日本のミライを明るくする! 園児野生化計画 vol.68
「冒険」という言葉は、幼児から大人まで誰もがワクワクする魔法の言葉だ。今回は、その「冒険」という言葉のもと集った勇敢な幼児達と常緑の森の中を好きなだけ進んでみることにした。
いつになくエネルギーがみなぎる子供達は、スタートと同時に急な崖を登りはじめた。その勢いときたら、まさしく今年の干支”イノシシ”そのものだ。
いつもは苦戦する坂道も一気に駆け上がる
やる気と比例して身体能力も大幅に上がるようだ
急坂を登り切って最初の分かれ道で、子供たちは最初の難題に立ち向かうことになった。目の前にあるのは三叉路で、どの道に進むかを選ばなくてはならないのだ。一方は薄暗い道、もうふたつは歩きやすそうなトレイルで、多数決をするもだいたい同じくらいの人数に割れて進む方向が決まらない…。
「あっちの道は怖いから行きたくない!」
「こっちは前に行ったことがあるから行きたくない!」
「こっちの道はつまらないから行きたくない!」
三者三様の意見はどれも正しい。僕はこのやりとりは彼らにとって最高の素材だと感じたので、そのまま素晴らしい議論に耳を傾け続けることにした。
最終的に道が定まる決定打になったのは男の子が放った「冒険」というキーワードだ。このサウンドは本当にマジックワードで、彼らが進むべき道は一番険しい道に満場一致で決定することになった。選んだ道の先で待っていたのは、一歩進むごとに落ち葉が崩れる急斜面をトラバースしたり、子供達の身長的にはまったく前が見えないブッシュが続いたりと、まさしく冒険にふさわしい道のりだった。
何度も落ち葉と一緒に斜面を滑り落ちる子供達
今回の難所のひとつになった
「なんだこのジャングルは!!」「ハセベ先生ここクマ出ない?」
いつもより高揚した大きな声がブッシュの中に響く
何度も迷い、議論をして道を選び、ようやく元の場所に帰ってきた彼らが放つオーラはいつもの数倍エネルギー感が高く、いつも以上の疲れ以上に達成感があったようだ。
「一緒に行こう!」と、疲れたお友達と一緒に園のバスに向かう
冒険という体験は、指導者なんかには絶対にできない成長の要素を与えてくれるのかもしれない
冒険好きになった彼らとの次回の活動は、僕も色々な装備を持って同行する必要がありそうだ。準備がめんどくさくなる量に比例して目の前で面白いストーリーが紡がれていく。僕自身も次回が楽しみでしかたがなくなったのでした。