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2人旅にこだわったロングセラーモデル「Wiz(ウィズ)」

ANNEX「Wizウォークスルー 」。全長×全幅×全高:4695×1695×2370mm。乗車定員:5人、就寝定員:2人。
アネックスのバンコンシリーズの中でも、ハイエースをベースにした「Wiz(ウィズ)」。初代はなんと2008年に登場し、毎年改良されながら熟成・進化が進むロングセラーモデル。長い間、たくさんのユーザーに愛されているウィズですが、その魅力はなんとっても2人旅にこだわった作りにあります。
ベースはバンロング標準ボディのキャンパー特装車でハイルーフ仕様。全幅は1695mmとワイドの1880mmに比べて取りまわしがしやすいのが特徴。それでいて全高は2370mmとハイルーフの恩恵により室内は広々。さらに、ウィズの魅力とも言えるフロントキッチンレイアウトを採用することで、車両後部がすべて居住空間になり、開放的な空間を実現。
収納などの家具類はハイルーフだけに上部とシート下に集約。2人旅だったら大柄な人でも狭さを感じることもほぼなく、車内にゆとりが感じられることでしょう。
就寝定員は2人ですが乗車定員は5人を確保し、フロントシートに2人、リアの横座りシートに3人という形状。リビングは横座りシートと最後部にある2人掛けのマットを使い、テーブルをセットしL字ソファへと展開。

シート下は収納スペースに利用。右側は長さ2160mm。荷室のサイズは600×1280×360mm。

天井左側にはメッシュ収納を装備し圧迫感がでないよう配慮している。中央にはルーフベンチレーションも標準で装備。

テーブル上部には吊り戸棚を装備。リアシート側と反対側にあり、上部の圧迫感がないのもポイント。
標準ボディで快適なスペースを実現

ベッド展開時も後端にリクライニング機構が備わっているので、好みの角度で寄りかかって休める。
実際に大人2人で座ってみても余裕がたっぷり。さらに食事やリモートワークなどをする際も、不便さを感じない大きめのテーブルもポイント。このテーブルは簡単に跳ね上げて固定できるため、いちいち取り外して収納する必要もありません。
ベッドはL字ソファの隙間にマットをセットするだけと簡単で、ベッドモード状態でテーブルが使えるのもウィズならでは。加えてリアのマットはリクライニング機構も備えているので、2人が寄りかかって足を伸ばして休憩もできるようになっています。

ベッドは長さ1900×幅1400mm。余計な家具がないため、車内幅をめいいっぱいをベッドスペースに充てている。

ベッド展開時もテーブルのセットが可能。お座敷風にしてくつろぐこともできて便利。
ウォークスルーできるとより便利
そんなウィズですが、2023年10月にキッチン天板の中央部を跳ね上げることでフロントシート側とリビング側へ往き来できる「ウォークスルーモデル」が新たに追加されました。雨の日をはじめ、真夏や真冬など、雨水や冷気、熱気を車内に侵入させることなく、いちいち外に出ないで車内を往き来できるようになり、利便性が大幅に向上しました。
また、リア上部に家庭用エアコンの装備ができるようになったのも大きなトピック。こちらは2つの仕様が用意されており、「ホームエアコン搭載モデル」は100Ahリチウムイオンバッテリー×2個にエアコン専用の1500Wインバーター、さらにポタ電と外部電源口を装備。
「ホームエアコン搭載モデルプラス」のほうは先述の電源口以外に495Ahリチウムイオンバッテリーと3000Wインバーターを装備し、エアコンをより長い時間使いたい人向けの仕様となっています。
エアコンの有無が選べるようになったことで、四季を問わず冷暖房により快適な旅ができるようになったウィズ。ウォークスルーモデルの価格は578万1600円(2WDガソリン)〜。ウォークスルーなしは573万円4400円〜。扱いやすく快適な2人旅にちょうどいいモデルと言えるでしょう。

