
主にキャンピングカー、バンコン、トレーラーの3つの車種があり、それぞれ特徴が異なり、違った旅のスタイルを提供してくれます。
今回は、2年間にわたってキャンピングカー旅を行っている私自身の経験に加え、旅の途中で出会った車中泊仲間たちの実際の体験を交えながら、各車種の違いやメリット・デメリットを紹介します。「どの車が自分にぴったりなのか?」と悩んでいる方にとって、この記事が少しでも役立つヒントになれば幸いです。
キャンピングカーとは?

最も一般的で、よく見かけるのが「キャンピングカー」と呼ばれる車種です。
国によっては、モーターホームやRV(Recreational Vehicle)、キャンパー、キャラバンなどと呼び方が異なりますが、どれも車全体がキャンピング仕様になっている車両のことです。
車内には、ベッドやキッチン、トイレ、シャワーが完備され、まるで家のような空間になっています。大型からコンパクトなモデルまであり、4〜7人まで乗車・就寝可能なスペースが確保されているものが多く、家族旅行やペット連れにもよく利用されています。
サイズは全長6m以上の車が多く、車内には収納も豊富にあり、大きめのトランクにはアウトドアグッズも収納でき、長期間のアウトドアライフに最適です。
私がヨーロッパ周遊するのに選んだのもこのキャンピングカータイプで、広々とした住居スペースが大きな決め手でした。「家と車」が一つになっているので、自由に移動しながらも、どこにいても快適な「我が家」として過ごせるのが最高の魅力です。
キャンピングカーのメリット

やっぱり1番の魅力は快適な住居スペースです。車内で立っての移動ももちろんOK。
- 快適な住宅スペース
キャンピングカーは「家同然」の住居スペースと洗練された内装、そして最先端の装備を備えています。車内が広めで快適に過ごせるので長期滞在も可能。
- どこでもトイレ・シャワーが使える

雨の日や夜間も外に出ずに車内でトイレやシャワーが使えるのはとても便利です。
ほとんどのキャンピングカーにはトイレやシャワーが完備されているため、外部施設に依存せず、自由度の高い旅ができます。
- 天候に左右されずアウトドアが楽しめる
寒い日や雨の日でも、車内で暖かく過ごすことができ、自然を感じながら快適にキャンプを楽しめます。
キャンピングカーのデメリット
- 駐車場の制限がある
車両が大きいので駐車場を探すのに苦労する事があります。キャンピングカー禁止のエリアがあったり、特に都市部では駐車スペースがなくて、観光を断念せざるを得なくなることもあります!
- サイズが大きいため運転に慣れが必要
狭い道や混雑したエリアでの運転は難しく、高さもあるため、トンネルや高さ制限のある駐車場は要注意です。
- オフロードには向いていない
舗装されていない道路や砂地、山道などでは、車両の性能や走行安定性に限界があるため、自然の中で行ける場所が限られてくる。
気になるキャンピングカーの価格は?
キャンピングカーの価格は大きさや装備内容によって大きく異なります。新車の相場は500万〜1,000万円程度が一般的ですが、海外からの輸入車や豪華なモデルになると2,000万円を超えることもあります。
一方、中古車であれば、状態にもよりますが、200万〜300万円で購入することができます。
ヨーロッパではキャンピングカー利用者が多く、種類も豊富なので、100万円~と比較的安価に手に入ることもあります。
バンコンとは?

自分好みにオシャレにDIYできる点が、バンコンの大きな魅力の一つです。
バンコンとは、バンなどの商用車をベースにして、キャンピング仕様に改造された車両のことです。「バン」を「コンバージョン(改造・改装)」しているので「バンコン」。内装がすでに完成された状態で販売されるものもあれば、ベース車を購入して自分で車中泊仕様にカスタマイズする楽しみ方もあります。
近年、「バンライフ」というライフスタイルの人気とともに、DIYでバンを改造して旅をする人々が増え、バンコンを使った車中泊の旅もよく見かけるようになりました。車内はキャンピングカーよりもコンパクトで、トイレやシャワーがなく、ベッドとミニキッチンのみのシンプルな設営が多いです。1~2人の少人数で、短期間の旅行を楽しみたい方に最適で、特に若いカップルや夫婦に人気があります。
バンコンのメリット

