ポンピング、プレヒート…という点火までの儀式を楽しみたいなら、ガソリン(液体燃料)ストーブ。スムーズに点火できるようになれば、"道具を使いこなしてる感"がバッチリ味わえる。
オプティマス / OPTIMUS
123R スベアストーブ
No.123R SVEA
スウェーデン、オプティマス社の代表的コンパクトストーブで、1世紀以上も作り継がれている大定番だ。ボディーは真鍮製で、蓋を兼ねたアルミクッカーと着脱式ハンドル付き。
サイズ:直径100×高さ130㎜ 重量:550g 出力:1,300kcal/h
MSR
ドラゴンフライ
DRAGONFLY
1998年に開発された、ガソリンストーブ初のとろ火調節可能なモデル。ジェット(付属)交換することで、ホワイトガソリン、無鉛ガソリン、灯油、軽油、ジェット燃料が使える。
サイズ:使用時/ゴトク径190×高さ100㎜、収納時/180×120×90㎜ 総重量:578g 最大出力:約2,192kcal/h
オプティマス / OPTIMUS
ノヴァ
NOVA
ジェット交換することなく、さまざまな石油系燃料が使えるマルチフューエルストーブ。独自の特殊構造により、短時間でプレヒートでき、細かな火力調節も可能だ。
サイズ:使用時/ゴトク径140×本体高さ80㎜、収納時140×80㎜ 重量:460g(ポンプセット含む) 出力:約2,451kcal/h(2,850W)
ソト / SOTO
MUKAストーブ
MUKA STOVE
点火してわずか10秒ほどで安定燃焼する画期的モデル。ノズル交換せずに赤ガスも、同じように安定して使うことができる。ガソリンストーブ・デビューするならコレがお薦め。
本体サイズ:使用時/幅135×奥行き135×高さ80㎜、収納時/幅80×奥行き65×高さ80㎜ 重量:333g 出力:4,000kcal/h
マナスル / MANASLU
96
いまも熟練職人が1台ずつ丹念に作りあげているという純国産の真鍮製ケロシン(灯油)ストーブ。「96」はソロ用モデルだが、ほかに2サイズある。かつての山岳部御用達ストーブ。
サイズ:使用時/約直径160×高さ170㎜、収納ケース/幅150×奥行き150×高さ105㎜ 重量:約790g(ケース込み)
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オプティマス/123R スベアストーブ
キャンプや登山用のバーナーにはアルコール、灯油、ホワイトガソリン、アウトドアガス缶、カセットガス缶など、燃料によってさまざまな種類があります。もちろん、手軽なのはガス缶ですが、液体燃料系も根強い人気があります。モノ自体が単純な構造で、修理すれば長く使えることもあり、古くから形を変えずに生産され続けている製品も少なくありません。
今回紹介するオプティマス (OPTIMUS)のガソリンストーブ「スヴェア(SVEA)123R」もそのひとつです。
スヴェア ストーブの歴史を遡ると、100年以上前の設計にたどり着きます。今のアウトドアストーブの原型となった「スヴェア 123」は1955年に発売された製品で、さらに1963年からはオプティマス社によって生産されるようになりました。その後は今なお続く、同社の超ロングセラー製品となっています。歴史の分だけ価値があり、ビンテージなスヴェア 123は愛好家の間で人気です。
そんな変わらぬ良さを好むアウトドアズマンが手にするスヴェア 123R。もちろん、現行で発売されているだけあって、実用性は十分。キャンプのメインストーブとして活躍してくれます。
スヴェア 123Rを詳しく知ろう!
まず知っておきたいのが基本スペック。スヴェア 123Rの収納サイズは100×130mm。重量は550gです。出力は1400W(1300Kcal)、120mlのホワイトガソリンで、最大60分燃焼します(条件による)。
次にボディーを見ていきましょう。スヴェア 123Rは大きく分けて本体(タンク部)、風防兼ゴトク、ソースパンで構成されます。下の写真は本体に風防とゴトクをセットした状態です。ゴトクは回転できるので、大きめの鍋なら外側に、小さめのコッヘルや付属のソースパンなら内側にと、調整が可能です。なお、中央に見えるのがバーナーヘッド部です。
下の写真は左が風防とゴトク、右がソースパンです。風防は取り外し可能で、着火時は外しておきます。また、セット時に本体と固定できるので、もし倒れても風防が外れることはありません。
ソースパンのハンドル(ソースパンハンドル)は取り外すことができます。ぴったりサイズのソースパンは、湯沸かしに最適です。本格的な料理はサイズ的に難しいのですが、缶詰にはジャストサイズ。おつまみ缶レシピが捗ることうけあいです。このソースパンを食器代わりに使うことも、もちろんできます。
スヴェア 123Rの本体部を知ろう!
本体タンクに設置された丸い部分が給油口です。横から飛び出したパーツがバルプスピンドルになります。給油口に燃料を入れたら(タンク容量の2/3まで)、タンク中央のくぼみにアルコールなどを垂らして着火、余熱(プレヒート)してタンクを十分に温めます。その後、ねじまわしのような調整キーでバルプスピンドルを回すと気化したガソリンが噴出し、バーナーヘッドから安定した炎となって出るしくみです。この時、余熱が不十分だと液体のままのガソリンが噴出し、炎上…という状態になります。
炎上した場合はバルブスピンドルを閉じ、火が消えるのを待ちます。そのまま本体が冷めるのを待ってからタンク内の圧力を抜き、最初の手順から行ないます。慌てずに対処しましょう。
真鍮の美しさが人気の理由
ここまで解説で「非常に面倒…」と思うかもしれません。ですが、この儀式のような点火手順に多くの愛好者がいて、オプティマス スヴェア 123Rを「一生モノ」として愛用する人も少なくありません。
ピカピカのボディーはもちろん、使い続けたボディーもまた良し。「SWEEDEN」「SVEA 123」の刻印にも惹かれます。
ただ、利便性だけを求めるのであれば、ガス式ストーブの方が断然楽だと思います。ですが、スヴェア 123Rのような燃料系ストーブは、使い続けることで愛着がわくアイテムでもあります。
いかがでしょう、一生モノのスヴェア 123Rを手に入れてみては。
※構成/早坂英之
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オプティマス123R スベアストーブ
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