キッチンの中央にある天板を跳ね上げればフロントシートとダイネットの往き来ができるのが、ウォークスルーモデルの魅力。ハイルーフのため移動もしやすい。

キッチンカウンター内には標準装備の電子レンジをはじめ、3つの収納スペースを内蔵。カウンターサイズは1380×550×700mm。

引き出し式の30L冷蔵庫をリアシート下に装備。スライドドアからのアクセスもしやすい。

採光性の高いスカイライトルーフも標準装備。ダウンライトのほかにもLEDライン照明も装備し、夜の雰囲気も抜群。

取材車はホームエアコン搭載モデル。リア上部に室内機、フロア下に室外機を設置。バックドアにアクリル2重窓を備えるほか、車両には断熱加工済み。
▼参考記事
実用性の高さと家具の作り込みが美しい「Canele(カヌレ)」
同社の人気コンパクトキャンパー「ファミリーワゴンSS」が2024年にフルモデルチェンジを敢行し、新たに「カヌレ」として誕生しました。
まずファミリーワゴンSSについて軽く説明すると、「積める!遊べる!寝られる!」をコンセプトにしたNV200バネットワゴンをベースにしたモデルで、コンパクトなボディながらも妥協のない作り込みの高さで人気を博していました。ボディはノーマルルーフのほか、ポップアップルーフ搭載モデルもラインナップしていました。
このカヌレはNV200バネットバンがベース。ポップアップルーフ搭載の4人就寝モデル(カヌレER)も用意していますが、新構造要件に適合しているのでノーマルルーフでも8ナンバー(キャンピング車)登録が可能となっています。車名の由来はフランスのボルドー地方伝統のお菓子の名称で、「小さくて、可愛く、美味しい」を基本コンセプトに製作。

ANNEX「Canelé」全長×全幅×全高:4400×1695×1855mm。乗車定員:5人・就寝定員:2人。コンパクトなNV200ベースをモデルに本格キャンパー装備を満載。家具類などは質感が高いのもポイント。

セカンドシートにREVOシートを採用し、5人乗車が可能。普段使いもしやすいのがうれしい。
コンパクトでも対面でくつろげるリビングを実現
インテリアは先代からさらに進化したこだわりが満載。セカンドシートにキャンピングカー専用シートであるREVOシートを搭載し、このシートを反転させて荷室にあるベッドマットと対面でリビングの展開ができる設計。ノーマルルーフモデルでもリビングで2人が向き合ってゆっくりとくつろぐことができます。
運転席後方にはキッチンキャビネットを配し、ここには就寝時にも役立つ「跳ね上げ式ミニテーブル」も搭載。さらに、このミニテーブルにリビングで使うテーブルをセットすることで後端にロングテーブルのセットが可能となっています。
オプションになりますが「リアサイドウィンドウユニットシェルフ」があると収納スペースが増やせるほか、リアウインドウも「リアアクリルウィンドウ」を選択すれば換気と遮熱性が向上するだけでなく、窓の開閉・網戸・シェードも行えさらに利便性がアップできるようになっています。
装備面では天井にLED照明6個とスピーカーを内蔵し、電装についても70Ahサブバッテリーと走行充電システムを標準装備。
そして外装についても2トーンのボディカラーをオプションで用意しているので、好みの1台に仕上げることが可能になっています。

反転したセカンドシートと荷室マットで対面リビング展開。大人2〜3人で休めるスペースを確保。

運転席側のキャビネットにはシンクのほか、車外で使える引き出しシャワー付き蛇口を搭載。跳ね上げ式のミニテーブルも使い勝手が高い。

助手席側のキャビネットはスリム化して就寝スペースを確保。キャビネットにはカップホルダーと収納スペースも備わる。

テーブルを後端の跳ね上げ式ミニテーブルとつなげてL字カウンターにできる。就寝時はスマホなどが置けて便利。

右キャビネット内に電装システムを収める。電圧計のほか、オプションでFFヒーターの搭載も可能。

別売りの「リアサイドウィンドウユニットシェルフ」があれば、小物の整理も楽々。左右の窓に取り付けが可能。

窓の開閉はもちろん、シェードや網戸モードにもできる「リアアクリルウィンドウ」はオプション。リアの視界も確保できる。

フラットにしたセカンドシートと荷室マットでベッド展開。サイズは1950×1200(最大)mmと長さにも余裕がある。
取りまわしがよくて普段使いがしやすく、休日は気軽に車中泊旅が行える、実用性の高さと家具の作り込みが美しいコンパクトキャンピングカーが欲しい人にお薦めのモデル。
気になる価格は356万4000円〜。
Caneléー株式会社アネックスのキャンピングカーラインアップ
▼参考記事
旅・遊び・仕事…多彩なシーンに対応「UTONE(ウトネ)」
「UTONE=う・と・ね」の由来とコンセプト
アネックスは今まで「RIW(リュウ)」というシリーズが存在していました。こちらは、バンライフが日本で一般的になるより前の2014年にウッドテイストをインテリアに用いた画期的なモデル。そんなRIWの後継となるのがUTONEシリーズになります。