コンパクトでどこでも入り込めるので、自然の中でのワイルドキャンプに最適です。
- コンパクトで運転しやすい
サイズが小さめなので、街中や狭い道でも運転がしやすく、普通の車両と同じ感覚で運転できるのが大きな魅力です。
- 駐車スペースに困らない
駐車場に困ることが少なく、一般的な駐車スペースでも駐車できることが多いです。都市部でも駐車のハードルが低いため、気軽に停められ、街観光・アウトドアの両方に最適です。
- アウトドアキャンプに最適
サイズがコンパクトであるため、山道や海辺など、キャンピングカーでは入り込めないオフロードエリアにもアクセスしやすく、自然の中でのキャンプにぴったりです。
バンコンのデメリット
- 車内スペース・収納が狭い
収納が少なく、長期間の旅行や荷物が多い場合には不便に感じることがあります。車内での着替えや調理も少し大変です。
- 快適さに限りがある、トイレ・シャワーは外部でする必要がある
トイレやシャワーが完備されていないため、毎回外部の施設を利用する必要があります。
- 長期旅には不向き
広さや快適さが不足することがあるため、長期の旅にはあまり向いていないです。
気になるバンコンの価格は?
メーカーや仕様によって異なりますが、キャンピングカーに比べて比較的安価です。新車の相場は200万〜500万円程度で、キャンピングカーよりも手が届きやすい価格帯です。
一方、ヨーロッパでは日本と逆で、バンコンの方がキャンピングカーより高価な傾向があります。新車の場合、800万円~となり、中古車でも600万円~からの購入になります。
トレーラーとは?

広い住居スペースがあるのがトレーラーの魅力です。
トレーラーは車体と住居スペースが別になっており、居住空間のあるトレーラーを車で牽引することで移動するタイプになっています。キャンピングカーやバンコンに比べて、広い住居空間があるのに、割安で購入する事ができるのが魅力的です。トレーラーを所有しつつ、牽引車を日常使いに活用することもでき、使用しないときは取り外し可能なので、旅先でトレーラーを外して、小回りのきく車のみで観光や買い出しができ自由度が高まります。
キャンピングカーやバンコンと比べると利用者率は低いですが、アメリカやデンマークなどのヨーロッパの一部の国では人気の車中泊スタイルです。主に、家族旅行でキャンプ場など一カ所を拠点にして長期滞在を楽しみたい方に理想的な選択肢です。
トレーラーのメリット

コンパクトなのから大きいのまで、さまざまな種類があります。
- 大きな居住スペース
キャンピングカー同様の広い居住空間で、快適な長期滞在が可能で、ファミリーや大人数にも対応しています。
- イニシャルコストが安い
キャンピングカーに比べて車両本体が割安で、価格帯も幅広いため、予算に応じた選択が可能です。
- 今の車を活かしながら活用できる
自分がすでに所有している車を使って、トレーラーを牽引し運転することができます。
トレーラーのデメリット
- 毎日移動して、違う景色で車中泊したい場合は不向き
その大きさや設置の手間から、頻繁に移動するのが難しいため、トレーラーを拠点にして周囲の観光地を巡るスタイルが最も向いています。
- 大きいため、運転や駐車場所の確保が難しい
普通車やキャンピングカーとは違った運転技術が必要になるため、慣れていないと難しく感じます。特に、曲がる時やバック、駐車時に注意が必要になります。車2台分の駐車スペースが必要になるので、駐車場も限られてきます。
- 場合によっては牽引免許が必要
車両総重量が750kg以上のキャンピングトレーラーを牽引する場合は、牽引免許が必要になります。また、どの車種でもトレーラーを牽引できるわけではなく、軽自動車や小型車の場合、牽引能力が低く対応できない場合があります。
気になるトレーラーの価格は?
今回紹介した3つの車種の中で一番安価なのがトレーラーです。もちろん、中には豪華なつくりのもありますが、ベーシックな作りで住居設備がしっかりしたもので200万~購入が可能です。
自分の旅のスタイルに合った車種を見つけ出しましょう

車中泊のスタイルはさまざま!大自然の中での目覚めや、思いがけない発見など、ホテルでは味わえない素晴らしい体験ができます。
車中泊は、非日常的な体験ができ、一味違った旅の楽しみ方を提供してくれます。そんな車中泊の旅をより充実させるためには、あなたのライフスタイルや旅のスタイルにぴったりの車を選ぶことが大切です。
- 車内で快適に過ごしながら長期で自由にどこでも移動したいなら、キャンピングカー。
- 少人数で手軽に短期のアウトドアライフを楽しみたいなら、バンコン。
- 一カ所を拠点にして、大人数で広いスペースを確保したいなら、トレーラー。
それぞれの特徴を踏まえ、自分に最適な車を選び、次の冒険に出かけましょう!どれを選んでも、あなたのアウトドアライフがもっと楽しく、充実したものになること間違いなしです。
