かつて『BE-PAL』で連載していた「なんでも飼ってやろう」のトミちゃんこと富田京一さんが帰ってきた! 珍獣飼育40年以上のノウハウをつめこんだ新刊『ヘンな動物といっしょ』から、よりぬきをお届けします。
ぼく…ほんとにちっちゃいんです
近所のペット屋さんにふらりと入ってビックリしたのが、このネズミだ。見た目は超地味で、ふつうのハツカネズミにしか見えない。おどろきは、そのサイズ。体長3㎝ちょい、1円玉の上に座れる、ネズミ界でも最小級のミクロさなのだ。
脱走注意!ノミ級ジャンプ力
小さければせまい容器でも飼えるだろうとタカをくくって買ってしまった。ところが高さ40㎝のガラス水槽、つまり自分の身長の軽く10倍をとびこえる「ほ乳類版ノミ」だったのだ!! せまいとストレスでめげるので、やっぱり、マウスやハムスターなどほかのネズミ類と同等の広さがいる。
ケージにフタは必要だが、いっそ特大プラケースのほうが密閉できて便利。一度外に出られたらまず回収不能と思っていい。あみや手でとりおさえればつぶれてしまう。市販のえさ箱や水入れだと、下じきになっただけでも死ぬから、ペットボトルのキャップなど軽いもので代用しよう。
寿命1~2年といわれるアフリカチビネズミ。子どもは産ませたいが相性が悪いとすぐケンカするから、うかつに複数同居させるのは考えもの。しかし赤んぼうの大きさは、人間の小指にも満たないという。うーん見たい! いつかトライしてみよっと。
【アフリカチビネズミのいきものデータ】
<ほ乳類>
分類……げっ歯類・ネズミ類
大きさ…体長約3㎝
分布……アフリカ南部
すぐ腹が減るから、えさや水は24時間態勢で切らさないようにする。メニューは小鳥のえさを中心に青菜やくだもの、ペット用の煮干しやチーズ、昆虫ゼリー、生きた小昆虫など、多品種を少量ずつあたえるのがコツ。
著者/富田京一
1966年福島県生まれ。肉食爬虫類研究所代表。は虫類・恐竜研究家として、国内各地で開催されている恐竜展に学術協力者として参加。『そうだったのか! 初耳恐竜学』(小学館)が好評発売中!
『ヘンな動物といっしょ』
イラスト/コハラアキコ