
私たち夫婦も、そんな旅に憧れ、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを巡る生活を始めて2年が経ちました。よく「ヨーロッパ各国を長期でキャンピングカー旅する場合、税金や免許はどうしているの?」という質問をいただきます。
実際、私たちもこの生活を始める前に、そのような疑問に直面しました。今回は、私たちの実体験をもとに、ヨーロッパでのキャンピングカー生活に必要な手続きや税金や保険、免許などの維持費についてお話ししたいと思います。
ヨーロッパバンライフは最高!だけど計画的に進める必要あり?

自由にどこでも寝泊まりできるバンライフは最高の旅のスタイルです。
私たち夫婦は、人生最大の大冒険をするために2023年に中古キャンピングカーを購入し、ヨーロッパで車中泊旅を始めました!
ヨーロッパはキャンピングカー文化が強く根付いており、専用の施設が各地に豊富にあるため、自由に各国を巡りながら快適な旅を楽しむことができ、まさにバンライフには理想的な環境です。
私たちのように、フルタイムでバンライフをしながら各国を旅する人々を多く見かけ、海外では非常にポピュラーなライフスタイルになっています。
しかし、バンライフで世界を飛び回ることができるからと言って、住所不定で全てが自由というわけではありません。
居住地を定め、税金や保険などの義務をきちんと守る必要があります。私たちの場合は、夫がイタリア国籍なので、そこを拠点にしてすべての手続きを進めました。
イタリアでの住民登録からキャンピングカー購入まで、思った以上に複雑で、すべてが完了するまでに約3カ月もかかりました。とても長い道のりでしたが、無事に整ったことで、今は安心してヨーロッパ各地を巡ることができています。
キャンピングカーの免許証は?

普通自動車免許証があれば、自由に各国を周遊できるのがキャンピングカー旅の魅力です!
ヨーロッパの多くの国では、3.5トンまでのキャンピングカーの場合は、普通自動車免許があれば運転が可能です。
また、短期旅行者でも、日本の運転免許証と国際免許証があれば、最大1年間の運転が認められています。ただし、1年以上の長期滞在をする場合は、現地の免許証への切り替えが必要になります。
私たちは、1年以上の長期にわたるキャンピングカー旅を計画していたため、イタリアの運転免許証への切り替え手続きを行いました。
すでに有効な免許証を持っている場合は、ゼロから試験を受け直す必要はなく、自国の免許証をイタリアの免許証に書き換えることができます。
書き換えが完了するまでに約2カ月かかりましたが、無事にイタリアの免許証を取得することができました。イタリアはEU加盟国のため、EU内で発行された運転免許証は他の加盟国でも認められており、ヨーロッパのほとんどの国で自由に運転することが可能になりました。
気になるヨーロッパでのキャンピングカーの維持費は?

私たちが旅している車は、2005年製のイタリア製中古キャンピングカーで、これをベースにご紹介します。
自動車税
82ユーロ(約13,000円)
キャンピングカーには毎年自動車税がかかり、その料金は車両の種類、年式、また地域によって異なります。自動車税は車両の登録月の月末までに支払う必要があり、私たちの車はイタリアで登録されているため、イタリアの税務署に支払いをしています。
嬉しいことに、オンラインサービスがあるため、わざわざイタリアに戻って支払う必要はなく、ヨーロッパの他の国からでもインターネットで簡単に支払うことができます。
保険料
474ユーロ(約76,000円)
ヨーロッパでは、加入が義務付けられている自賠責保険と任意の保険があり、その両方を合わせた料金になります。
自賠責保険は、事故で他人に損害を与えた場合、その賠償金をカバーする保険で、加入しない場合、罰金や車両の差し押さえ、運転停止の処分を受けることになります。オプションで任意保険をつけることが可能で、盗難や火災、搭乗者の身体の損傷、車両の損害をカバーしてくれます。
保険料は、契約内容や車両の種類、価値、運転者の年齢、使用目的などによって大きく異なります。また、保険の支払いはオンラインで簡単に行えるため、どの国からでも支払いが可能で便利です。
さらに、イタリアだけでなく、ヨーロッパ全体でカバーされるため、各国を巡るキャンピングカー旅にも安心して出かけることができます。
車検

