
と書きましたが逆ルートも一般的。というわけで今回はこの逆ルートを紹介しながら、さてどっちのルートがいいのかを検討したいと思います。
どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
富士山とも何度も出会えるコースです!
この「奥高尾縦走路」。総距離18キロメートルで標準コースタイムは約6時間15分となかなかの長丁場。陣馬山のほうからスタートすると累計標高差、登りは約1200メートで下りは約1300メートルなのだとか。
東京23区などからもアクセスが容易で、最も高い場所である陣馬山の標高も854.8メートルで冬でも雪山状態になることはあまりないことから人気。私は少なくとも10回は歩いています。
さて今回とったのは陣馬山→高尾山のルート。まずはJRと京王電鉄の高尾駅北口からバスで陳場高原下バス停に向かいます。高尾駅前のバス停は天気のいい休日とかだと長蛇の列ができていることがありますが、そういうときは大抵臨時バスも出るようです。

このバス停から1.3キロメートル、20分くらいで「陣馬新ハイキングコース」への分岐点に到着。ほぼ100パーセントの人がこの「新ハイキングコース」に入ります。

ちなみにもともとのハイキングコースは和田峠というところまで延々アスファルトの車道を行くのが退屈なのですが、その和田峠から陣馬山までは抜けのいいところが多い気持ちのいいコースです。

10分ほどすると急な登りがスタート。

とはいえここがいちばんの難所。新コースに入ってから1時間ほどでこの登りは終了します。

見晴らしがすごくいいわけではないですが、「最大の難所である木の根だらけの森を抜けた感」があってうれしくなる場所。その先も登山道の左右は樹木におおわれていない開けた道です。
まずは陣馬山に到着!
バス停から1時間15分ほどで陣馬山の山頂に到着です。


とはいえこの日は少し霞んでいますね。これが何を意味するのかはのちほど…。

陣馬山頂を出発してすぐが、冬の「霜柱」の名所。この日はほぼない状態でしたが、あるときはものすごい高さの霜柱が見られます。


この先、いくつか南側の斜面に沿った巻き道(う回路)が出てきます。元々のルートを通っても特に景色がいい場所に出るわけではなく、逆に巻き道のほうが陽があたって気持ちよく、しかもアップダウンが少ないので、ほぼすべて巻き道を選択して正解です。

明王峠には知られざる「富士見スポット」が!
陣馬山から1.9キロメートルで明王峠に到着します。ここからは富士山があまり見えないと思われがちですが…じつはすごい富士見スポットがあるんです!



と偉そうに紹介していますが、すくなくとも10回はここを歩いている私がこの踏み台の存在を知ったのは今回が初めて。それだけ「知られざるスポット」なのだと思います。
先に進みましょう。このあとちょっと気持ちがいい尾根筋に出ます。

でもそれもわずか1~2分。山頂とか峠以外、このルートはあまり眺望は期待できません。まあ、低山ハイクですからどうしても木々に視界は遮られがち。
例外はここ! フィジーの離島ですが。笑
さて先ほど「巻き道がおすすめ」と書きましたが、特にこの「明王峠」と「景信山」の間にある「堂所山」は「巻き道一択」でいいと思います。「山」ですが山頂の眺望はないですし、登りも下りも木の根っこがたくさん露出する急坂です。



さてこのあと「景信山」を迂回する巻き道がでてきます。でもここだけは巻き道を避けて、景信山に向かうことをオススメします。景信山からは富士山方面だけでなく、関東平野も見渡せるから。とはいえどうしてもマストというわけでもないですが。

その景信山は陣馬山から5.7キロメートル。バス停から3時間10分ほどで到着。ここでも軽くオヤツ休憩。

「小仏城山」の名物と言えば…
次のポイント「小仏城山」。景信山から約40分で到着。ここの名物は「なめこ汁」ですが、おなかが空いたので「なめこそば」にしました。



次の展望スポットは「一丁平」手前の展望台。




もうさんざん富士山を見たと思ったら迂回するのも手。ただしその名のとおり紅葉の季節は見事です。


もみじ台の先ですぐに分かれ道。真ん中を行くと高尾山頂で、左右が巻き道です。


そしていよいよ高尾山。でも予想通り…
高尾山までの最後の階段は数えてみたら212段ありました。数段ずれているかしもれません。でももう一度検証してみる気にはなれません。なんたってもう4時間ほど歩いてきて、その後に現れる200段以上の階段ですから。
「高尾山頂の混雑は避けたいよなあ」と自分に言い訳するのも全然アリだと思います! 私もここで記事にするつもりで歩いていなければ、巻き道を進んでいたかもしれません。だって…。


高尾山頂に到着したのはちょうど1時。私の足で休憩時間合計1時間を含め5時間半の道のりでした。
このあと薬王院の境内を通って山頂から30分ほどでケーブルカーやリフトの乗り場に到着します。ここからリフトに乗って降りるのがこのルートの贅沢なのですが…この日はまさかの「点検のための運休」。
ケーブルカーはというと「乗車まで30分待ち」だというので徒歩で降りることにしました。山麓にある清滝駅までは結局歩いて25分だったのでケーブルカーを待つよりも早かったですけど、アスファルトの道を延々と歩くのに嫌気がさしました。
「奥高尾縦走路」はどっちから行くのが正解か?
冒頭に書いた話を検証してみましょう。陣馬山方面からと高尾山方面からどちらにもメリット・デメリットはあります。まとめてみましょう。
●「陣馬山→高尾山」(東行きルート)
【メリット】
- 登りが少なくてラク。下りが多いので、歩行時間が短い
- 最後ににぎやかな高尾山でフィニッシュ(薬王院や土産物屋など)。凱旋感を味わえる
- 京王電鉄・高尾山口駅付近も飲食店や土産物屋でにぎやか。温泉もある
- 紅葉は高尾山周辺がいちばん鮮やか
- リフトやケーブルカーで下山ができる。特にリフトは眺めも良く気持ちがいい
【デメリット】
- このルートで富士山がいちばん近い陣馬山に最初に登る。その後、富士山からどんどん遠ざかっていく
●「高尾山→陣馬山」(西行きルート)
【メリット】
- 徐々に富士山に近づいていき、最後の陣馬山でクライマックスを迎える
- ケーブルカーが動き出す前の早朝に着くようにすると、意外なほど人が少ない静謐な薬王院と高尾山頂を楽しめる(ただし店は開いていない)
- 高尾山登山でいちばん気持ちがいい6号路から登れる(一方通行なので下りでは利用できない)
【デメリット】
- 登りが多くて、歩行時間が長い
- 陣馬山からの下りが退屈。かつ木の根っこが多くて歩きにくい
- 陣馬高原下バス停からのバス便が少ない(1時間に1本)
てなわけでぜひ両方試してみてください。もちろん「同じ日に」ではなく。笑
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