奥高尾縦走路!高尾山発と陣馬山発、どっちが正解?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.04.16

    奥高尾縦走路!高尾山発と陣馬山発、どっちが正解?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    奥高尾縦走路!高尾山発と陣馬山発、どっちが正解?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
    「東京から日帰り圏内の縦走登山コース」と言われてパッと思いつくものの一つが「奥高尾縦走路」。東京の京王電鉄高尾山口駅から「高尾山」と「陣馬山」を経由して陳場高原下のバス停までを歩くのが一般的です。

    と書きましたが逆ルートも一般的。というわけで今回はこの逆ルートを紹介しながら、さてどっちのルートがいいのかを検討したいと思います。

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

    富士山とも何度も出会えるコースです!

    この「奥高尾縦走路」。総距離18キロメートルで標準コースタイムは約6時間15分となかなかの長丁場。陣馬山のほうからスタートすると累計標高差、登りは約1200メートで下りは約1300メートルなのだとか。

    東京23区などからもアクセスが容易で、最も高い場所である陣馬山の標高も854.8メートルで冬でも雪山状態になることはあまりないことから人気。私は少なくとも10回は歩いています。

    さて今回とったのは陣馬山→高尾山のルート。まずはJRと京王電鉄の高尾駅北口からバスで陳場高原下バス停に向かいます。高尾駅前のバス停は天気のいい休日とかだと長蛇の列ができていることがありますが、そういうときは大抵臨時バスも出るようです。

    陳場高原下のバス停。終点かつ折り返し場でもあります。

    このバス停から1.3キロメートル、20分くらいで「陣馬新ハイキングコース」への分岐点に到着。ほぼ100パーセントの人がこの「新ハイキングコース」に入ります。

    まったく「新」感がない看板。笑 

    ちなみにもともとのハイキングコースは和田峠というところまで延々アスファルトの車道を行くのが退屈なのですが、その和田峠から陣馬山までは抜けのいいところが多い気持ちのいいコースです。

    「新ハイキングコース」に入ってからはしばらくせせらぎの音を聞きながら。橋も確か2ヵ所渡ります。

    10分ほどすると急な登りがスタート。

    見晴らしもなく、足元も木の根が多く歩きづらいです。

    とはいえここがいちばんの難所。新コースに入ってから1時間ほどでこの登りは終了します。

    その後、山の斜面を歩くけもの道みたいな細いルートが1分間だけ続きます。

    見晴らしがすごくいいわけではないですが、「最大の難所である木の根だらけの森を抜けた感」があってうれしくなる場所。その先も登山道の左右は樹木におおわれていない開けた道です。

    まずは陣馬山に到着!

    バス停から1時間15分ほどで陣馬山の山頂に到着です。

    陣馬山名物の馬の彫刻。ここまで来てこの写真を撮らないのは、トレランで素通りする人以外たぶんゼロ。
    このあとも何度か富士山に出会えますが、ここがいちばん近く、朝日が当たってきれいです。

    とはいえこの日は少し霞んでいますね。これが何を意味するのかはのちほど…。

    手で山の形をつくる「富士山ポーズ」で記念撮影も定番…ではないですね。笑

    陣馬山頂を出発してすぐが、冬の「霜柱」の名所。この日はほぼない状態でしたが、あるときはものすごい高さの霜柱が見られます。

    冬ならではの楽しみです。
    この奥高尾縦走ルートは杉並木の部分が多いです。

    この先、いくつか南側の斜面に沿った巻き道(う回路)が出てきます。元々のルートを通っても特に景色がいい場所に出るわけではなく、逆に巻き道のほうが陽があたって気持ちよく、しかもアップダウンが少ないので、ほぼすべて巻き道を選択して正解です。

    特に冬枯れの時期は見晴らしも良くなる巻き道一択!

    明王峠には知られざる「富士見スポット」が!

    陣馬山から1.9キロメートルで明王峠に到着します。ここからは富士山があまり見えないと思われがちですが…じつはすごい富士見スポットがあるんです!

    縦走ルートから「相模湖駅」方面に折れ、わずか10メートルほど。
    こんな「踏み台」があります。
    ここに登ると…ほらっ、ご覧の通り!

    と偉そうに紹介していますが、すくなくとも10回はここを歩いている私がこの踏み台の存在を知ったのは今回が初めて。それだけ「知られざるスポット」なのだと思います。

    先に進みましょう。このあとちょっと気持ちがいい尾根筋に出ます。

    奥高尾縦走路の中でも好きな場所の一つ。

    でもそれもわずか1~2分。山頂とか峠以外、このルートはあまり眺望は期待できません。まあ、低山ハイクですからどうしても木々に視界は遮られがち。

    例外はここ! フィジーの離島ですが。笑

    フィジーで「人生最高の低山ハイク」に出会った~!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    さて先ほど「巻き道がおすすめ」と書きましたが、特にこの「明王峠」と「景信山」の間にある「堂所山」は「巻き道一択」でいいと思います。「山」ですが山頂の眺望はないですし、登りも下りも木の根っこがたくさん露出する急坂です。

