
オフシーズンとなる春は移動や観光に制限がかかってしまうこともありますが、温かな春の日差しと雪景色を同時に見られるという、特別贅沢な季節でもあります。
前回の記事ではシーズンオフでも楽しめるアクティビティとして、ハイキングコースを馬車で行くツアーを紹介しました。
今回も、春にドロミテを旅した筆者が実際に体験した旅の記録を紹介していきます。
定番の山歩きも、春なら2度おいしい!?

山の景色に目を奪われながら、美味しい朝食をたっぷりといただく。
ドロミテ滞在2日目。
まずは1日の活力を養うべく朝食をしっかりと食べました。
朝早くから活動を始める人が多いからなのか、ドロミテのホテルは朝食が充実しているところが多いのもお気に入り。
朝日が山を照らす様子を見ながら、観光の予定を再確認します。
私たちのように郊外に泊まる場合は最寄駅までの送迎の有無など、移動手段の確認はしっかりした方が良いでしょう。
街中に泊まるよりは不便なことが多いのは仕方がないことなので、あまりキツキツに予定を組まないことも大切です。
ボルツァーノからは様々な場所へ向かうバスが出ている

バスステーション。目的地へと向かうバスの番号と時刻表はしっかり確認しておこう。
ボルツァーノ駅すぐ近くにあるバスステーションから、180番のバスに乗り混みました。
本日の目的地は、バスで1時間弱の距離にある大人気スポット、カレッツァ湖。オフシーズンにもかかわらずたくさんの人が乗車していたことからも、湖の人気がうかがえます。
湖に直行することもできましたが、先にランチをしたかった私たちは少し先で降りることにしました。
通常であればカレッツァ湖近くにも軽食を食べられる店があるのですが、この時期は休業中。
事前に調べていなければ食いっぱぐれてしまうところだったので、やはり下調べは重要です。
スキー場にはまだまだたくさんの雪が!

まさか4月に雪に触れると思っていなかった。
降りた場所は、冬ならばスキー客で賑わう山の中腹です。
あまり期待していなかったにも関わらず予想以上にたくさんの雪が残っていて、子供は大喜び。早速雪の上を走り回り、雪玉を投げたりして遊び始めました。
人も少ないので周囲を気にせずのびのびと遊ぶことができます。

雪を見ればすぐに走り出す娘。雪用の装備は特に必要ないが、濡れにくい靴は必要かも。
春の訪れを告げる、可愛い花たち

雪が溶けた場所に顔を覗かせた、可憐な白いクロッカス。
春のドロミテは、命が目覚め、一斉に芽吹き始める季節でもあります。足元を見れば、雪解けを待っていたかのようにひょっこりと顔を覗かせたクロッカスたちが、あちこちに咲き誇っていました。

咲き始めた春の花と雪、両方を同時に見られるのはこの時期だけ。
春の訪れを告げるこの花は、雪解けと共に白や紫の可愛らしい花を咲かせます。雪遊びをしながら春の花を同時に見ることができるのも、季節の変わり目である今だけのお楽しみです。
たっぷりと雪で遊んだあとは、お楽しみのランチです。

やっぱり食べたいのは地元の郷土料理!
ドロミテがある南チロル地方は、イタリアのその他の地域とは大きく文化が異なっています。
食文化もその一つ。ここでしか食べられない山の幸を堪能して、お腹も心も大満足です。
エメラルドの輝きを放つ宝石のような湖

トレッキングコースが無限に存在しているのが、ドロミテ。ランチ後のちょっとした移動も、景色が良くて楽しい。
お腹いっぱいに食べたあとは、腹ごなしも兼ねたハイキングをしながら、目的地であるカレッツァ湖へ向います。
森の中の小道を歩いていくとやがて視界が広がって、奥の方に湖が見えてきました。

カレッツァ湖はボルツァーノから日帰りできる観光スポットとして大人気。
たどり着いた先には、思わずため息が出てしまうような絶景が!
虹を砕いて投げ込んだという伝説が残るのも、納得の美しさです。雪がまだ残っていることで、より水の透明度が際立っているように感じます。
夏には多くの人で賑わうカレッツァ湖ですが、この日は訪れる人も少なくエメラルドグリーンの宝石のような湖をゆっくりと眺めることができました。
湖の周囲は特に山の装備などを持たなくても、気軽に歩くことのできるトレッキングコースになっています。

夏のカレッツァ湖も美しい。
こちらは私が夏に訪れた時に撮影したカレッツァ湖です。
春に比べると水量が多く、草が青々としていますね。それぞれに違った良さがありますが、みなさんはどちらが好みでしょうか?
カレッツァ湖はボルツァーノからのアクセスがバスで1本と非常に簡単で、トレッキングコースの難易度も低く、誰でも行きやすい絶景スポットとしてドロミテの中でも特に人気の湖です。
すぐ近くにバス停があるので移動は楽ですが、オフシーズンは本数が少なくなるので帰りの時間はしっかり確認してから湖散策を楽しみましょう。
存分に山の美しさを堪能し、2日目も終了です。

2009年よりイタリア在住。料理と旅行とモノづくりが趣味のシングルマザー。イタリア在住ライターとして多数の媒体に執筆する他、企業向けマーケティング・リサーチや料理研究など幅広く活動。海外書き人クラブ会員