福島で行われたオートキャンプの世界大会をレポート!
秋はキャンプのベストシーズンのひとつ。過ごしやすい気候にくわえ食材も充実し、この季節を待ちわびている人も多いのでは? そんな秋の初めに、福島でとあるキャンプイベントが開催された。それが日本オートキャンプ協会主催の「FICCオートキャンプ世界大会」。どんなイベントなのか、実際に福島へ行ってきた。
FICCオートキャンプ世界大会とは?
同イベントは、一般社団法人日本オートキャンプ協会が加盟する世界組織・FICC(国際キャンピング・キャラバニング・オートキャラバニング連盟)が開くキャンプイベント。大会とあるが、何かを競うものではなくキャンプを通して国際交流と観光が目的。約30の国や地域、約50の団体が加入している。
イベントは毎年場所を変えて実施され、日本での開催は44回目の静岡・滋賀両県での開催、55回目の島根県浜田市での開催以来3度目。アメリカやヨーロッパ圏、アジア圏など世界中のキャンパーが訪れる、まさに“オートキャンプの祭典”だ。
オープニングは各国の参加者によるパレードから
今回は9月28日(土)〜10月6日(日)の1週間にわたり、エンゼルフォレスト那須白河や羽鳥湖岬オートキャンプ場など名だたるキャンプ場が集まる福島県の天栄村にて行われた。
初日は世界各国から参加するキャンパーやグループ、組織らによるオープニングパレードが開催。国旗やフラグを持ち、ルクセンブルクや韓国など14か国の人たちが1kmほどの距離をゆっくりと歩いてメイン会場の羽鳥湖高原へ。中には民族衣装を着て参加する人もおり、写真撮影や会話が頻繁に行われた印象だった。
地元のショップだけでなくアウトドアブランドも出展
大盛り上がりの会場を見ると、キッチンカーで地元の食材を使った料理やいま流行りのタピオカドリンクを販売するショップがあり、参加者だけでなく地元のキャンパーも楽しそうに食事をする風景が見られた。
それだけでなく、国内で有名なアウトドアブランドも出展。新製品の展示やアウトレット品の販売、木炭の火入れ実演など、日本のキャンパーから海外のキャンパーまで幅広い人の興味を惹かせた。
メインコンテンツ「エクスカージョン」に参加してみた
同イベントは国際交流と観光をメインにかがえており、ステージパフォーマンスやパーティといったコンテンツも用意されたが、なかでも「エクスカージョン」は海外の参加者から人気!
エクスカージョンは日本語で「小旅行」という意味があり、1日かけて福島やその他の地域の名所を巡る大型コンテンツ。大会2日目の29日(土)から10月4日(金)まで全6回にわたって実施。今回は1日目の2日目のエクスカージョンに参加させてもらった。
第1回は福島の歴史や名産を知るコンテンツ。会津武家屋敷の見学から始まって、福島の老舗酒造「末廣」の工場見学、多くの優秀な人を輩出した会津藩校「日新館」の見学、そして福島のシンボル「鶴ヶ城」の見学などを観光。日本の歴史を知る機会でもあり、海外の参加者はじっくりと各所を巡った。
第2回は食を中心としたコンテンツ。この時期の旬な梨の果物狩り、お昼にジンギスカンを食べてからアサヒビール工場の見学、100年以上にわたって味噌や甘酒を製造する宝来屋の工場見学、そして開成山大神宮で参拝とご祈祷など、夕方までたっぷりと巡り、各場所のお土産をたっぷりと購入する姿が見られた。
それ以外に、五色湖トレッキングや福島第一原発の見学、少し離れて栃木県の日光巡りなど、幅広いコンテンツを用意された。
日本人キャンパーも多数参加
ここまで読むと「海外のキャンパーだけが参加したの?」と思う人もいるかもしれないが、もちろん日本人キャンパーも多数参加。たとえば、モーターホームでキャンプや旅を楽しむ倶楽部「トレイル・アドベンチャー・スピリッツ」のメンガーが参加し、まるでモーターホームの村を感じさせる宿泊サイトは圧巻だった。
多くの海外参加者や日本人キャンパーが宿泊していた「エンゼルフォレスト那須白河」では、レストランで美味しい料理を食べている人もいれば、温泉や釣り、ペットとの散歩など有意義な時間を過ごしている人も多くおり、夜にはお酒と料理で楽しく交流しているサイトも見られた。
国境を超えたキャンパーの交流は大盛況だった
全日程を終えた同イベントは、無事に閉幕。来年の90回目はイタリアで開催される。普段では直接話せない海外のキャンパーと、福島に集まって交流できたのはまたとない機会だった。また、海外のキャンパーも日本の文化や食に触れて、どの方々も満足した表情そうな表情だった。このような国境を超えた交流を、アウトドアを通してこれからも開催してもらいたいと感じた。
イベントの公式ホームページ
http://www.89thficcrally.com/
日本オートキャンプ協会の公式ホームページ
http://www.autocamp.or.jp/
構成・取材/小川迪裕