荷物はたくさん積みたいけれど、クルマが大きいと取り回しがしづらくなる。だから、経験豊富なアウトドアズマンは自分のジャストサイズを見極め、パッキング術を駆使して遊ぶ。今回はそうしたスタイルを確立し、軽ワンボックスでキャンプを楽しむ宮崎秀仁さん(アウトドアブランド「38 explore」を主宰)に、2列シート仕様のシエンタを試してもらった。
編集部 それにしても宮崎さんのクルマ、見た目からしてすごいですね! 商用バンなのにアウトドア感があります。
宮崎 総予算20万円で理想の遊びグルマを作りました。まだイジッてる途中ですけど。
編 シエンタはいかがでしたか? 軽ほどミニマムではありませんが、それでも5ナンバーサイズでミニバンというのは希少な存在です。
色選びで個性が引き立つ和み系スタイル

居住性重視のパッケージをポップにデザインした遊びグル マ。テスト車両のボディーカラーは景色に馴染むブラック×ベージュの2トーン。キャンプにぴったり!
宮 荷物を削ればふたりでも寝られるでしょうが、ひとりのほうが余裕を感じられていいですね。天井の高さもまずまずなので、コットでも寝られますし。
編 車内でもコットというところに宮崎さんのこだわりを感じます。底冷えの心配はないにせよ、寝心地の良さは格別ですもんね。
宮 積み方のアレンジがしやすいように、フックやバーを取り付けられる穴があるのも魅力ですね。天井にもあれば完璧なんですが。
編 純正アクセサリーも豊富にそろっています。こちらはいかがですか?
宮 重い荷物を載せたときの強度にやや難ありですが、サイズがぴったりなのは純正ならでは。DIYが苦手な方は迷わずこちらを選んでいいでしょう。
編 確かに、買ってすぐに遊びにいきたい人には便利でしょうね。ボディーカラーもそそられます。
宮 この色いいですよね~。シエンタは顔がかわいいので、フィールドにうまくなじんでくれますよ。
快適な寝室ができました!

宮崎さんの私物を使ったセット例。純正アクセサリーの「ファンベースセット」(セット価格¥75,000)に含まれるラゲッジボードをテーブルに使用。

荷物を満載した状態。ラゲッジはスクエアでホイールハウスの出っ張りも少なく、積みやすい。

コットをベンチ代わりにくつろぐ。窮屈な感じはない。
編 テスト車両のハイブリッド車のほかにガソリン車もありますが。
宮 選ぶなら断然ハイブリッド車でしょう。1500wのコンセント付きで家電が使えるし、何より運転していて静かなのがいい。僕のクルマ、いま断熱材を張るために内装を全部はがしているんですが、そのせいで騒音がすごいんです。それに比べるとシエンタは天国! 割高に感じることはないと思います。
拡張性も抜かりなし!

後席をたたんだ状態でのラゲッジの奥行きは2,065㎜にもなる。

大容量の床下収納付き。

左右の取り付け穴に布製のバッグを通したバーを固定した状態。ボードを使うよりも荷物が落ちにくい。こちらも「ファンベースセット」のもの。
アウトドアには断然ハイブリッド車がオススメ

メーター類の配置は、視線移動が少なくて済む設計。斜め前方の死角が少ないのも魅力。

ハイブリッド車はガソリン車よりも約30万円高。それでも宮崎さんがいうように、違いは歴然。
トヨタ/シエンタ ファンベース ジー
TOYOTA SIENTA
FUNBASE G
¥1,834,000(ガソリン車)¥2,167,000(ハイブリッド車)
【コラム】雪道のロング試乗でわかった
スバル/フォレスター「安心感の秘密」

最低地上高は200㎜。タイヤが滑って脱出不能になったとき は4WD制御技術X-MODEが役立つ(低速時のみ作動)。¥2,700,000
フォレスターは雪に強い。そう実感できた一番の理由は、ボディー剛性の高さ。雪道の微小な揺れを最小限にとどめ、その結果乗り心地がよく、挙動の乱れも察知しやすいのだ。
そして前60:後40のトルク配分を基本とするAWDは狙ったラインを正確にトレースし、安定感抜群。途中、下りのカーブで2度滑ったが、後輪への瞬時のトルク配分増加による姿勢キープで、落ち着いて走ることができた。
また、死角が少なく取り回ししやすいため、雪上の思わぬ障害物をいち早く認識でき、距離感もつかみやすい。あらゆる面でドライバーを慌てさせない設計は、SUVの理想形だ。
構成/櫻井 香 撮影/見城 了