車検は、必ず決められた日付までに受ける必要があります。
78ユーロ(約12,000円)
車検は、車が安全基準を満たしているか確認する法的に定められた定期的な検査で、2年ごとに受ける必要があります。イタリアの認定された検査センターで実施されるため、必ず2年に1回はイタリアに戻って受ける必要があり、旅のルートもそれに合わせて計画しています。
排気ガスの検査やブレーキ、タイヤ、ライトなど車両の全体的な状態がチェックされます。車検料は毎年変更される可能性はあるものの、基本的には一定の固定料金です。
メンテナンス費

修理や調整を行なうことで、車体のコンディションを良好に保つことができるので、とても大事です。
213ユーロ(約34,000円)
キャンピングカーは車でありながら家でもあり、毎日使うものだからこそ長く快適に使い続けるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。半年に1回、もしくは必要に応じて整備工場に持ち込み、オイルやフィルター交換、タイヤの点検などの定期検査を行っています。
私たちのキャンピングカーはイタリアナンバーの車ですが、メンテナンスはどこの国の整備工場でも対応可能です。ただし、地域によって料金に大きな差があるため、なるべくポルトガルやスペイン、イタリアなど比較的費用が安い国でメンテナンスや修理を行うようにしています。
燃料費

ディーゼル価格は国によって大きく変動するので、安い国で満タンにするようにしています。
2,319ユーロ(約37万円)
1年間にかかったディーゼル燃料費の合計金額で、月平均にすると約3万円になります。1年で約14,000km走行し、14カ国を訪れることができました。
フルタイムで車中泊暮らしをしていますが、毎日移動するわけでなく、移動距離が長い日もあれば、ほとんど移動しない日もあります。気に入った場所を見つけたら、3〜5日ほど滞在するゆっくりペースの旅で、他のバンライフをしている方々に比べると、かなりスローペースな旅のスタイルだと思います。
しかし、そのおかげで各地域をじっくりと楽しむことができ、ゆっくりとした移動が燃料費を比較的抑える結果にもつながっているんじゃないかなと思っています。
その他

時には、自分たちで部品や道具を揃えて、メンテナンスや修理作業を行うこともあります。これが節約になり、学びの機会にもなっています!
500ユーロ(約8万円)
その他、カセットトイレで使う薬剤や排水タンクを洗う薬剤などのキャンピングカーで使う消耗品です。整備工場でのメンテナンス以外にも、自分たちでできる作業はなるべく自分たちで行うようにしています。
ウォーターポンプの交換やコーキングの張り替えなどで使用した修理器具や部品代もその他に含んでいます。
(1ユーロ=160円/2025年3月9日時点)
1年間にかかったキャンピングカーの維持費の合計は?日本と比較してどうか?
合計:3,666ユーロ(約58万円)
キャンピングカーでヨーロッパを周遊するのにかかった1年間の維持費を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?ヨーロッパでのキャンピングカー生活は、自由で魅力的な選択肢ですが、維持費にはしっかりとした計画と準備が必要です。
私たちは日本でのバンライフ経験はありませんが、他のキャンピングカー利用者の話を聞くと、日本では年間100万円近くかかることも多いようです。それと比較すると、ヨーロッパでのキャンピングカー生活は、普及が進んでいる分、維持費が安く抑えられる可能性が高いと感じました。
こちらの記事では1カ月にかかる生活費をまとめているので、よかったら参考にしてください。
私たちの経験を元に、少しでも皆さんがバンライフを始める際の参考になれば幸いです。これからも、冒険とともに、実生活をシェアしていきたいと思いますので、ぜひ参考にしてください。
