がかかるチタン加工の集大成ともいえる逸品だ。

    4枚のチタンパネルが安定した炎を実現

    チタン テトラストーブ 
    ¥4,070

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    チタンのパネルを組み立てて、各種アルコールストーブと固形燃料が使える風防兼五徳。煙突効果で炎を安定させ、小さいカップも置けるデザイン。タイベックのケース付き。重量50g。

    無機質なガス缶をムーディーに演出

    右:OD缶ガスジャケット110
    TITANIUM TYPE2 
    ¥4,950

    左:OD缶ガスジャケット250
    TITANIUM TYPE1 
    ¥6,050

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    OD缶の上から被せて、重厚感のあるサイトを演出するチタン製の装飾カバー。染色を使わない陽極酸化発色加工で7色に仕上げた。これも燕三条にある協力工場の特殊技術だ。

    ※構成/森山伸也 撮影/大森千歳

    (BE-PAL 2025年3月号より)

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