
車の荷室空間は、ギアの収納、車中泊ほか、工夫次第で使い方は無限大。
今回はイレクターパイプを使用して、車中泊用ベッドを兼ねた収納棚を荷室空間に作り、最大限に活かすDIYを紹介します。
矢崎化工「イレクター」を使用してDIY!

パイプとジョイント部品、接着剤とパイプカッター。パイプは黒・白・グレーの3色展開です。
今回のDIYで主に活躍するのは矢崎化工株式会社のイレクターという組立素材です。
メインとなる「イレクターパイプ」、安価かつ簡単にパイプ同士を接続する「プラスチックジョイント」、ボルト止めのため繰り返し使用できる「メタルジョイント」といった部品を組み合わせて使用します。
イレクターはジョイント部品の種類が大変豊富で、アイデア次第であらゆるDIYに活用できます。
車の荷室に棚やベッドを作成する
イレクターを使用すれば、車の荷室空間を活用する棚であったり車中泊用のベッドを、誰でも簡単に作成することができます。
今回は釣り道具の収納に加えて車中泊も可能な、筆者の車の荷室空間をもとに手順を紹介します。
①骨組みを作成

余分な補強などは付けず、可能な限り荷室を広く使えるようにしました。
まずは車の荷室空間の形状に合わせてイレクターパイプで骨組みを作成します。
イレクターの組み立ては大変簡単です。

付属のスポイトでジョイント接合部に注入します。
パイプカッターで思いの長さにイレクターパイプを切断し、プラスチックジョイントと組み合わせて仮組み、問題なければ接着剤をジョイントとパイプの接合部に注入するだけです。
また、ボルト止めのメタルジョイントであれば後から浮かんだアイデアで組み立て直したり、組んだものを完全にバラして片付けることもできます。
②天板をカット

電動丸ノコがあれば手間なく真っすぐなカットができます。
骨組みを作成したら、次に骨組みに乗せる天板を作成します。
棚としてのみの使用であったり、車中泊の際にはエアーマットレスを敷くといったスタイルであれば、ベニヤ板やパイン集成材といった板材をそのまま乗せるだけでも十分です。
自宅で木材のカットが難しい場合は板材の購入の際にホームセンターでカットを依頼することもできます。
③天板にウレタンフォームを合成レザーで包み込む

柔らかい天板なので何も敷かずに寝転んでも快適です。
筆者の場合は長距離の運転で疲れたり車中泊の際に、できるだけ少ない手間で横になりたいので、そのまま寝転べるように、天板自体をソフトに仕上げてマットレスの役割を持たせました。

3cm厚のウレタンフォームを使用。大型ホームセンターなどで購入可能です。
ウレタンフォームを天板に接着剤で貼り付け、天板より1cmほど大きめにカット、ガンタッカーを使用して合成レザーで包み込みます。
合成レザーで包むためウレタンフォームを貼り付ける接着剤はそこまで強力なものでなくても良く、スプレーで吹き付けるタイプのものや安価で大量に購入できるシリコンコーキング剤などもおすすめです。

余った部分を都度切りながら、少し張り気味に合成レザーを張ると綺麗に仕上がります。

ガンタッカ―は木などにも打ち込めるホチキスのような工具です。
天板裏面は板材のささくれを覆い隠すためにも全体に合成レザーを張りました。
④骨組みと天板を固定するプラスチックジョイントを取り付ける

タッピングビスで取り付けます。
板材とイレクターパイプを固定するプラスチックジョイント部品もラインアップされています。
イレクターパイプと天板を固定してしまえば走行中のガタつきやズレを防ぐことができます。
できあがった天板と骨組みを組み合わせれば、棚としてもベッドとしても使用できる荷室空間ができます。
こだわった点はここ!
荷室空間ピッタリの骨組みにする

荷室に合わせた形状なら手前側左右の袋状になっている箇所もスペースとして使えます。
イレクターパイプの骨組みは、シンプルに仕上げようと思えば4本の足からなるテーブル型でも棚の作成は可能です。
筆者は荷室空間を余すことなく活用するために、手間であっても車両の内張りに沿った形状に骨組みを作成しました。
様々な形状のジョイント部品がラインナップされるイレクターパイプだからこそ実現した複雑な骨組みです。
引き出し収納を入れられた

天板下部の収納物の状態。
ベッドの下段は衣装ケースを利用して引き出し式の収納場所としています。
釣りの際にイヤなにおいになりがちな魚に触れたグローブであったり、海水や川の水で濡れたウェア類を仕舞う場所としています。
また、衣装ケースに骨組みの高さを揃えることで、衣装ケース自体も骨組みを補う形で天板を支える構造としていて、横に渡す梁のパイプを無くすことで収納スペースを最大限活かしています。
DIYで自分だけの車内空間を
車内に棚を設置したり車中泊仕様にしてしまう既製品のキットなども発売されていますが、DIYなら自分のスタイルや収納するギアに合わせた荷室を作り上げることができます。
ぜひDIYで自分だけの車内空間を作ってみてはいかがでしょうか。