
購入時、何を基準に選んだのか?決め手はなんだったのか?そして、実際に旅を始めて2年が経ち、最初は気づけなかった「良かった点」と「悪かった点」がはっきりと見えてきました。
毎日が新しい景色との出会いで、自由に暮らせることの喜びを実感する一方、予想外のトラブルに直面することも!
2年間で17カ国を車中泊しながら見えてきた、愛車の性能や使い心地について、リアルな体験をお伝えします。これからキャンピングカーを購入しようと考えている方、車中泊やアウトドアに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
2年間旅をした愛車がこちら!購入の決め手・基準はなんだったのか?

フルタイムでのキャンピングカー暮らしを予定していたので、快適に過ごせる車選びを心がけました。
私たちは2023年からキャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを周遊しており、旅のパートナーである車選びはとても重要でした。予算内で希望のキャンピングカーを見つけるのはなかなか大変でしたが、懲りずに探し続けてようやく「これだ!」と思う車を見つけました。
愛車のルームツアーと旅のきっかけをまとめた記事はこちら:
1. 中古車だけど、そこまで古くなくて走行距離も少ないもの
選んだ車は、イタリア製のRoller Timer(ローラーチーム)のフィアット・デュカト、Granduca 255Pです。2005年製のキャンピングカーで、走行距離は50,000km台と中古車でもそこまで古くなく、走行距離も少なかったのが大きなポイントとなりました。
あまりにも古すぎるとメンテナンスや故障のリスクが高くなるし、逆に新しすぎても価格が高くなりすぎるので、古すぎず、比較的状態が良い車を選ぶことにしました。
2. 居住性を最優先!

キッチンのコンロは4口もあって必要以上でした!
長期間の車中泊旅をすることを前提にしていたので、快適に生活できることが最も重要でした。「家」として使うので、ベッド、キッチン、シャワー、トイレが完備していることが大きな基準となりました。特にキッチンは、節約のためにも毎日自炊する予定だったので、使い勝手を重視し、大きな冷蔵庫があることも条件の一つでした。

大きめの冷蔵庫では、まとめ買いや冷凍保存もできて、買い物の回数が減ってとても楽です。
3. 収納スペースにこだわった!

上段はすべて収納棚になっており、たっぷり入ります。
これまで「普通の家」で生活していた時に持っていたものを、すべて車の中に収める必要があったので、収納力は最優先のポイントでした。1年分の衣類、生活雑貨、キッチン用品、キャンプ道具など、暮らしに必要なものをコンパクトに収められる車を選びました。

特にこだわったのが、ハンガーがけの収納棚があることです。極寒の地域にも行く予定もあったので、厚手のジャケットも収納できる棚があると、非常に便利でした。
トランクルームは、もう少し大きいサイズが理想でしたが、最終的にはこのサイズで妥協しました。しかし、実際に旅してみるとこのサイズでも十分だということが分かりました。物を増やすことなくミニマリストな生活を楽しむようになり、不要な物を持ち歩かず、本当に必要なものだけを選んで積むことで、無駄のない生活が実現できました。

トランクは小さいですが、テーブルやチェアなどのアウトドア用品も収納できます。
キャンピングカーには様々な種類があり、大事なのは自分の「旅のスタイル」に合わせて車選びをすることだと思います。私たちの場合、長期で暮らしながら車内でパソコンワークをし、アウトドアライフを楽しむ旅を予定していたので、それに見合った車選びを心がけました。
最初は、「これで本当に生活できるのか?」と少し不安もありましたが、実際に旅を始めると、必要最低限のもので快適に暮らせることに気づきました。物を持ちすぎず、水や電気といった生活資源に頼りすぎず、シンプルで効率的な生活ができるということも、キャンピングカー生活の魅力の一つです。
2年間使用してわかったキャンピングカーの「良かった点」
レイアウト抜群!毎日の準備や片付けが不要でストレスフリー

トイレとシャワーが別になっているので、床がびしょ濡れにならず快適です。
私たちが特に気に入った点は、ベッド、テーブル、キッチン、シャワーがすべて常設されていることです。中には、テーブルやソファを片付けてベッドにしたり、シャワーと便座が同じスペースにあるキャンピングカーもありますが、私たちの場合は、最初からこれらの設備がセットされているので、毎回の組み立てや片付けが不要。これが旅のストレスを大幅に減らし、日々の移動と暮らしがより快適になりました。
窓が多くて明るく、風通しも抜群

