
この記事では筆者がカヤックに行った艤装とこだわりの一部を紹介します。
艤装とは?
艤装とは船舶や自動車などの室内外に後付けのパーツなどを取り付ける工程のことをいいます。
フィッシング用カヤックへの艤装は徹底的に釣りに重きを置くという方もいれば、釣りだけでなくパドリングも楽しみたいのでできるだけスッキリさせたいという方もいたりと、個人個人のオリジナリティが出る工程です。
マウントを取り付ける

マウントベースを一度取り付けてしまえばワンタッチで艤装品の付け外しができるレイルブレイザ社の「スターポート」
カヤックへの艤装はまずマウントベースの取り付けから始まります。
カヤック本体にマウントベース取り付け用のレールがある場合はレールへのボルト止め、レールが無かったり自身の使いやすい位置に艤装品を取り付けたい場合は、カヤック本体にタッピングビスなどで直接取り付けます。
ポリエチレン製のカヤックは独特の粘りのある材質なので、ビスによる穴は特別な処理をせずとも密閉され防水になります。
一方、ABS製やFRP製のカヤックの場合はコーキングをした上で、板材も薄くタッピングが効かないため裏側に手を回すなどしてナットとネジで固定する必要があるので注意が必要です。
①フラッグを取り付ける

フラッグは目立つ色かつ1.5m以上の高さが望ましい。
カヤックは背が低いため周囲の船舶などからの視認性が良くなく、カヤックの存在に気が付かずに衝突してしまう可能性があります。
他の船舶に自らの位置を知らせるフラッグはカヤックフィッシングの必需品のひとつです。

艇の最後部に設置したスターポートにフラッグを付けました。
フラッグの取り付けに関する明確なルールがあるわけではありませんが、カヤックフィッシング愛好家によって事故が防がれているからこそルールが定められていないともいえます。
どれだけ最少の艤装であってもフラッグの取り付けは最低限必要でしょう。
②魚群探知機を取り付ける

艇内部へのケーブルの入り口。アルミ板と屋外の配電盤の防水などに使用される「ケーブルグランド」を利用し製作。
シーカヤックでは魚群探知機(以下魚探)の有無で釣果は大きく左右されるので、ぜひとも取り付けたい艤装パーツです。
魚探の取り付けの際に考慮しなければならないのが、本体の取り付けはもちろん、電源の取得方法と振動子(超音波を発して魚や海底から反射してきた音波を感知するセンサー)の設置場所です。
今回艤装したカヤックは魚探のケーブル類を艇本体に貼り付けるなどして設置することを前提としているモデルですが、むき出しのケーブルがどうしても気になった筆者は艇の内部にケーブル類や振動子を設置する「インナーハル」を施しました。

艇後部のメンテナンスハッチから見た内部の様子。魚探駆動用のモバイルバッテリー(手前)、貼り付けられた振動子(奥)。上から伸びている筒状のものはロッドホルダー。
振動子の取り付けはアームなどを用いて水に直接浸ける方法もありますが、スッキリした艤装にしたいため艇内部にコーキング剤で接着しました。
船底の板を挟んだ状態でも水まで空気の層ができなければ振動子は機能するので、接着の際に気泡が入らないように気を付ければ大丈夫です。
③ロッドホルダー

スイングアームなど複数のパーツを組み合わせ、使わないときはシートの真後ろ付近までずらせるように工夫。
カヤックに標準装備で埋め込まれている筒状のロッドホルダーもありますが、万が一のロッドの紛失が心配であったため落下防止機構のあるロッドホルダーを追加して使うことにしました。
ちなみに、キャスティング用(ルアーなどを投げること)のロッドだけは右側に取り付けましたが、艤装品のほとんどを艇の左側に取り付けるようにしました。
キャスティング用ロッドを手に持てば艇の右側はほぼ何もない状態になり、右利きの筆者がキャスティングで振りかぶる際に邪魔なものがなくなるようにしました。
④カメラ

艤装部品のなかにはアクションカメラ専用のアームまであります。
艤装に終わりなし!
フィッシングカヤックの艤装には正解がなく終わりもないと筆者は感じます。艤装作業をすればするほど、次から次へと釣りを快適に行う艤装の案が浮かんでくるのです。
特にDIY愛好家にとっては釣りよりも艤装の方が楽しいと感じることもあるかもしれませんね。