いまや自然にやさしい洗剤、は当たり前。ですが……、50年以上前からそのスタイルを守り続けている「ヤシノミ洗剤」の秘密について、 キーパーソンにお話を伺いました!

(写真左)サラヤ株式会社 廣岡 竜也さん(写真右)BE-PAL編集長 沢木 拓也 提供/サラヤ
サラヤ廣岡さん×本誌編集長沢木 Special 対談!
自然の恩恵を享受して遊んだぶん、自然を汚す行為はご法度。そこで、食事の片付けの際多くのキャンパーが選ぶのが「ヤシノミ洗剤」。環境への負荷が少ない植物性洗剤として先駆け的な存在だ。
沢木(以下沢)「いまではキャンプ場でもすっかりおなじみのヤシノミ洗剤ですが、誕生したのはいつですか?」
廣岡さん(以下廣敬称略) 「1971年です。日本は高度成長期で、経済が優先でコストにすぐれた石油由来の洗剤が一般的でした」
沢「そんななか自然由来の洗剤を発売するのは、かなりチャレンジだったのでは」
廣「当時、洗剤排水による環境汚染が社会問題になっていて、創業者の更家章太(さらやしょうた)が、“モノをきれいにする洗剤が環境を汚してはダメだ”と開発したのがヤシ油を使ったヤシノミ洗剤です。更家は三重県熊野の出身で、林業の家系でした。常に自然と一緒に仕事し、自然に育ててもらった。そんなDNAがこの洗剤を生み出した原点になっているんだと思います」
しかし、植物油といえば食用がほとんどで、洗剤の原料にするのは珍しくコストも高かったので全然売れなかった。
廣「それが、業務用として給食センターで使ってもらったところ、“手が荒れない洗剤”と話題になり、家庭用が欲しいという要望をいただきました」

サラヤ株式会社 廣岡 竜也さん 広報宣伝統括部 統括部長。ヤシノミ洗剤をはじめ家庭用商品の広告・ブランディングを担当。学生時代から野田知佑氏の著書を愛読。
沢「無香料、無着色だから、環境はもちろん、手肌にもやさしかったわけですね」
エントリーモデルとして「ヤシノミ洗剤プレミアムパワー」が誕生
その後、プラスチックゴミを減らすため、食器用洗剤で国内初となる詰め替え用パックを1984年に開発。手から滑り落ちるのを防ぐためにポンプ式をはじめて開発したのも同社だ。
2004年、植物原料の生産地、マレーシア・ボルネオ島の環境破壊が取り沙汰されたが、その際も売り上げ(※メーカー出荷額)の1%で環境を守る活動を開始。同時に、現地の経済と生物多様性の保全の両立を考えた。
沢「そうやって、自然派洗剤が最先端の洗剤へと変化を遂げていったわけですね」

BE-PAL編集長 沢木 拓也 大学時代はワンダーフォーゲル部所属。登山、キャンプ、カヌーとアウトドア趣味は幅広い。野田知佑氏に憧れ、小学館に入社。
環境保護が当たり前、となった昨今だが、ヤシノミ洗剤は50年以上不変の存在だ。
廣「裾野を広げることが大切なので、もっと気軽に手に取ってもらえるようにエントリーモデルとして“ヤシノミ洗剤プレミアムパワー”を開発しました」
無香料・無着色、洗浄に必要な成分以外は使用しないエコロジカルなポリシーを受け継ぎつつ、それを濃縮タイプにし、洗浄力を高めたものだ。

ヤシノミ洗剤プレミアムパワーは泡立ちが良く、油汚れもスッキリ落ちる。木製、ホーローなど使う素材を選ばない。
沢「手肌にもやさしいのに、少ない量でよく泡立つので、キャンプの心強い相棒です。これならキャンパーも、はじめてヤシノミ洗剤を手に取る人も、安心して使えますね」
廣「これからも“衛生・環境・健康”を原点に、歴史を守りつつ、一歩先を目指していきます」
サラヤが取り組む環境保全活動
環境とパーム油産業との共存を考え、森の再生や野生生物の保全のほか、環境に配慮したルール作りなど、ボルネオ島の生態系保全活動に取り組んでいる。今年は海洋プラスチック問題を含む海洋保全活動を推進予定。

左:売り上げ※の1%をボルネオの環境保全に(※メーカー出荷額)。右:RSPO認証を取得。環境と人権に配慮して生産された持続可能なパーム油の普及を支援しています。
左:ヤシノミ洗剤プレミアムパワー200ml(オープン価格)、 右:ヤシノミ洗剤500mlポンプ付(オープン価格)
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