UTONEシリーズにもリアルウッドを採用するなど、バンライフテイストが感じられる。さらに、モダンなデザインにFFヒーターやキッチン装備とコンパクトらしからぬ装備が満載。
そんなUTONEですが、「ウゴク・トドマル・ネル」の頭文字から「う・と・ね」と名付けられました。キャンピングカーはキャンプ場や車中泊施設での利用が基本となりますが、それ以外の場所でも「仕事場・趣味の基地」など、無限の使い方や付加価値に想いを込めて命名されたとのこと。

エレベータールーフ搭載の「ER」。コンパクトワンボックスベースのリビングが一気に開放感&採光性がアップ。
外観はほぼベース車両であるNV200バネットバンのままですが、モデル名にある「ER(エレベーティングルーフ)」とあるように屋根にはポップアップルーフを搭載。それでいて全高は1950mm(2WD)と一般的な立体駐車場にも収まるサイズに留めています。
UTONE200

アネックス・UTONE200-ER。乗車定員:4人/就寝定員:4人。全長×全幅×全高:4400×1695×1950mm。
コンパクトでも快適性と積載性が高く、デザインも秀逸

運転席と助手席に独自のターンテックシートを採用。これらを反転させてセカンドシートと対面リビングを展開可能。2人旅ならセカンドシートのみでもくつろげる。
インテリアは厳選したウッドを基調にした質感の高さが魅力的。セカンドシートからリヤまで伸びる左側のキッチンカウンターにはガラスカバー付きのシンク一体式コンロや冷蔵庫を内蔵。スッキリしたデザインでくつろぎタイムや就寝時でも使いやすいのが特徴です。

サイドのロングカウンターは1720×375mm。調理はもちろん、食器や小物などを置いておくのにも余裕たっぷり。
リビングモードは2つの展開が可能なのも見どころ。まずはフロントシートを反転させてセカンドシートと対面させるバージョン。荷室に荷物を積んでいても対面して4人で食事などができるようになっています。次にセカンドシートを反転させ荷室のベッドマットを利用した3列目ソファとの対面モード。こちらは荷室後端にマットをセットすることでより足下スペースに余裕ができゆったりできます。また、テーブルがとても軽いためベッド展開時など取り外して移動させるときも楽に行えるのは嬉しい限り。

セカンドシートとベッドマットを利用したリビング展開も可能。使用シーンに合わせて展開が変えられるのは便利。

コンロを使うためのカセットガス供給器を搭載。ダウンライトも備わり夜間の交換も楽々。
ベッドモードはセカンドシートと荷室の2枚あるマットを使って展開。ポップアップルーフもあるので、フロアに2人・ルーフテント内に2人と4人の就寝も可能にしています。

フロア部分のベッドサイズは1820×1080mm。回転式フロントシートの影響もあり、開放感は同じベース車両のキャンピングカーよりも高い。

ポップアップするルーフは床部分も跳ね上げることができるため、リビングでくつろぐときの開放感は抜群に高い。暖色系のLED照明が多く備わっているので夜間の雰囲気も◎。

ポップアップルーフ内のベッドサイズは1950×1000mm。ここにも照明が備わるほか、3面ある窓には網戸付きとなっているので通気性もしっかりと確保。
装備について見逃せないのがリヤウインドウ。純正のガラス窓から窓埋めプラスアクリル二重窓に変更することで、視界を確保しつつ断熱性や快適性をアップしています。

リヤウインドウは窓埋め&アクリル二重窓を装備。アクリル二重窓は断熱性がアップするほか、網戸やシェードモードにもできとても重宝する。もちろん窓の開閉も可能。

セカンドシートはロングスライドできるのでキャンプ道具や荷物が多くても安心。
積載性や機動性もよくインテリアの雰囲気も抜群。
UTONE200-株式会社アネックスのキャンピングカーラインアップ
▼参考記事
UTONE300

ANNEX「UTONE300」全長×全幅×全高:4695×1695×1990mm。乗車人数:7人/就寝人数:4人
家具の作り込みの高さや車内の雰囲気などはシリーズ共通

