
作り方は熱い天板にのせて待つだけ。ズボラ飯の最終形態、薪ストーブ置きっぱなし料理の限界に挑戦します。
私が薪ストーブで料理をする理由

決して便利とはいえない森の家で、薪スト―ブ置きっぱなし料理に挑戦しています。
私が薪ストーブで料理をするようになったきっかけは、森の中の家に引っ越したら電気とガスと水道がなかったから。薪ストーブだけはあったから、暖房を兼ねて調理道具としても使うようになりました。こちらの記事でご紹介したように、我が家では薪の代わりに石炭を燃やしています。
石炭は燃やすと薪よりもずっと黒くて臭いの強い煙が出るため、バーベキューなどには使えませんが、薪ストーブの炉の窓を閉めておけば室内まで煙臭くなることはありません。石炭の強い火力で熱された天板に鍋やアルミのトレイを置くと、ジワジワと食材に火を通すこともできます。

薪ストーブ置きっぱなし料理では、アルミ製の容器とアルミホイルが大活躍。
薪ストーブ置きっぱなし料理のコツは、熱伝導の良いアルミ製の容器を使うこと。もともと廃墟だった今の家に引っ越してきて掃除中に発見した1人用サイズのアルミのトレーを使っています。洗い物を減らしたいのと、蒸し焼きでなるべく早く食べられるように、私はアルミホイルで食材を包んでいます。
ビールが進むソーセージエッグの隠し味は?

確実にビールが進むソーセージエッグ。
1番シンプルで、1番ビールがすすむメニューが、ソーセージエッグです。隠し味はスーパーの値引きシール!?あのシールが貼ってある食材をゲットすると、なんだかお得な気分になって、普通に買うより美味しく感じる貧乏性です。卵を半熟に仕上げるために、ある程度ソーセージに火が通るまで待ってから卵を割り入れ、再びアルミホイルを閉じます。
うまく焼けると、ソーセージに美味しそうな割れ目が現われて、パリッと噛むと肉汁がはじけます。やけどしそうになったところで、ビールで口を冷やすのが最高です。

ビールの次はウイスキーで。
薪ストーブ生活を始めてから、ついついお酒の量が増えています。ビールは食が進むけど、食べ終わったらウイスキーに切り替えて就寝までチビチビ飲むのが至福のルーティンです。
薪ストーブでチャーハンを作ってみた

薪ストーブの天板に耐熱容器を置いてお米を炊きます。
「チャーハンといえば火力が命!薪ストーブの天板は直火で料理するのと違って火力が劣るから無理」なんて決めつけるのはもったいない。
直火の強力なコンロがなくても、家の薪ストーブでチャーハンが作れる自信が私にはありました。というのも、私が住んでいるハンガリーで買えるお米はどれも日本のお米より粘度が低く、パラパラに炊けるのです。まさにチャーハンのためのお米です。
さて、チャーハン作りは、お米を炊くところからスタート。いっそパエリア風に米が入った鍋に油をたっぷり混ぜて炊き炒めてもチャーハンが作れる気はしますが、ここはなるべく慣れ親しんだお家のチャーハンを再現するべく、まずは普通に炊いてみます。
普通に炊く、といってもこの家には電気がないので、お米も薪ストーブで炊きます。ガラスの耐熱容器を天板にのせて、得意のアルミホイルで蓋をして待ちます。しばらくするとフツフツ音が聞こえて、透明のガラス越しに米が沸騰したお湯のなかをゆっくり踊るのが見えます。

炊きあがりが待ちきれず、お米の蓋をしているアルミホイルの上にパンを置いてトースト作り。
炊飯器と違って早炊きモードがないため、お腹が空いて待ちきれないときは、こうやってお米の蓋をしているアルミホイルの上に薄切りのパンをのせてトーストを作ったりもします。

お米の炊きあがり。案外問題なくに炊けてしまって自分でもビックリ。
我が家の耐熱容器はあまり底が深くないので、炊きあがりの米が膨れてこぼれない程度の量を炊くのがコツ。1度に2食分を炊いて、残りは翌日チャーハンを作ります。

チャーハンの米と具材をアルミホイルに包み、トレイを重しにして薪ストーブで焼きます。
チャーハンの作り方は簡単。一晩経って冷えたお米と、卵、ベーコン、野菜、ごま油、塩コショウ、ニンニクとショウガのペーストを一緒に混ぜて、アルミホイルで包み、薪ストーブの天板に置くだけ。少し焦げ目が欲しいから、トレーを重し代わりにチャーハンの包みにのせます。
そのうちジュージュー音がして、ニンニクとショウガの香りがしたところで開封し、焼きムラがないように混ぜたらもう一度焼いて完成です。

薪ストーブの上で作ったチャーハン。
ネギは辛めが好きだから、最後にのせる派です。味の決め手はブロッコリー。ごま油でブロッコリーを炒めると、中華料理風の香りが立つ気がするのです。ブロッコリーの茎は細かく刻めば食べられるから、チャーハンのかさまし要員としてもグッド。
我ながらコンロがない環境で作ったとは思えないような、安定した美味しさのお家チャーハンができました。毎日お弁当に持っていきたい味です。
干しシイタケで和風に挑戦

干しシイタケで出汁を取ってみた。
あんな適当な作り方でもパラパラのチャーハンが作れてしまうくらい、お米の質は日本とは違うものの、やっぱり無性に恋しくなるのが出汁の味。幸いにもシイタケは海外でもかなり一般的になってきていて、干しシイタケで出汁を取ることができます。
干しシイタケを一晩水に漬けたら、醤油や砂糖を加えて簡単麺つゆの完成です。

薪ストーブの火力を利用して作った親子丼。
やっぱり日本人なので、お米が炊けて麺つゆもあると、料理のレパートリーがグンと増えます。例えば、親子丼。半熟加減が難しい…。

カニカマとネギでなにを作るでしょう?
カニカマとネギをたくさん用意して作るのは、あの料理。一体なんだかわかりますか?

薪ストーブの上で茹でたお蕎麦。
干しシイタケでつくった麺つゆで作ったのは、お蕎麦です。お蕎麦のゆで汁がドロッとするのを忘れていて、お蕎麦の汁の中で茹でてしまいちょっぴり失敗。悔しい!
電気、ガス、水道がないと、まともな食事ができないのではないかと、友人らに心配をかけてしまっていますが、このように工夫次第でいろいろな料理を楽しむことができます。失敗することもあるけれど、薪ストーブさえあれば、大抵のことはなんとかなるのです。