ベッド横や天井にも窓があり、たっぷり光が入ります。
当初は気づかなかったのですが、住むにつれてこの窓の多さが大きな魅力のひとつとなりました。なんと、天窓と合わせて計11個の窓があり、自然光がたっぷり入ってきます。特に長時間車内で過ごすことが多い私たちにとって、明るく開放感がある空間は心地よさを与えてくれます。風通しがとても良く、車内の空気もこもらないので、お気に入りポイントです。
水タンクが2つあって長期間の旅も安心
水タンクが2つ搭載されている点も非常に便利でした。通常のキャンピングカーは100Lの水タンクが1つだけということが多いですが、私たちの車には合計で150Lの水が搭載されています。
この大きな水タンクのおかげで、長期間の旅でも給水の回数が減り、給水設備が限られている田舎町や自然の中でもストレスなく生活できました。常に給水の心配をしなくて良いことは、長期旅で大事なポイントです。
2年間使用してわかったキャンピングカーの「悪かった点」
車両の大きさと重量/駐車の不便さ
広々とした住居スペースを提供してくれる反面、車の大きさや重量によるトラブルにも直面しました。私たちの車は、全長6m70cm、全幅、2m20cm、高さ2m70cmとヨーロッパでは一般的なサイズのキャンピングカーですが、日々の運転や駐車には十分に気を付ける必要があります。
買い物ひとつ行くにも、スーパーの駐車場が広いか、高さ制限がないか、通る道が狭くないかなど、事前に調べておかないといけなく、不便に感じる時もあります。特に観光地などでは、駐車スペースが限られていることが多く、観光を断念することもしばしばです。
また、車両の重量の影響で、急な坂道や山道を走る際にブレーキが効きづらくなることがありました。実際にブレーキランプが点灯するトラブルも経験し、山道を降りる際は十分に注意するようになりました。
耐久性の問題

水道ポンプは壊れやすく、2回も交換することになりました。
キャンピングカーは特殊な作りをしているため、故障や不具合が起きやすい部分もあります。車内の家具には、重量を抑えるため軽い木材が使われており、経年劣化や日々の振動の影響で、どうしても壊れやすくなってしまいます。また、雨風や直射日光に長時間さらされたり、湿気の多い環境や厳しい冬の寒さにさらされると、劣化が早まることがあります。
私たちも実際に、窓のプラスチック部分が壊れたり、水道ポンプのゴムパッキンが故障したり、電気システムに不具合が起きたりと、様々なプチトラブルに見舞われました。中古車ということもあり、こうした問題はどうしても避けられない部分です。
故障時の部品調達が難しい/修理が高額
購入したキャンピングカーは古いモデルだったため、故障した際の部品調達に難しさを感じました。特にプラスチック部品は乾燥して割れやすく、ちょっとした不具合でも部品を取り寄せるのに時間がかかることがあります。時には部品があまりにも古くて、もう製造されていないこともあり、その場合は代用パーツで修理を行うことが度々ありました。
また、キャンピングカーの修理には専門的な技術が必要で、修理費用が高額になってしまうのが一番の難点です。これらのメンテナンスは古い車ならではの課題であり、定期的に車内や外装の点検を行うことが重要だと実感しました。些細なトラブルでも早期に対処しないと、大きな問題に発展してしまうことがあるため、注意が必要です。
良し悪しはあるが、それでもこのキャンピングカーを選んで大満足!

キャンピングカーでの生活は、日常の枠を超えた自由な旅を可能にし、自然との一体感や新しい経験を積むことができます。
2年間ヨーロッパ製キャンピングカーを実際に使用して感じたことは、高い品質や洗練されたデザイン、快適な内装など、多くの魅力がある一方で、大きさや故障、メンテナンスの手間といった課題も少なからず存在することです。しかし、これらを上回る大きな喜びを感じることもできました。
多少の不便さは感じるものの、その自由と楽しさを考えると、今でもこのキャンピングカーを選んだことに非常に満足しています。これからキャンピングカーを選ぶ方には、メリット・デメリットをしっかりと理解した上で、自分のライフスタイルに最も合ったものを選んでいただければと思います。
