ジョンミューア・トレイル(以下JMT)の4回目は、旅の顛末記からちょっと寄り道して、途中で出会ったハイカーのお話をしたいと思います。
ソノーラパスから、話しを聞けたハイカーは3人でした。
やはりJMTルートではないこのエリアでは、ハイカーがとても少なったように思います。
今回は、「どうしてトレイルを歩くのか」をテーマに何人かのハイカー達をインタビュー撮影してきました!
残念ながら動画が撮れていなかった、イタリア人ハイカーの2人組。
ソノーラパスから、トゥオルミーメドーまでのハイキングを楽しんでいました。
写真右側、ファンチネルは、サンフランシスコにある、イタリアの企業で働くエンジニアです。2人とも動画を撮影するときに、「日本人女性にモテるかもしれないね!」と大喜び。「日本人女性最高!」と叫んでいました。そんなシーンが撮れていなかったのは残念。そしてゴメンねファンチネル。
パシフィック・クレスト・トレイル(以下PCT)のセクションハイカーで、最初にインタビューできた彼は「スルーハイカーじゃないから、トレイルネームは無いよ」と言っていました。
トレイルネームとは、トレイルを歩いている時につけるニックネームのことです。そして、セクションハイカー(部分だけ歩く)の中には、レイルネームはスルーハイカーが使うものと感じている人も多いのですが、このジョンも同じでした。
結局トレイルネームを聞き出し、私はレモネードと呼ぶことにしました。
以前歩いていたトレイルでレモネードが好きで、レモネードばかり飲んでいたのでこのトレイルネームになったそうです。私とトゥオルミーメドーまで、毎日顔を合わせ、最終的にバーモント・バーレー・リゾートまでほぼ毎日トレイルで出会っていました。マンモスレイクでは町中でも再会し、私の宿泊しているRVパークにきて、隣のサイトでキャンプをしていました。
そしてこの彼、御年なんと68歳!!今はリタイヤしてトレイルを歩いているそうです。
荷物を軽くするため、火器は持たない、ウエアも最小限の装備でした。寒くなり始めたレッズメドーからは、会うたびに「寒い・寒い、もう標高の高い場所ではキャンプしない!」というのですが、このエリアはほぼ標高が高いのでどうしようもないわけで。一番びっくりしたのは、プラスチックの容器にドライフードを入れて水(!)を注ぎ、4時間待って自然にふやかしてから食べるとうい食事方法でした。
彼は足が悪いので、徹底したウルトラ・ライトスタイルです。そして使用するカメラはなんと写ルンです1つ!貴重な24枚撮りのカメラには、私が3枚ほど写っているはずです。
ファンチネル達はヨセミテバレーへ。レモネードはPCT用の許可書を持っているので、JMTルートへ。そして私は迂回ルートへむかいます。いつかの再会しようと話し、ファンチネル達と握手しハグしながら別れます。
レモネードとは、マンモスレイクでの再会を約束し、お互いがそれぞれの歩くルートへ歩き出します。
寂しさが込み上げる瞬間でもあります。
モノパスからサウザンアイランドレイクまでの迂回ルートで唯一出会ったハイカーです。
今回の許可書の取得ルールの変更で、許可書が取れず私と同じように歩いていました。5日間程度のハイキングをしに、ヨセミテ国立公園に来たそうです。
一緒にキャンプしながら話をしましたが、とてもシャイなハイカーでした。
とにもかくにも、ロングトレイルを歩くというのは、自然の中をひたすら歩き自然を感じるのはもちろんですが、そこで出会ったハイカーとのつかの間の交流も大事なスパイスになります。日本人ハイカーもいたのですが、そのレポートはまた後日。
Profile
斉藤正史 山形県在住
LONG TRAIL HIKER
NPO法人山形ロングトレイル理事
トレイルカルチャー普及のため国内外のトレイルを歩き、山形にトレイルを作る活動を行う。
ブログ http://longtrailhikermasa.blog.fc2.com/
山形ロングトレイル https://www.facebook.com/yamagatalongtrail