旅行、お酒、食事、キノコ狩り、カヌーなどが大好きです。オレゴン・マイコロジカル・ソサエティ会員。
9月半ばから降り出す雨が翌年の6月まで止まないと言われるほど雨の多いポートランド。夏の終わりにちょっと憂鬱な気分になる人も多いのですが、マッシュルームハンターたちは、雨がキノコを育ててくれる、とちょっとワクワクするのです。
今回は、この地域のみんなが大好きな定番キノコ、シャンテレルマッシュルームを採ってきました。このキノコ、秋のポートランドでは、レストランはもちろん、ファーマーズマーケットやスーパー、コストコにも登場するほどポピュラーなのです。
色鮮やかなシャンテレル
シャンテレル(chanterelle)は、日本語ではアンズタケと呼ばれるキノコです。アンズのような香りがするそうですが…いい匂いではありますが、これがアンズの香りかは正直、よく分かりません。けれども、色は熟れた杏のような鮮やかなオレンジ色をしています。
針葉樹林や雑木林などオレゴンの広い範囲に生え、見分け方が比較的簡単なので初心者でもトライしやすいキノコです。
シャンテレルの見分け方
オレゴン州に生えるシャンテレルに似た毒キノコには、そのまま「偽シャンテレル(False chantelle)」というのや、ハロウィンのカボチャと同じ呼び名の「ジャック・オー・ランタン(Jack-O-Lantern)」というのがあります。色はハロウィンのカボチャのように鮮やかなオレンジ色ですが、傘の裏を見ると違いは一目瞭然。
シャンテレルが、「偽ひだ」と呼ばれる傘の肉と区別できない、しわ状で横にも脈状に連絡しあうひだをもつのに対し(上の写真)、偽シャンテレルやジャック・オー・ランタンは、ひだが均等に並んでいます。なので、裏を見れば毒キノコを選ぶことはあまりないと思います。
それからこちら(写真上)、「ウーリー・シャンテレル(Wooly Chanterelle)」とか「スケーリー・シャンテレル(Scaly Chanterelle)」と呼ばれるオレンジ色のキノコも、シャンテレルに似ていますが食べたくないキノコです。これは裏をみても似ているのですが、羊毛の(ウーリー)とか、うろこ状の(スケーリー)と言われるだけあって、シャンテレルのように傘の上がつるりとしていません。
そして縦に割くと中が空洞になっていることが多いです。これもそれほど見分けにくくはありません。
アンズ色以外のシャンテレル
ちなみにこれまで説明してきたシャンテレルは、こちらで「ゴールデンシャンテレル」と呼ばれるオレンジ色のものですが、実は他にも食用で白い「ホワイトシャンテレル」(上の写真)や青い「ブルーシャンテレル」、黒い「ブラックシャンテレル(ブラックトランペット)」と呼ばれるものもあります。青や黒には残念ながら出会ったことはありませんが、ホワイトも美味しいですよ。
シャンテレルの美味しい食べ方
シャンテレルは、採りたてがやっぱり最高に美味しいです。
出来るだけすばやく洗って、強火で炒めて、ねぎバター醤油で味付け、ご飯にかける!パスタに絡める!みたいな感じがシンプルだけど美味しいと思います。
もちろんクリームソースなんかにもあいますし、包み焼きとかオムレツとか、リゾットもアリだと思います。たくさん収穫したフランス人の友人はオイル漬けを作っていましたが、これもなかなか乙でした。
アメリカでは食用にされていますが、微量の毒素があるため日本ではあまりポピュラーではないそうです。キノコの季節、ポートランドを訪れる機会があれば、ぜひトライしてみてくださいね。