『べらぼう』時代にあった技術も紹介!簡単にできる服のリペア術4選 - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.04.17

    『べらぼう』時代にあった技術も紹介!簡単にできる服のリペア術4選

    『べらぼう』時代にあった技術も紹介!簡単にできる服のリペア術4選
    ウェアのリペアは、ゴミ0生活を目指す「お笑い清掃団」にとって大きな課題のひとつ。

    今回は古来から伝わる修理法から学んでみました。

    4つのウェアリペアに挑戦してみた!

    清掃団・裁縫担当
    高田千尋さん

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    簡単で 楽しいよ~!

    「グラビア芸人」の肩書きで、お笑いからグラビアまで幅広くこなす異色の芸人。裁縫や料理を得意とし清掃団に入団。現在YouTube「新・本気の競輪TV」に出演中。

    清掃団・団長
    マシンガンズ・滝沢秀一さん

    芸人活動の傍らゴミ収集員としても活動。プロの目でゴミ問題を発信し続け人気に。環境省のSDGs関連の広報大使に就任。著書に『ゴミ清掃員の日常』など多数。

    ☆☆☆

    アウトドアライフの「あるある」のひとつに、ウェアの破損がある。「焚き火がはぜて穴があいた」「藪にひっかけてウェアが裂けた」「ジーパンが擦り切れた」など。これら破損したウェア、修理したいけど針仕事は面倒と、そのまま放置したり捨てたりする人も多いのでは?

    環境省が行なった調査(2022年度)でも、破損したウェアの約70%が可燃・不燃ゴミになっている。理由は、処理するのに手間や労力がかからないから。

    「ならば、ウェアリペアを遊びのひとつとして、楽しみながらやればいいんじゃない?」とは、清掃団いち裁縫好き芸人・高田千尋さん。高田さんがウェアリペアにすすめるのが江戸時代から伝わる「刺し子」という伝統的な修理法だ。

    「私が生まれ育った青森県では『こぎん刺し』という刺し子が親しまれてきました。衣服を補強したり修理したりする手法のひとつで、とにかくデザインが美しくて縫っていて楽しいんです」(高田さん)

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    再利用した布を手に取る女性。(「江戸名所百人美女 尾張町」国立国会図書館デジタルコレクション)

    日本三大刺し子のひとつ、青森県津軽地方の「こぎん刺し」作品。高田さんのお母さん作。

    SDGs伝統ウェアリペア

    江戸時代の人々は、衣類の破れなどがあっても捨てずに、さまざまな工夫を凝らし再利用していた。着物が古くなれば、縫い糸を解いてパーツごとの端切れにもどし、子供の着物や巾着、雑巾などに仕立て直す。修繕不可能なボロボロになった衣類は、古着屋が買い取り端切れ布として再び売った。

    「刺し子」は、寒い東北地方で誕生したウェアリペアだ。寒さ対策で表地と裏地との間に薄い綿を入れ、上から細かな縫い目を入れて衣類を補強。その縫い跡は、単なる修復にとどまらず、新たなデザイン模様としての価値をプラスさせ人気を博した。

    ここではこの「刺し子」をはじめ、衣類を再生する「裂織」「仕立て直し」、ヨーロッパの伝統的修理法「ダーニング」の4つのウェアリペアに挑戦する。

    「難しそうに見えて誰にでも簡単にできますよ。とにかく楽しいので試してみてくださいね~」

    すり切れた箇所を補強

    刺し子

    布を数枚重ねて刺し縫いし保温性を高めたり、傷んだ布に美しい縫い目「刺し子」を施して強度をもたせ、長もちさせるよう工夫していた。

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    模様の下描きが施された初心者用「刺し子スターターキット」は衣類の修復用当て布にも使える。https://www.olympus-thread.com

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    刺し子模様の一例。衣類の破損が激しい肩やひじ、胸部分などを装飾的に補修することも。

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    縫い目がかわいいよ!

    パーカのすり切れたひじ部分に左上の刺し子スターターキットの布を重ねて縫い補強。

    破れや穴あきを補修

    ダーニング

    ヨーロッパで昔から伝統的に行なわれてきた衣類の修繕方法。ダーニングマッシュルーム(下写真のキノコ状の道具)に布をかぶせて刺繍をする。

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    ダーニングマッシュルームに布をかぶせて輪ゴムで縛り、刺繍糸で縫う。縫い方は裂織と同じように縦糸を張って、緯糸を交互に交差させていく。

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    靴下の穴をダーニングで補修。経糸、緯糸の色を替えたり、ミックス色の刺繍糸を使えば、きれいに仕上がる。

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    ジーンズのすり切れた部分を補修。ダーニングマッシュルームは手芸用品店の通販などで購入できる。

    着られない衣類を再生

    裂織

    傷んだりして不要になった布を細かく裂き、それを緯糸の代わりにして作る織物。強靭な労働着や背負子の肩紐などに活用されていた。

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    使い古したウェアを手で裂いて、1㎝幅の紐状にし(手で裂きにくい化繊類はハサミで切る)、緯糸にする。

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    麻紐などで経糸を数本張り、裂いた布紐を緯糸にして交互に交差させて織る。緯糸を詰めていけばでき上がり。

    不要になった古着を裂織で再生させて作った鍋敷き。2枚合わせて袋状に縫えば、バッグにもなる。

    古い衣類をリメイク

    仕立て直し

    着れなくなった衣類の糸をほどいたり裁断したりして布状(端切れ布)にし、再び新しいものに作り替える方法。

    江戸時代は衣類をバラした端切れ布が人気で、下駄紐や巾着袋などに活用された。

    綿シャツの端切れ布で作った巾着袋。これに刺し子を施せば、ご覧の通り美しく完成。

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    チクチク縫って完成!

    「1枚の布も刺し子を施したりパッチワークにすると見栄えも良く、作っていても楽しいですよ」(高田さん)

    いろいろな柄の端切れを何枚かつなげて縫えばパッチワークに。写真は和風柄の端切れで作ったバッグ。

    ※構成/松浦裕子 写真/茶山 浩 協力/鶴田佳葉子

    (BE-PAL 2025年4月号より)

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