定番の焚き火台からメタル薪まで!燕の金属加工技術を集約した「ユニフレーム」のモノ作り哲学
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    2025.03.18

    定番の焚き火台からメタル薪まで!燕の金属加工技術を集約した「ユニフレーム」のモノ作り哲学

    定番の焚き火台からメタル薪まで!燕の金属加工技術を集約した「ユニフレーム」のモノ作り哲学
    信濃川のたび重なる洪水で、稲作の代わりにと発展した新潟県燕三条エリアの金属加工産業。その地場産業に支えられ、発展したアウトドアブランドを訪ね、ものづくりのこだわりを聞いた。
    今回はキャンプギアの老舗、ユニフレームを紹介する。

    定番を大事に育てる「保守」と、ユニークで斬新な商品を生む「革新」がバランスよく混在

    UNIFLAME

     

    設立:1985年 
    拠点:新潟県燕市

    問い合わせ先:新越ワークス TEL:03(3264)8311

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    新越ワークス  ユニフレーム事業部  加賀田優織さん。新潟工科大学で建築コースを専攻し、新卒で入社した新潟市出身の28歳。休日は妻子や仲間とキャンプを楽しみながら、新商品に思いを馳せる。

    新越ワークスは、日本百低山のひとつ弥彦山を間近に臨む越後平野にあった。会社創業のきっかけであり、いまも経営の軸となるのは、金網を用いた厨房機器。例えば、ラーメンの麺を湯切りする「てぼ」は、国内シェア7割を誇る。

    そんな卓越した金属加工技術と職人にプッシュされ、’85年に誕生したのがユニフレームだ。ガストーチなどのガス器具からスタートし「ユニークな炎(フレーム)を創造する」という理念が、ブランド名の由来である。今年、ブランド創設40周年の節目の年を迎えた。

    「ここ燕三条は、ものづくりの連携が整っています。材料選びから加工技術、仕上げ処理、梱包まで会社から30分圏内にある協力工場で、すべてが完結します。その数は130社にも。地場産業をお互いに支え合うという意味で値切りはしません」

    ショールームを案内する加賀田さんが教えてくれた。購入したアウトドアギアが雪国の地場産業を支えていると思えば、愛着が湧くというもの。

    本社の隣にある自社工場を覗くと、ちょうど昨年ヒットしたメタル薪が産声をあげていた。暖房が隅々まで行き渡るオフィスのような工場で、最新プレス機がガチャンと鳴り響く。

    「メタル薪は構造がシンプルなので、作ろうと思えばどこでも作れるものです。ただ、弊社は数種類の金型を作って、量産できる体制にしました。高品質で均一、価格ではどこも勝負できない自負があります」

    金型は、車で10分の金型屋さんが手がける。その制作費は高価で、回収には何年もかかる。長く、多く売って、プロダクトとしての価値を高める先行投資だ。こうして、長い目で育てていくことに開発者としての喜びを感じると、一児の父である加賀田さんはいう。

    「当社の商品の多くは、20年、30年選手です。子供と同じように大事に育てて、大人になって稼いでもらう。そんな想いでアイテムと触れ合っています」

    メタル薪の曲げ加工をする職人は、加賀田さんと同じ28歳。ロゴ刻印をプレスする職人も同じ世代だ。職場も職人もフレッシュで明るい。

    定番を別売りオプションと交えて大事に育てていく保守と、メタ扇などのユニークで斬新な商品を生む革新が、バランスよく混在していた。窓の向こうで降り積もる雪のように、40年積み重ねてきた実績を肌で感じる空間だった。

    ありそうでなかった! 立体型ロストル

    メタル薪 
    ¥1,650

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    横にしたその上に、火種や薪を乗せて着火するだけで、誰でも簡単に火をおこせるユニーク商品。四角柱の4面に開けた穴や筒口から空気を取り込み、燃焼を促す。垂直に立てれば、煙突効果で燃焼効率アップ。焚き火台のサイズに合わせて使える大小2個セット。

    2024ヒット商品「メタル薪」ができるまで

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    材料は厚さ1㎜のステンレス板。メタル薪のために作った金型を使ってプレス機で一枚一枚抜き取る。

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    穴あけも手作業です

    抜き取った1枚の板に2種類の金型を使って穴を開ける。打ち抜いた穴の廃材は、スクラップされ再利用へ。

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    3つもの金型を通して、ようやく全容が見えてきたメタル薪。曲げる前に中央にブランドロゴの刻印を打つ。

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    プレス機(金型)を何度も通すとステンレス板は微妙に反ってしまう。精巧な曲げ加工を前に反りをとる。

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    四角柱にするための曲げ加工は、計4段階。職人が一回一回手作業で金型に合わせてセッティングする。

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    ロゴの刻印、反りとり、曲げ加工が効率よくひとつのエリアにまとまり、それぞれ職人の手で行なわれる。みなさん若くフレッシュで、ものづくりの未来は明るい。

    負けん気が強い職人の街、燕の金属加工技術を集約!

    ベストセラーUL焚き火台

    ファイアスタンドⅡ 
    ¥6,600

    巻いてたためる重量490gの焚き火台。特殊耐熱鋼メッシュを採用し、金網商品で創業したユニフレームらしいギアだ。’96年の発売以降、バージョンアップを繰り返し、別売りオプションを発売予定。

    金属洋食器の街、燕の本気

    ちびレンゲ先割れTi 
    ¥990

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    燕の地場産業といえば「洋食器」と「チタン加工」。その得意分野を合わせたプロダクトだ。もともと某メーカーのOEM商品だったが、昨年オリジナルモデルとして登場した。

    職人のセンスが光る金属扇子

    メタ扇 ブラック 
    ¥11,000

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    金型で打ち抜いた13枚のアルミ板を組み合わせた扇子。オールメタルなので、焚き火に近づけて使っても大丈夫。メタルのひんやりとした感触は、風をも涼しく感じさせる!

    33年間売れ続ける定番グリル

    40周年記念 ユニセラTG-Ⅲブラック 
    ¥19,800

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    コンパクトなベストセラー卓上グリルに、40周年記念限定ブラックバージョンが登場。内側のセラミックパネルが炭の熱を蓄え、満遍に効率よく食材へ伝える。本体のステンレス加工やワイヤー網は、ユニフレームの十八番だ。

    会社の創業は金網プロダクト

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    金網を使った商品がいまも会社の大黒柱。写真は金網とハンドルを固定するスポット溶接のチップ。ザルだけでこんなに種類がある。

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    金網のシートをプレス機で丸く打ち抜くブランク加工。いくつもの金型とプレス機の組み合わせが、均一で質の高い製品を産む。

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    開発から試作、組み立て、検品、出荷まで一連の流れを自社工場で行なう。ひらめきでモノを試作できる環境がユニフレームの礎だ。

     

    ※構成/森山伸也 撮影/大森千歳

    (BE-PAL 2025年3月号より)

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