セカンドシートを反転させたリビングモード。セカンド&サードシートは好みの位置にセットできるほか、テーブルもスライド調整が可能。冷蔵庫やスイッチ類も手に届きやすい位置にあるので便利。
ベース車両は日産・キャラバンのバン5ドアDXグレード。5mを切る全長に全幅も1,695mmと大き過ぎないサイズで、ワイドボディほど運転に気を遣うこともないのが魅力。
UTONEの前身「RIW(リュウ)」シリーズから引き継がれるクルマとアウトドアの「ソトとナカ」という垣根をなくしたいというコンセプトはそのままで、8ナンバー(キャンピングカー登録)モデルですが、土足のまま車内へ出入りできる設計。床部分もウッド調の重歩行フロアが採用されており、サービスホールの部分は縞鋼板になっています。

セカンド&サードシートはREVOシートを採用。移動中は全員が前向き乗車できる。

ロングスライドレールにより、最長で約2mのフロアが出現。荷物の多いシーンでも安心。
セカンドとサードシートにはキャンピングカー専用のREVOシートを採用。シート展開がしやすく、フラットモードも簡単に行えるので休憩や就寝なども苦労ないのがうれしいところです。またセカンド&サードシートはバタフライタイプなので座面を跳ね上げられることができ、フロア一杯にロングスライドレールが備わっているのでシートを一番前に移動させれば、目一杯荷室を使うことも可能。荷物の多い人にはうれしい機能となっています。
レイアウトはシリーズ共通で右側にロングカウンターを装備。ここに収納スペースやキッチン、電装システムなどがスマートにまとめられているため、余計なキャビネットなどを装備する必要をなくし就寝スペースをしっかりと確保することに成功しています。
そんなロングカウンターはフレーム部に軽量かつ高強度なアルミを採用し、耐腐食性やリサイクル性も実現。さらにカウンターの天板部やテーブルには北海道産シラカバ間伐材を利用。仕上がりの美しさに加えて、ホルムアルデヒドのないノンホルマリン接着剤を使用することでシックハウス症候群対策もばっちり。

ロングカウンター内には電装システムや給排水タンクが収まるほか、収納スペースにもなっている。

セカンド&サードシートを展開してベッドモードに。サイズは2,000×1,140mm。幅は一般的なセミダブルサイズの1,200mmをわずかに下まわるが背の高い人にも対応する2mの長さは魅力的。

標準装備の上段マット。ここは1,800×1,500(最大)mmあり、大人2人でも余裕で就寝できるサイズを確保。天井までも500mmの高さがある。
オプションも豊富でさまざまな使い方に対応できる
装備については、キッチンまわりではFRPシンクに上開き式の40L冷蔵庫をカウンター内にビルドイン。電装系は80Ahサブバッテリー&走行充電システムが標準装備されています。家具についてはYUDAI IRON WORKS製のアイアンバーが備わるほか、飾り板付きのLED照明などにより、車内も落ち着いた印象。
UTONE200や500にオプションで用意されているポップアップルーフの設定は残念ながらありませんが、リヤクオーターウインドウ用の有孔ボードや電装システムの強化、FFヒーターといったさまざまな快適装備はオプションで用意されているので自分に合った使い方で選べるようになっています。

シンクはスリムタイプのFRPシンクを搭載。コップを洗ったり歯磨きなどにちょうどいいサイズ。

冷蔵庫は冷気が逃げにくい上開き式をビルトイン。40Lの容量で飲み物以外にも食材やお土産などを入れておけるサイズ。

アイアンバーは標準装備。好みのアイテムを引っかけたりできる有孔ボードはオプション。

吊り下げ式の飾り板付きLED照明は調光機能付き。スピーカーも標準装備。
価格については540万1000円(2WD・ガソリン)〜。充実した標準装備に加え、家具類の作り込みの完成度の高さなどを勘案すると、とても買い得感の高いモデルといえるのではないでしょうか。
UTONE300-株式会社アネックスのキャンピングカーラインアップ
▼参考記事
UTONE500
UTONE500はハイエースバンS-GLロングワイドミドルボディがベース。最近マイナーチェンジを行ったので、近日中に最新モデルのリポート記事を公開予定。どうぞお楽しみに!
▼参考記事
洗練されたインテリアで優雅な2人旅仕様の「RICORSO(リコルソ)」
リコルソは最近マイナーチェンジで内装が大きく変化。最新モデルの内装をBE-PAL.NETにて紹介予定なので、こちらもどうぞお楽しみに!
RICORSO-株式会社アネックスのキャンピングカーラインアップ
▼参考記事