表参道にオープン!不完全な社会をよくしていくWell foodって?
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    2019.07.09

    表参道にオープン!不完全な社会をよくしていくWell foodって?

    2019年7月4日、表参道ヒルズに「imperfect(不完全)」の名前を冠した新しいショップがオープンした。お洒落タウンに出現した” 不完全”な店? それはいったいどんな店なのか??さっそく潜入してみた!

    表参道ヒルズの一角、路面に「imperfect」はあった。店に入ると、ナッツ、チョコレート、焼き菓子、アイスクリーム、コーヒーなどが売られている。どれも色も鮮やかで、おいしそうだ。「これは…ニューヨークからやってきた人気のお菓子屋なのか?」しかし、どうも様子が違う。店の奥にはDo well by doing good.と書かれたボードが設置してある。これは、いったい…?

    投票箱

    店内奥に設置されたDo well by doing good.の投票箱

    さて、そろそろ種明かし…。

    ここはオープンしたばかりの日本発のブランドimperfectの1号店だ。加工食品と飲料の製造販売をおもに行っている。”あなたの「おいしい」を、だれかの「うれしい」に。”という思いを掲げてオープンした。

    すべてのメニューは対面式で販売され、味見もさせてくれる。

    「長年、おもにコーヒーや果汁、お茶、ナッツといった食品原料の輸入ビジネスに携わってきたため、生産地を訪れてきました。残念ながらそこでは、搾取、貧困といった社会問題が多くあります。それらの社会課題解決に取り組むためにこのimperfectは誕生しました」と話すのは、imperfectを立ち上げたimperfect株式会社代表取締役の浦野正義氏。

    スパイスやフレーバーをきかせた各種グレーズドナッツ。50g、580円〜

    生産者からの搾取を防ぐために公平な取引をする、フェアトレードという言葉が一般に聞かれるようになって久しいが、世界の現状はまだまだ厳しいものがあるという。フェアトレードの認証システムによって、一定の成果はあげられてはいるものの、世界的な流通量からすると約1割。認証品となるには厳しい審査もあり、大規模農家は比較的取得しやすいが、小さな農家が認証を受けるのはなかなかに難しいそうだ。

    imperfectの命題が壁に掲げられている。

    そして、オーガニックや無農薬といった商品が好まれることもある昨今だが、基準をわずかに満たせなかったために、その認証を受けることができない現状もあるのだとか。

    「わたしたちの取り組みは、必ずしも無農薬にこだわるというものではありません。例えばAとB、2種類の商品があったときに、それらを分けて保管する倉庫がない…そいういった理由で認証マークが受けられない場合もあります」

    板チョコにドライフルーツを散りばめ目にも鮮やか。70g、780円〜

    基準を100%満たせず、不完全ゆえに認証を受けられない現状があるという。野菜の形が悪く出荷の基準を満たせない、味はたいして変わらずおいしいのに。そんなことに似ているのかもしれない。

    店内中央には、イートインスペースあり。壁にはお土産用のチョコやナッツが。

    「食と農を取り巻く貧困や搾取といった社会課題を世界の不完全(imperfect)と、わたしたちはとらえています。不完全なこの世界だから、いいことをして世界と社会を少しでもよくしていこうというのが、わたしたちのミッションです。ここに並んでいるフードをWell Food(ウェルフード)と呼んでいます。社会的・環境的に価値の高い取り組みを通じて生産された素材を掛け合わせて作りました」

    購入時に渡される投票チップ。どのプロジェクトに投じるか??

    生産者も笑顔になるような食のビジネス展開、というフレーズは耳にすることもあるが、imperfectがユニークなのは、購入者もこのアクションに参加できることだ。商品を購入すると、投票用のチップが渡される。そう、冒頭で見かけたあの店の奥にある投票箱に一票投じることができるのだ。投票数によって実行するプロジェクトが決まる。

    オーダーを受けてからでクリームを詰めるシュークリーム。 1個420円

    プロジェクトテーマは、「環境」「教育」「平等」の3つ。

    ひとつめの「環境」は、コートジボアールでの2万本のシェードツリーを植える!というもの。カカオ農園開発のために急速に原生林が失われており、一説にはここ数年で森林が1/5になったとも。シェードツリーは、本来はカカオの品質を保つために植えられるものなのだが、大きく育てて土壌の保全につなげるのだという。

    コーヒーの産地はコーヒーベルトと呼ばれる。地図からもあきらかなように、おもに赤道付近だ。

    ふたつめの「教育」は、カカオ農家の経営を支援する!というもの。カカオ農家の収入は極端に低く、日収200円ともいわれ、現地で暮らす人びとの栄養状態も厳しい状況におかれている。そこで、タピオカの原料となるキャッサバを育て、それを現地の学校給食にも活用。農家の生活と食事を安定させるのだという。

    あらかじめパッケージされたチョコやナッツの販売もしている。お土産に!

    みっつめの「平等」は、女性農家の学びを支援する活動。農業従事者の給与は女性のほうが男性よりも30%も安く、就業時間は週に7.5時間も長いという不平等な状況にある。

    その原因は単に情報が少ないということもあるのだとか。そこでおもに女性で運営されているカフェテラスを支援しようというものだ。

    imperfectは、売上の約2%をこれらのプロジェクトに活用する予定だ。現地でのプロジェクトの実行風景はウェブサイトなどから見ることができ、投票した人にも共有される。一定数の票が集まったプロジェクトから実行されるという。

    ナッツ、チョコレート、コーヒーはどれも生活によく溶け込んだ日常食品だ。その食はどこからやってくるのか、たまには想像をたくましくしてみたい。試しに1票、投じてみてはどうだろう?

    imperfect表参道
    東京都渋谷区神宮前4-12-10表参道ヒルズ同潤館1F
    TEL 03(6721)0766
    営業時間 11:00—21:00 ※日曜日のみ20:00閉店

    https://imperfect-store.com/

     

    ※構成/須藤ナオミ

     

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