両面を焼いて旨味を閉じ込め、カブリつけ!
肉に焚き火のエッセンス。美味しくないはずがない!
ラムラックを4枚つなげた、豪快な逸品! 仲間と焚き火を囲みつつ、食べたい分だけ切り分けよう。キャンプの夜が盛り上がること必至!
火加減は経験値。焚き火をおこした数だけ、料理も旨くなる。
長野さんの焚き火料理は、木の枝で組んだトライポッドを焚き火の上に据えることから調理がはじまる。
「焚き火料理ってラフなイメージだけど、じつは温度管理が難しい。トライポッドは、遠火近火の火力調整のために、必需品なんだよね」
このトライポッドがときにはスモーカーや、BBQグリルの役割を果たすのだという。
「鍋を何個も火にかけながら、上では燻煙したり、火の周りでは肉を炙ったり。ひとつの火でいくつもの調理ができる」
火と遊びながら火加減を調整し、料理を完成させていく。火加減は経験値。焚き火をおこした数だけ、料理も旨くなる。
「焚き火の火はガスより低温だから、じっくり火を通すことができる。熱風の上昇気流で食材を乾燥したり、自然なスモーク効果もあるから、香りが楽しめるうえ、保存性も上がるんですよ。その日の焚き火によって火加減も香りも変わる、まさに一期一会の料理です」
メラメラ炎で豪快に焼く! 野性味あふれる旨さがやみつき!
骨ごとに切り分けていただく。このロゼの色合いは垂唾もの。ラムの旨さを引き出すには塩で焼くのがいちばん。ハーブも加えて香り高く!
ラムクラウン・シャンデリアローストの材料
ラムラック…4枚
塩…大さじ4
黒コショウ…大さじ2
タイム(粉末)…大さじ1
ラムクラウン・シャンデリアローストの作り方
1)ラム肉の下処理をする。外側の余分な脂身を外し、スジをナイフで取る。骨は周りの肉やスジを落とし、好みの長さまで引き出す。
2)内側の骨と骨の間に薄く切れ目を入れたら、塊同士を銅線でつなげる。
3)骨の上部も銅線や麻ひもでつないで結び、丸く形を整える。
4)内側に十字に枝を渡して補強したら、つなぎ目の銅線にS字フックを掛け、クサリに通してトライポッドに吊るす。
5)塩、黒コショウ、タイムを合わせたものを全体にすり込み、焚き火にかける。
6)強火で炙って外側に焼き目がついたら、あとはじっくり遠火で炙る。1時間ほど経ったら上下逆さにし、炎と煙をあてて仕上げる。
ポイント1
ラムは脂身が多いので、余分な脂を切り落とす。油煙が上がるのも防げる。切り取った部位はスープや煮込みに。
ポイント2
抗菌効果のある銅線で、ラムラックを縫い合わせる。骨同士は緩まないように巻き結びでつなげるといい。
ポイント3
風向き利用と強火弱火の使い分けが肝心。最初は炎を高く上げ、クラウンの内側を焼き上げる。焼き目がついたら弱火にシフトし、じっくりと。風向きに合わせて焚き火を移動し、熱風を当てる。
ネイチャークラフト作家
長野修平さん
枝、流木、古材などを使ったオリジナリティあふれる作品を製作。北海道の山菜料理屋で育ち、若かりしころ、肉の名店・東京「銀座らん月」で修業した。焚き火料理を得意とする。