春を告げる『 ウミタナゴ 』を釣って食す!
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    2019.02.16

    春を告げる『 ウミタナゴ 』を釣って食す!

    私が書きました!
    宿「 bed&breakfast ichi 」亭主
    成相修
    成相修(なりあい・おさむ) 通称ころすけ。神奈川県三浦半島南端の町「三崎」に夫婦で営む小さな宿「bed&breakfast ichi」の釣りバカ亭主。宿では釣りやトレッキングなどの自然体験ツアーも開催。

    神奈川県南部に位置する三浦半島の「三崎」という町で、釣りやトレッキングなどの体験ツアーを行う宿「bed&breakfast ichi」を運営している成相です。日々魚を釣り歩き、釣った魚を日常的に食べる生活を送っています。

    そんな、都会ではちょっと考えられない“LIFEワーク”を皆さんにも体験していただくために、「三浦半島の釣った魚を食べる」ことにスポットを当てて紹介していこうと思います。

    春を告げるウミタナゴを釣りに行こう!

    三浦半島は東京湾、太平洋、相模湾の3つの豊かな海に囲まれた場所です。冬でも温暖な気候のため、1月にはスイセンが一足早く咲き、関東でもいち早く春が訪れます。海の中もワカメやヒジキなどの海藻類が茂るころ、春の訪れを感じさせる魚達が顔を出します。

    メバルなどと共に春を代表する魚とも言われるウミタナゴ

    節分が過ぎる時期には、三浦半島各地の岩場や堤防を覗きこむと、無数の小型魚が群れています。これは、「ウミタナゴ」。卵胎生(らんたいせい:メスの胎内で卵を孵化させて子を産む種のこと)の珍しい魚で、全国の沿岸に分布しています。

    三浦半島でも古くから釣り人に親しまれてきた身近な魚ですが、近年では「食べると水っぽい」「外道(釣りたい”本命魚”ではない魚)」と言われ、ウミタナゴのために海へ出てくる人も少ない状況です。

    今回はこの春告魚であるウミタナゴを本命に、「釣って、美味しく食べる。」を紹介していきたいと思います。

    海藻が生えている場所や、魚の隠れれる障害物がポイント

    ウミタナゴを釣るときは、まず、ポイントを選びます。ウミタナゴの多くは、海藻や岩場、堤防のきわや消波ブロック(テトラポットなど)の障害物の周りに群れて暮らしています。

    節分過ぎには数十~数百の群れを成して泳いでいるため、ポイントは比較的簡単に見つけることができます。

    道具は、①釣り竿 ②コマセヒシャク ③水汲みバケツ ④アミコマセ&まきえ⑤ジャリメ(付けエサ) ⑥クーラーボックス ⑦コマセバケツ ⑧仕掛け ⑨ライフジャケット

    ウミタナゴを釣るためには、「のべ竿」と呼ばれる渓流魚用の3.6m~5.4mの長さの竿に、ウキを使用した仕掛けを用意します。

    エサはゴカイやオキアミなどで、重要なのは、アミコマセをまき餌に使用すること。まき餌は、釣り針に付けるエサとは別に撒いて魚をおびきよせるために使用します。ウミタナゴを釣るためには必要不可欠です。

    ポイントに着いたら撒きエサを作ります

    釣り場に着いたらまず、釣り場を観察します。水面の上から魚影が見えればベストですが、見えない場合は、ポイントになる障害物や海藻などがあるか確認します。その次は、まき餌をポイントに少しずつ撒いてから、仕掛けを準備します。

    まき餌はまとめて撒かず、最初は5分間隔毎に少しずつ撒き、たくさんの魚が集まってきたら、撒く時間をだんだんと長くしていきます。

    仕掛けが準備できたら釣りスタートです

    次に、まき餌が海中で煙幕のように広がっているところへ、仕掛けをいれます。この後は、ウキの変化に気をつけるのがポイント。

    スッとウキが海中に沈んでいけば、ウミタナゴが食いついたサインです。手首を上に返すように竿をピシッと立ててアワセ(手首のスナップをつかってすばやく竿を立て、針を魚の口に引っかける動作)ます。そうするとウミタナゴの引きが竿からグングン手に伝わります。その後、ゆっくりと竿を立てればウミタナゴが姿を見せます。

    桜の開花が聞こえるころになると、産卵のため群れていて、数釣りを楽しむこともできる

    たくさん魚が釣れるとついつい釣り過ぎてしまうことがありますが、春先のウミタナゴはお腹の中に子どもを抱えている個体も多いです。不要な乱獲は避けます。

    下処理をした後

    生きているうちに、エラブタにナイフなどを入れて活〆し、氷の入ったクーラーボックスにしまって持ち帰りましょう。

    水っぽいウミタナゴが美味しく変身!? カリふわ南蛮漬け

    「身が水っぽい」と不人気のウミタナゴですが、実はちょっとした工夫で美味しくなります。シンプルに塩焼きや煮つけなどでも、もちろん食べられますが、低温の油で身の水分をゆっくりと抜けば、もっと美味しくなるのです。

    今回は、ウミタナゴを油で揚げて南蛮漬けを作ります。

    ウミタナゴの南蛮漬け

    【材料】 (4人分)

    ウミタナゴ …3~6匹
    玉ねぎ…1/2個
    ニンジン… 1/2本
    片栗粉…大さじ2
    〈南蛮漬けのたれ〉
    ※みりん…大さじ1.5
    ※きび砂糖…大さじ2
    ※しょう油…大さじ2
    ※だし汁…150ml
    ※酢…60ml

    【作り方】

    1. 玉ねぎは薄く半月切り。ニンジンはせん切りにします。

    2. タッパーに※の材料を全て入れ、よく混ぜ合わせ南蛮漬けのたれを作ります。

    3. 鱗と頭、内臓を取り除き3枚におろします。背骨の残っている「中骨」を取り除き、「上身」と「下身」を使用します。

    4. ビニール袋に片栗粉と身を入れ、よく振って衣づけ。

    5. 160度の油で9~10分揚げてから油から上げて、5分間冷まします。

    6. 180度~190度の油で2~3分再度揚げ、カリカリになった頃合いを菜箸で触って見計らい、軽く油をきり、南蛮漬けのたれへそのまま入れて混ぜます。

    7. 通常の南蛮漬けのように、たれに長時間浸けず、すぐにお皿に盛りつけます。カリふわ南蛮漬けの完成!

    自分で釣った魚を食す。シンプルだけど、楽しくて美味しい。家族や仲間たちと一緒なら釣りも、その後の料理もきっと楽しいはず。寒い冬、暖かい部屋の中にいるのもよいですが、皆さんも釣り竿片手に、春の海へ出かけてみてはいかがでしょうか?

    ◆三浦半島のお魚を食べるイベントも月一で開催中!
    Kai’s kitchen「三浦半島の魚を三崎で食す」
    https://www.facebook.com/events/1644212559057620/

    私が書きました!
    宿「 bed&breakfast ichi 」亭主
    成相修
    成相修(なりあい・おさむ) 通称ころすけ。神奈川県三浦半島南端の町「三崎」に夫婦で営む小さな宿「bed&breakfast ichi」の釣りバカ亭主。宿では釣りやトレッキングなどの自然体験ツアーも開催。神奈川県三浦市三崎1-15-4

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