新コンセプトのキャラバンベースのキャンピングカー「アルテ」を速攻チェック!
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    2025.03.08

    新コンセプトのキャラバンベースのキャンピングカー「アルテ」を速攻チェック!

    新コンセプトのキャラバンベースのキャンピングカー「アルテ」を速攻チェック!
    キャンピングカーの専門家、伴 隆之が、気になるモデルの特徴を豊富な写真と知識を元にお届け。今回は日産・キャラバンベースのバンコンバージョンだ。

    キャンピングカーの達人、伴 隆之が注目モデルをレビュー!

    夫婦と子供1人が楽しく快適に旅ができる

    アネックスから新しいバンコン、「Arte(アルテ)」が3月8日から開催される「大阪キャンピングカーショー2025」で初出展されました。

    アネックスのバンコンと言えば、ハイエースをベースに2人旅をコンセプトにした「リコルソ」「ウィズ」をはじめ、NV200・キャラバン・ハイエースをベースにファミリー向け仕様の「ウトネ」シリーズを展開しています。

    この「アルテ」は夫婦と小さな子供1人との旅がコンセプト。アルテの意味はイタリア語やスペイン語で「芸術」を意味し、風景や出会いといった旅の時間を「走る芸術」として表現しているそうです。それでは、車両のほうをチェックしていきましょう。

    扱いやすいナロー・ロールーフボディを採用

    まずはベース車となるキャラバンはナロー・ロールーフを採用。全高が1990mmなので、一般的な立体駐車場でも安心です。全長は4695mmでスーパーロングの5230mmよりも535mm短く、全幅についても1690mmとワイド幅の1880mm190mm狭いため、運転での取りまわしの心配も少ないです。

    外観ではモデル名のロゴがあしらわれている以外は、ノーマルとの違いはありません。

    2列目に単座のシートを採用。ちょっとしたワーキングスペースとしても利用できるほか、運転席後部のコンパクトソファで対面で休憩もできる。

    運転席後部のコンパクトソファの下は収納庫として利用できる。

    飾り板付きのシーリングライトはダウンライトのほか、LED間接照明も付いて夜もモダンな雰囲気。

    インテリアに目を向けるとライトグレーとベージュを基調にした落ち着いた風合い。また、セカンドシートにキャンピングカー専用のFASP社マルチシートを採用しているのも新鮮です。乗車についてはフロントシートに3人、セカンドマルチシートに1人、後部の横向き3人掛けシートで最大7人まで乗車できるようになっていますが、フロントシートに2人、マルチシートに1人と、3人での利用が基本の想定だと感じます。

    家族3人どころか、5人くらいでゆったりできるスペースがあり、開放感もあって心地よい。最後部にある単座のチェアはリクライニング機構も備わる。

    レイアウトはフロントにキッチンを置き、反転させたセカンドシートと横向きシート、ベッドマットでリビングを展開。上部収納庫をあえて設けず、スッキリとさせることで開放感があり、休憩時やキャンプ場などで車窓からの景色も楽しめます。また、中央に動線があるため移動がしやすのもポイント。

    注目はポール式の脱着式テーブルでストレートとクランクタイプのポールを装備しており、レイアウトによってテーブルの位置が簡単に変えられるのがとても便利。とくにクランクタイプのポールはポールを回転させて自由な位置で固定ができるようになっているので、就寝時でもサイドテーブルのようにして利用もできます。

    フロントとセカンドシートにあるクランクタイプのポール。ポールを回転させてテーブルの位置が任意で決められて便利。

    収納は通路部分が長さ2570×幅340mmのスペースを確保し、スキー板や釣り竿のような長尺物の積載も可能。また、ベッドマット下にも収納スペースも用意しています。

    ベッド展開はマルチシートをフラットにし、横座り3人掛けシートの背もたれマットを通路にセットするだけと時間かからず力も必要なし。大人2人と子供1人が十分就寝できるスペースを確保しています。

    L字のフロア部分にも荷物を載せて置くことができる。長さがあるので、スキー板なども積載可能。

    ベッド展開時は長さ1900×幅1500mmのスペースに。大人2人と子供1人が十分寝られる広さを確保。

    さまざまなニーズに応え装備の異なる4つのグレードを用意

    フロントキッチンだと、後方の空間がすっきりとさせることができるのが大きなメリット。

    キッチンキャビネットにはシンクや冷蔵庫、電子レンジが収まるほか、冷蔵庫横に引き出し式の収納庫も装備。

    キッチンはフタ付きの丸型シンクを備え、ドメティック社の蛇口を採用。給水・排水用のタンクは各12L。さらにキッチンキャビネットには電子レンジや49L冷蔵庫を内蔵しています。スライドドアから冷蔵庫のアクセス性もよく、キャンプ時などではその利便性のよさを感じると思います。

    アルテは全部で4グレードを用意。標準仕様のほか12V車載クーラーを搭載した3つのグレードがあり、「クーラーパッケージ」は車載クーラーのほか、外部電源口&ポータブル電源用の電源口、断熱加工を搭載。「クーラーパッケージプラス」はクーラーパッケージにプラスして200Ahリチウムイオンサブバッテリー、外部電源装置、100Vコンセントがついており、「クーラーパッケージプラス2」だとリチウムイオンサブバッテリーが495Ahになり、3000Wインバーターまで装備されます。

    12V車載用クーラーやリアクオーターウインドウの有孔ボードはオプションで用意。

    クーラーパッケージは3タイプを用意し、電装システムに差があるので、用途に合わせ選びたい。

    キャンピングカー専用のオゾン発生器(別売り)は生活臭やペット臭など、車内のニオイを脱臭するのはもちろん、花粉やハウスダストといったアレルゲンの物質分解、カビやウイルスなどを除菌する。スポットライトやスピーカーは標準装備。

    荷室左右の壁に取り付けられたパイプはマットをセットするときに役立つほか、別売りの上段ベッドを設置するためのフレームにもなっている。

    リコルソ&ウィズのような2人旅仕様とウトネシリーズのファミリー仕様の丁度中間的な位置付けのアルテ。2〜3人で旅をするのにちょうどいい、使い勝手の高さが光るモデル。別売りの上段ベッドで家族が増えたときにも対応もしている。価格は標準仕様で500600円〜。

    問)アネックス

    伴 隆之さん

    編集者・ライター

    大学卒業後、自動車専門誌の編集者として勤務し、その後独立。1999年から2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。現在は旅やキャンピングカーを中心にアウトドアやオートバイなどの誌面や動画を製作。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタと日産エルグランドをベースに自身で製作した車中泊カー。他誌にて全国のRVパークを巡り、その魅力を紹介中。

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