こんにちは、子連れライター渡部郁子です。幼稚園児の息子を連れて、山や温泉やフェスなどをめぐり、取材活動を続けています。息子は、生後3か月でフジロックに連れて行かれてから今日に至るまで、寝ている間に車に乗せられ、知らない部屋で起きる朝は数知れず。「ここはどこ?」と多少不安げに聞くときはありますが、不平不満をもらすことなく、むしろ鼻の穴を膨らませて私の取材に同行し、彼なりに楽しみながら時間を過ごしてきました。今回はそんな息子と二人で、アイスランドの温泉を取材してきました。
一番の心配はフライト時間
「果たして長時間の飛行機に、6歳児が耐えられるか」アイスランド行きを決めるとき、一番迷ったのが飛行機の問題です。日本からは直行便がないため、乗り継ぎを含めた所要時間は、短くても約15時間かかります。出発日程の曜日の都合で、フライトは乗り継ぎ時間4時間を含めたコペンハーゲン経由となり、片道19時間かけてアイスランドを目指すことになりました。
結論から言えば、フライトの心配は全くの杞憂に終わりました。行き帰りとも、息子は飛行機に乗ればあっという間に眠りにつき、起きてからは機内のオンデマンドプログラムでキッズ動画を楽しみ、乗り継ぎ時間はおもちゃで遊び、その後の飛行機でまた熟睡。長時間のフライトも飽きることなく過ごすことができました。最近の飛行機は、Wi-fiが使えるし、キッズ向けのサービスがとても充実しているので助かります。
ちなみに、乗り継ぎ地のコペンハーゲンでは、空港内にレゴのお店を発見。息子は大好きなレゴを入手し、空港での待ち時間に組み立て、ウキウキしながら過ごしていました。親としては予定外の出費ですが、お互い気持ちよく過ごせるとあれば、このぐらいの出費で済むならありがたい。
物価の高さに驚いた
むしろ、食費が高すぎて驚きました。乗り継ぎ地のコペンハーゲンで、最初は食事でもしながら時間を過ごそうと思っていたのですが、空港でレストランの食事の値段を見て、びっくり。ファーストフードのようなお店でも、一人分の食事に3000円ぐらいかかるのです。空港内の隅から隅までお店をめぐり、結局食べたいものは見つからず、まあさっきの飛行機で機内食を食べたばかりだし、次のフライトでも食事が出そうなので、ここで食事するのはやめて、それならレゴを買って組み立てようか、ということになったわけです。
人気の和食レストラン「YO!SUSHI」
ちなみに、帰りのフライトも行きと同様、コペンハーゲン経由。乗り継ぎ時間の間に、「おうどんが食べたい」という息子のために、往路で見かけて気になっていた空港内の日本食レストランで食事をしました。なんとも面白い日本食でした。うどんは「with spicy soup」と書いてあり、写真を見る限り、スープが赤い。辛いものが苦手な息子は、うどんを諦め「豆腐カツカレー」をオーダー。大盛ご飯に、ソースのようにカレーが少々かけられ、そこに乗せられた豆腐は、七味唐辛子をたっぷりとまぶした真っ赤な状態で衣をまとっていました。
デンマークの人々は、辛いものが好きなんでしょうか?各席を巡っていたお寿司も、のりではなく一味がまわりにまぶされ、食べたときのことを想像するだけで、辛い。カレーも想像以上に辛かったようで、「み、水、水!」とヘレンケラーのように叫ぶ息子。お水が高いから我慢して、などとは言えず、結局、このときの食事代はお水とあわせて5000円ほどかかったのでした。
氷の国アイスランドへ
息子が大好きなレゴの中で、一番のお気に入りが「ニンジャゴー」シリーズです。どう見ても中国をイメージさせる「ニンジャゴーシティ」で、火、水、土、稲妻などのエレメントパワーを持つニンジャが活躍するお話です。中でも息子は、氷を操るロボットニンジャ、ゼンのことが大好きです。「この冬は、ゼンの国アイスランド(氷の国)に行くからね」と前々から伝えていたので、アイスランド行きを、息子なりに楽しみにしていたようです。
アイスランドに到着して、飛行機を降りたとたん、頬に当たる風が刺さるように冷たく感じました。「寒い寒い!さすがアイスランドだね。」と息子は嬉しそうに、上着の前ファスナーを締め、手袋を準備しました。空港到着は現地時間の夜8時。この後、レンタカー事業所に移動して、レンタカーを借りて、やっとのことでホテルに到着。疲れ果てて熟睡している息子を担いで、スーツケースを引いて、向かったホテルのフロントでは、深夜にも関わらず、にこやかな笑顔でスタッフが「いらっしゃい、おつかれさま」とねぎらってくれました。
ノーザンライツの国
アイスランドの首都、レイキャビクから少し離れた場所にあるホテルです。選んだ理由は、部屋に大きな窓があり、部屋からオーロラが見えるかもしれないから。チェックイン手続きのあと、「今日はノーザンライツ(オーロラ)出ますか?」という私の質問に、「今日は確率が低いから、難しいと思うよ」と答えたスタッフの男性は、そのあと続けて「他にも質問ある?何かあれば、いつでも何でもどうぞ。日本語を話せないのが申し訳ないけど、他にできることは何でも手伝うから。」と言ってくれました。その言葉に、大きいな安心感と、アイスランドの人々のホスピタリティを感じながら、部屋に入って、すぐにぐっすりと眠ってしまいました。日本からアイスランドへ、移動で終わった1日目。明日からは、アイスランドの温泉を巡ります。
渡部郁子(わたなべいくこ)
アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ。JFNラジオ「JOYFUL LIFE」ほか、山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」を様々なメディアで発信中。子どもにやさしい温泉や山、フェス情報など、親子で楽しむアウトドアスタイルを提案しています。