日本のミライを明るくする! 園児野生化計画 vol.77
気温が心地よくて春の気配を感じ始められる日。こんな時はたくさん歩くにつきる!園バス移動では見つけられない景色や香り、触り心地を味わいながらの寄り道だらけのお散歩なら、楽しくないわけがない。
この日は子供達とちょっと遠方の公園まで遠征しにいくことにした。遠征距離は往復で約5kmとちょっとそこまでという距離ではない。5kmなら大したことないと思いがちだが、往復の間には体力の限界まで遊び込みをする時間があるのだ。つまり遊びの時間を入れたら子供達はゆうに10kmを越える距離を歩く(半分は遊びで走っている)ことになる。これは現代の年長さんにとってはかなりの距離だ。
この先で待っている楽しい遊びをイメージしながら意気揚々と出発した子供達。足取り軽く先へと進む子供達は、様々な発見をしながら道を進む。
「あの雲なんだかすごい早い車みたいだよ!みて!ほら!」
「公園にはウサギいるかな?いたら友だちになりたい!」
「チーターとカンガルーはどっちの方が足が速いと思う?」
「ここのラーメン屋さん美味しそうだよ!」
行きはこうして楽しい時間を過ごしながら進めば夢の遊び場が待っているからまだいい。散々遊んだ後の帰りが何よりも大変な道のりとなる…。疲れと眠気がピークになってくる子供は、もう顔が半分暗くなった状態でフラフラしながら保育園への道のりを進む。さっきまで元気だった子供達も、疲れた子供のオーラが伝染して次第に顔つきが疲れ一色になってくる。
これはロングトレイルを歩いている時の気持ちに近い。日も暮れ始めた頃、疲れたハイカーとすれ違った時に伝染するあれだ。そんなクタクタな子供達には、行きは全く気にならなかったのに帰りは地獄の難関となるものが待ち構えている。
町にある保育園において避けて通ることができない横断歩道は、数十人の子供達がいる園にとってもっとも危険な難関なのだ。子供達の命を預かる先生達は大変だ。信号が変わるタイミング、渡ってOKの青信号とはいえもしものために周囲の確認は怠ってはならない。そんな難所を渡るときは、外的要因で起きる事故だけに僕もドキドキしながら安全を確保する。
大人も子どもも疲れと安堵の喜びが入り交じった状態でやっと園に到着。手を洗い、足を洗い、着替えをして、ランチタイム終了間近に一気に美味しいお給食を書き込むのであった。
彼らは間違いなくハイカーのみが知る歩きの幸せと辛さ、そして飯のうまさを味わったのでありました。
<注意>
・様々な遊びは、子供達の安全に注意しながら行っています。