青森の郷土料理を山食に「サバのせんべい汁」
私の母は青森の人で、若いころはよく山に登っていたそうです。すっかり歳をとってしまった母ですが、そんな母を山に連れて行きたくて、私も10年ほど前からひとり登山をはじめました。飲食店を営んでいた時は、時間を見つけては、近郊に日帰り登山に出かけていました。
私も青森生まれ。こんな季節は郷土の鍋物が恋しくなります。ひっつみ汁にじゃっぱ汁などいろいろありますが、いちばん恋しくなるのが、祖父の家で食べたせんべい汁。小麦粉と塩で作った南部せんべいを、パリンパリンと割り入れて煮込みます。
そんな青森の郷土料理を、手軽なサバ缶を使って再現。包丁要らず、コッヘルひとつで味わえる、栄養たっぷりな冬山のおともです。
出汁の効いたサバのせんべい汁
材料は2、3人分です
サバ缶水煮 1缶(約200g)
ゴボウ 60g(小1/2本)
舞茸 1パック
白菜 70g(外側の大きい葉のもの1枚、小さければ2枚に)
青ネギ 1本
せんべい鍋用せんべい 2枚
水 缶詰2杯分(400㏄)
しょう油 大さじ2
みりん 大さじ2
まずは下準備から
ごぼうは瓶の底などで叩き、手でひと口大に割る。
舞茸は手で割く。白菜、青ネギはハサミでザクザク切る。
鍋を火にかける
コッヘルにゴボウ、舞茸、白菜、サバ缶(汁ごと)、分量の水を入れ、中火にかける。
野菜に火が通ったら、青ネギ、しょう油、みりんを加え、せんべいを手で1/4くらいに割って入れる。
さらに5分ほど煮ればできあがり。
せんべいはモチモチの食感を楽しみましょう! 煮込んでも溶けにくく、旨味が凝縮したスープとの相性も抜群です。サバ缶からは、いい出汁が出て美味しいですよ~。冷えた身体が温まります。
華表由夏(とりい ゆか)
青森生まれ、東京育ちの35歳。地図好きがこうじて世界の郷土料理を出すお店を営む。その後、飲食店のメニュー監修やレシピ開発、料理教室などに携わる。『こどもDIY部』で子ども向けの教えない料理教室“タベルノクラス”を開催している。
撮影/西山輝彦