日本のミライを明るくする! 園児野生化計画 vol.78
今年度最期の自然遊びは雨。しかもちょっと強めの雨だ。僕は頭の中でどんな室内遊びをしようか考えながら車で園に向かっていた。園に到着して先生達と打ち合わせを始めると、先生はニッコリしながら驚きの発言をしてくれた。
「長谷部先生、今日子供達は外へ行く気満々です。」
「え?今日けっこう強い雨ですよ?」
「はい。でもまだ早いのにカッパを着て準備している子もいますよ。」
先生も子供達も、もう外で遊ぶ準備をしていたのだ。園も、先生も、子供達も外で遊ぶ気満々だ。保護者もその気で子供達にカッパを持たせてくれていた。こうなったら外へ行かない理由は無い。年度初めだったらきっとこんなことは起こらなかっただろう。今度は最上のウキウキ気分で僕はハンドルを握り、待ち合わせ場所の里山へ先に向かった。
待ち合わせ場所にやってきた子供達は、強めの雨に意気消沈どころか”こんなに雨が降っている面白い日は今日しかない!”とばかりに笑顔で走ってやってきた。
森の中で子供達は思う存分遊びを見つけ、時間いっぱいまでやり尽くしていた。森を走り、木に溜まった水を蹴り落とし、そして濡れた大地に寝転びキャッキャと叫ぶ。ドロドロヌルヌルの斜面は、カッパで滑るとスリリングで楽しいことも見つけたらしい。彼らを見ていたら、今日の天気にげんなりしていた自分が恥ずかしくなってしまった。
子供達の気持ちに感化されて一緒に雨を楽しんでいると、いつの間にか僕のレインウェアは子供達の手によって泥だらけにされていた。きっと洗濯しても綺麗に洗い落とせないだろうな…。でもなぜかその汚れも嬉しくなってしまうポジティブな場に僕自身も飲み込まれていた。
時間いっぱいまで遊んだ子供達は、着ていたカッパの効果がほとんど無いくらいに泥だらけのビチョビチョになっていた。手や顔はもちろんのこと、靴はドロドロだ。その汚れは勲章かのように得意げな顔で下山するこども達は、汚れた手や靴をジャブジャブと当たり前のように水路で洗い、僕にこういった。
「長谷部先生見て!靴が綺麗になったよ!」
「折れはズボンも自分事洗ったよ!」
要するに水路に全身浸かって遊んだわけだ…。園に帰ったら急いで着替えをして、そのままみんなでランチタイムへのなだれ込む。熱気で蒸気が出そうなほどの室内で彼らとのランチは最上の味だったのは言うまでもない。翌日もその翌日も体調を崩してお休みした子はゼロ。強く育ててくれた保護者と園に感謝の1日でした。もうすぐ小学生になる彼ら。一体どんな未来が待っているのだろうか?
<注意>
・様々な遊びは、子供達の安全に注意しながら行っています。