自然を求めて、この冬、千葉県鴨川市で2週間ワーケーションしてきました。山があり、海があり、田んぼもある。そんなバリエーション豊かな自然が、ぎゅっとコンパクトにまとまっているのが鴨川の魅力です。
今回はゆったりとした2週間の滞在のなかで出合った、個人的絶景ベスト3をご紹介します。
【ベスト1】穴場感のある「城崎海岸」の透明な海と白砂に癒される
鴨川には海水浴場やサーフスポットとして有名な海岸がいくつかありますが、地元の方がこぞって「一番、きれいだよ」と教えてくれたのが、この城崎海岸。
地元では親しみを込めて「しろさ」と呼ばれているそう。他の有名ビーチに比べてやや小さめですが、穴場感アリ。そして冬に訪れたので、ほぼ貸し切り状態でした。
“きれい”と評される理由は、南房総随一とも言われる透明度の高さと、さらさらの白い砂。周囲の自然環境が、この美しさを保っているそうです。
晴れた日に訪れると、海面が陽射しを受けてキラキラと輝き、青と白のコントラストがとにかく眩しい。さらに、人がいない静けさも相まって、なんとも贅沢な気持ちになりました。派手なインパクトがあるわけではないけれど、今回の旅の中でいちばん心に残った場所となりました。
【ベスト2】定番の「魚見塚展望台」は道中も魅力のひとつ

展望台から見た松島海岸方面
鴨川の定番スポット、魚見塚展望台。その名の通り、かつて漁師さんたちが魚群を探すために登っていたとされる場所で、現在は鴨川市や太平洋を一望できる絶景ポイントとして知られています。

展望台から見た鴨川の街と前原海岸
海の向こうまで続く水平線と、街を包むような緑。スケールの大きさに触れて、日々の悩みがきゅーっと小さくなっていくのを感じました。
そして、この展望台、実は道中も魅力的。豊かな森林が広がり、自然のトンネルをくぐり抜けるような小道を進みます。木々の香り、鳥のさえずり、そして私が訪れた日には運良く、きょん(小型のシカ)にも出会えました。

中型犬くらいの大きさ。野生ですばしっこく、写真を撮るのが大変でした
さらに展望台から少し下った場所にある「鴨川松島」も、セットで訪れたいスポット。鴨川市貝渚にある島々の総称で、レトロなバス停と味のある景観をつくっています。
【ベスト3】季節ごとに表情を変える大山千枚田(おおやませんまいだ)
以前、南房総出身の方から「ここはぜひ行ってみて」とおすすめされていた大山千枚田。今回、念願かなって足を運ぶことができました。
日本で唯一、雨水だけを使って耕作を続けている「天水田」というのが、大山千枚田の特徴です。山の斜面に375枚もの棚田が連なり、冬の時期は、静けさをまとったような落ち着いた佇まい。凛としていて素敵でした。
ちなみに大山千枚田といえば、黄金色に実った稲穂が揺れる秋の風景が有名ですが、地元の方によると、初夏の田植えの時期(5月〜6月)も良いとのこと。稲が育ち始めたばかりの時期には、一面に緑のじゅうたんのような景色が広がるのだとか。

地元の方にお借りした初夏の棚田の写真。写真映え抜群です
日常で見つけた癒しの自然スポットもご紹介
紹介した絶景スポットのほかにも、鴨川には日常で癒しをもらえる自然風景がたくさんありました。例えば、鴨川の歴史あるサーフィンメッカ「マルキポイント」付近。スーパーの帰り道に、自転車で通りかかったところ、夕暮れの空と海のグラデーションがじんわりと沁みました。
また「鴨川ブリュワリーカフェ」のテラス席では、「日本の渚百選」に選ばれた、鴨川市内で最も大きい「前原・横渚海岸(まえばら・よこすかかいがん」を一望しながら、ゆったりとお仕事することも。視界が広がると、気持ちよく仕事が進みますね。

自転車は、廃校をリノベーションしたスポーツ・文化複合施設「小湊(こみなと)さとうみ学校」でレンタル可能。e-bike(電動自転車)なら、長距離や坂道もラクに移動でき、快適に周辺散策を楽しめます。
ちなみに今回の移動手段は自転車が大活躍。車よりも移動時間はかかるものの、そのぶん風を感じたり、鳥の鳴き声が聞こえたり、風景の“ライブ感”が味わえます。運動にもなって、一石二鳥でした。
鴨川の自然を浴びに
鴨川は観光地としてガヤガヤし過ぎていないところも癒されるポイント。東京駅から特急列車で約2時間とけっこう近いにもかかわらず、壮大な自然を楽しむことができて、身も心も整うワーケーションでした。
今回紹介したスポットは、どれも鴨川市内にぎゅっとまとまっているので、短期間の旅行でもサクッと巡ることも可。日々の疲れをリセットしたくなったら、鴨川の自然を浴びに出かけてみてくださいね。