焚き火料理でなにがむずかしいかといえば、なんといっても火力の調整である。薪や炭を動かして火を弱くしようとしたら、逆に弱くなりすぎて困ったなんてことがよく起こる。さて、このベルモントの「TOKOBI(トコビ)」は、焚き火の火力調整がいらない親切設計の焚き火台といえる。仕組みは簡単。焚き火台の上部にワイヤーシェルフが付いていてここが2段になっている。低いほうに網を置けば強火(近火)になり、高いほうに網を置けば弱火(遠火)になる。こういう使い方ができるように別売りの網はちゃんと細長い形をしている(焚き火台1台に2つの網を置ける)。
たとえば、この焚き火台を使えば、まず下の段で肉や野菜を焼いて、焼けたものから上の段に移動して保温しておく……ということができる。鍋奉行ならぬバーベキュー奉行も上手にバーベキューを仕切れるに違いない。はたまた「強火の遠火がよい」とされる焼き魚なら、火を強くして上の段で焼くとおいしくできそうだ。下の段の網には小さなコッヘルを置いて汁物を作りつつ、上の段で焼き物を楽しむということもできる。いやいや、上の段の網にはヤカンで湯を沸かしておいて焼酎のお湯割りをチビチビと飲みつつ、下の段ではつまみを……と、発想はどんどん広がる。使う前からよだれの出てくる焚き火台である。
16,400円+税