熱気球に乗っている間は、時折ハロップさんがバーナーを作動させて熱風を気球に送り込む音以外、まったく何の物音もしません。こんなにも静かで穏やかな乗り物だったのかと、ちょっと驚きました。朝の光に満ちた空にしばらく見とれていると、いつのまにか、意外なほど高いところにまで昇ってきているのに気付きました。
約1時間ほどのフライトの後、熱気球はふわりふわりと漂いつつ、次第に高度を下げていきます。ハロップさんはトランシーバーで地上と連絡を取りながら、熱気球を着陸させるのに適切な場所を探します。
広々とした畑のど真ん中に、熱気球はすとんと着地。着陸もあっけないほどスムーズでした。この畑の近所に住む地元の人たちが、トラクターに乗って熱気球の見物に来ていました。お騒がせしましたと挨拶しつつ、彼らの写真をパチリ。
バルーン・サファリはマハリスバーグの他に、クルーガー国立公園など、南アフリカ国内でたくさんの野生動物が生息する地域でも催行されています。もしまた熱気球に乗る機会があったら、今度は地上にいる動物たちの姿を上空から眺めてみたい、と思いました。
▼著者プロフィール
山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。2016年春に著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々』の増補新装版を雷鳥社より刊行予定。
http://ymtk.jp/ladakh/
▼取材協力クレジット
取材協力:南アフリカ観光局
http://www.south-africa.jp/
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