    こんな看板が見えたら南側にある巻き道に向かってください。
    根っこにつまずいたら一気に落ちていきそう。
    こんな看板が出てきました。

    さてこのあと「景信山」を迂回する巻き道がでてきます。でもここだけは巻き道を避けて、景信山に向かうことをオススメします。景信山からは富士山方面だけでなく、関東平野も見渡せるから。とはいえどうしてもマストというわけでもないですが。

    ここは左のルートで景信山へ。

    その景信山は陣馬山から5.7キロメートル。バス停から3時間10分ほどで到着。ここでも軽くオヤツ休憩。

    二軒の茶屋が並ぶ反対側からは富士山も見えます。

    「小仏城山」の名物と言えば…

    次のポイント「小仏城山」。景信山から約40分で到着。ここの名物は「なめこ汁」ですが、おなかが空いたので「なめこそば」にしました。

    思っていた以上になめこが入っていて美味。
    景信山もそうなのですが、茶屋が2軒あるのでメニューを比較してみるのもいいです。
    さらに進みます。

    次の展望スポットは「一丁平」手前の展望台。

    ただしこの日は富士山方面に霞がかかってしまい、まったく見えず。
    この先木道とか木の階段が増えます。高尾山経由でこの辺まで来る人が多いんでしょうね。
    「もみじ台」へ向かう道(右)と巻き道の分岐点。もみじ台も富士見スポットなのですが、そこへの階段が無茶苦茶長い。
    先のほうに階段が見えますね。見える範囲はただの序の口です。

    もうさんざん富士山を見たと思ったら迂回するのも手。ただしその名のとおり紅葉の季節は見事です。

    でもこの道しるべは好きなんだよなあ。
    嫌な予感は的中してもみじ台でも富士山は霞に隠れて見えず。

    もみじ台の先ですぐに分かれ道。真ん中を行くと高尾山頂で、左右が巻き道です。

    写真中央からちょっと右寄りが高尾山頂への階段です。
    地図で見るとこんな感じ。

    そしていよいよ高尾山。でも予想通り…

    高尾山までの最後の階段は数えてみたら212段ありました。数段ずれているかしもれません。でももう一度検証してみる気にはなれません。なんたってもう4時間ほど歩いてきて、その後に現れる200段以上の階段ですから。

    「高尾山頂の混雑は避けたいよなあ」と自分に言い訳するのも全然アリだと思います! 私もここで記事にするつもりで歩いていなければ、巻き道を進んでいたかもしれません。だって…。

    高尾山山頂から富士山方面を眺めます。予想はしていたんですけど、やっぱり霞んで富士山は見えず。
    できるだけ人がいない場所とタイミングを見計って撮影してみましたが、それでもかなりの人出。

    高尾山頂に到着したのはちょうど1時。私の足で休憩時間合計1時間を含め5時間半の道のりでした。

    このあと薬王院の境内を通って山頂から30分ほどでケーブルカーやリフトの乗り場に到着します。ここからリフトに乗って降りるのがこのルートの贅沢なのですが…この日はまさかの「点検のための運休」。

    ケーブルカーはというと「乗車まで30分待ち」だというので徒歩で降りることにしました。山麓にある清滝駅までは結局歩いて25分だったのでケーブルカーを待つよりも早かったですけど、アスファルトの道を延々と歩くのに嫌気がさしました。

    「奥高尾縦走路」はどっちから行くのが正解か? 

    冒頭に書いた話を検証してみましょう。陣馬山方面からと高尾山方面からどちらにもメリット・デメリットはあります。まとめてみましょう。

    ●「陣馬山→高尾山」(東行きルート)

    【メリット】

    • 登りが少なくてラク。下りが多いので、歩行時間が短い
    • 最後ににぎやかな高尾山でフィニッシュ(薬王院や土産物屋など)。凱旋感を味わえる
    • 京王電鉄・高尾山口駅付近も飲食店や土産物屋でにぎやか。温泉もある
    • 紅葉は高尾山周辺がいちばん鮮やか
    • リフトやケーブルカーで下山ができる。特にリフトは眺めも良く気持ちがいい

    【デメリット】

    • このルートで富士山がいちばん近い陣馬山に最初に登る。その後、富士山からどんどん遠ざかっていく

    ●「高尾山→陣馬山」(西行きルート)

    【メリット】

    • 徐々に富士山に近づいていき、最後の陣馬山でクライマックスを迎える
    • ケーブルカーが動き出す前の早朝に着くようにすると、意外なほど人が少ない静謐な薬王院と高尾山頂を楽しめる(ただし店は開いていない)
    • 高尾山登山でいちばん気持ちがいい6号路から登れる(一方通行なので下りでは利用できない)

    【デメリット】

    • 登りが多くて、歩行時間が長い
    • 陣馬山からの下りが退屈。かつ木の根っこが多くて歩きにくい
    • 陣馬高原下バス停からのバス便が少ない(1時間に1本)

    てなわけでぜひ両方試してみてください。もちろん「同じ日に」ではなく。笑

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

    柳沢有紀夫さん

    オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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