アリゾナトレイルってどんな道?
アリゾナトレイルは、北の起点がユタ州・アリゾナ州の州境になり、南の起点がアリゾナ州とメキシコの国境まで約800マイル
(1280km)のルートになります。
アリゾナトレイルの始まりは、アリゾナ州フラッグスタッフに住む、学校教師のアイディアでした。広く公に公表されたアイデアは、アリゾナ州全域、アリゾナ州立公園、カイバブ、コロナド、ココニノ、トント国立森林局、土地管理局、国立公園局など、あらゆる種類のトレイルユーザーに受け入れられました。
1994年、アリゾナ・トレイル協会は非営利団体として組織され、日帰りハイキング、バックパッカー、乗馬、山岳自転車、ランナー、トレイルビルダー、ロスカントリースキーヤー、ラマパッカーを中心に協力を得ることが出来ました。そしてアリゾナトレイルは、国内でも有数の長距離コースの一つとなっていきます。
2009年にはアメリカ連保政府のトレイル法によるナショナルシーニックトレイルの指定を受け、全米で11あるトレイルの一つとなったのです。
もちろん、ユタ州とアリゾナ州周辺は、グランドサークルと呼ばれるエリアで多く、の国立公園や州立公園が密集しています。
特にこの地域は、大自然の豊かさ、先住民族の歴史・文化にあふれていますので、観光地としても非常に有名なエリアでもあります。
※グランドサークルとは、アリゾナ州・ユタ州の州境にあるレイクパウエルを中心に半径230kmの円を描くと、この中に8つの国立公園と16の国定公園が含まれる。
こんな風光明媚な場所にトレイルがあるなら、しかもトレイル法で指定しているシーニックトレイルであるなら、歩きたくなるのは当然ですね!
実は、もともと3月に出発する予定を組んでいました。しかし、仕事の関係で計画倒れとなっており、来年以降になるのかな?と考えていたのでした。
もちろん、行くつもりでいたのでガイドブック等も入手していました。
しかし、よく調べてみると、アリゾナトレイルは秋にもスルーハイク(単年で一気に歩き通す方法)歩けるようでした。ただ、ハイシーズンは2月中旬から
4月位まででしょうか?8割ほどのハイカーは春に歩き始めるようです。それ以降になると一気に気温が上がり、水場が無くなってしまうので歩くのに向かないようです。
なぜ、急遽出発に至ったかというと、秋に歩く場合、グランドキャニオンの北リム(北部)は、10月15日にキャンプ場などが閉鎖になり、アクセス道路も降雪と同時に
通行止めになるそうでした。まさに、タイムリミットギリギリでの出発です。
また、水場の状況もあまり良くないようです。アリゾナトレイル協会が公表している最新の水場のレポートをチェックしていかなくてはなりません。
そして、季節的にも気温差がはげしく、山岳エリアなどでは11月に入ると氷点下になる場合もあるようです。
それに加え、毒蛇やサソリ、クーガー(四つ足の大型肉食獣)マウンテンライオン(四つ足の小型肉食獣)に加えて定番のブラックベアー、それに刺さるサボテンと
バリエーション豊かな動植物です。
しかし、アメリカの南部の景色は個人的に大好きです。それに秋から冬にかけてアメリカを歩くのは初めての体験ですし、不安よりもきれいな景色や季節の変化が楽しみで仕方ありません。
しかし、行きも帰りも、公共交通機関がありません。諦めてタクシーに大枚をはたくのか?ヒッチハイクで目的地までたどり着けるのか?
さて、僕は果たしてトレイルの起点にたどり着けるのか?!
Don’t miss it!(見逃さないように)
【Profile】斉藤正史
山形県在住
LONG TRAIL HIKER
NPO法人山形ロングトレイル理事
トレイルカルチャー普及のため国内外のトレイルを歩き、山形にトレイルを作る活動を行う。
ブログ http://longtrailhikermasa.blog.fc2.com/
山形ロングトレイル https://www.facebook.com/yamagatalongtrail