“テントでの快眠”は、キャンプにおける重要なテーマのひとつです。はじめてキャンプする人が、「よく眠れなかった…」とあっては、キャンプを好きになれません。キャンプ慣れしていても、「地面が固かった」「寒い」などの理由でよく眠れなかったら、翌日の疲れにも影響します。それが撤収日でロングドライブする日だったら…。
キャンプビギナーはもちろん、ベテランキャンパーにとっても睡眠は大きな課題になります。持っていく荷物が限られるような登山泊やバックパックでの旅であれば、どうしても寝袋+キャンピングマットの組み合わせになります。自転車キャンプやオートバイキャンプもしかり。
ですが、自家用車で行くようなオートキャンプならば、持っていくアイテム選びにも余裕が出るはず。それでいてテントも広々とした2ルームテントだとしたら、迷わずコットを使うことをおすすめします。『クルマに積める』『テント内に配置できる』という使用条件はありますが、それでもコットの寝心地は魅力です。
寝心地重視派にオススメしたいのがキャンピングコット
キャンピングコットはフォールディングコットとも呼ばれる折りたたみ式のベッドの通称になります。各国の軍隊でも使用されており、映画やテレビドラマなどで目にすることも多いのではないでしょうか。
ほとんどのコットが引き裂きに強い生地と、大人の男性の荷重にも耐えられる強度を持った脚部。そして、生地と脚部を結合し、自立させるためのフレームパーツでできています。製品によって、どこに違いがあるかと言うと、生地の張り具合と高さになります。
張り具合は使う人の好みによるところが大きいので、購入前にショップで試してみるのがベスト。一方の高さはローポジション・ハイポジションから選べます。
キャンピングコットにはローとハイ、2種類の製品がある
ローポジションは地面からの高さが16cm~20cmほどで、十分な高さがないテント(シェルター)の場合や、できるだけ荷物をコンパクトにしたい人向けのアイテムです。
一方のハイポジションは、それなりに重量や大きさがありますが、使用時のポジションが高く、寝たり座ったりが非常に楽。地面からの高さもあるので、地中からの冷えを受けることがほぼありません。それでいて、チェアや荷物置きとしても重宝します。ただし、大きいので荷物になります。
このように一長一短がある、ローポジションのコットとハイポジションのコット。その両者の良いとこ取りを可能にしたのが、ヘリノックス(Helinox)社の「ヘリノックス タクティカルコットコンバーチブル(Helinox Tactical Cot convertible)」です。
ヘリノックス タクティカルコットコンバーチブルは、そのままの使用でローポジションとなります。そこに、オプション(別売り)の「コットレッグ」を取り付けることで、ハイポジションに変化させることができます。まさにコンパーチブル(複数の様式に転換できること)。製品名の由来もここからきてます。
良好な寝心地とコンパクトな収納性。多彩なバリエーションから、多くのキャンパーに愛用されているヘリノックス タクティカルコットコンバーチブル。ヘリノックスと言えばチェアが有名ですが、このコットも大人気です。
組み立て簡単! ロック構造が非常によく出来ている
どこよりも詳しい! ヘリノックス タクティカルコットコンバーチブル組み立て完全ガイド
収納時のサイズは幅54cm×奥行き16.5cmと、折りたたみチェアぐらいの大きさです。重さは2540g(本体重量2365g)あるので、バックパックと一緒に背負っていくのは少し重い。オートキャンプなら問題ありません。
収納袋から取り出すと、脚パーツ3つ、フレームパーツ2組み、生地部分が確認できます(写真は左から脚パーツ、生地の上にあるのがフレームパーツ)。
脚のパーツにはショックコードが内蔵されており、自然とポジションが取れるようになっています。中央のパーツが天地逆になると正しくセットできないので注意しましょう。
生地の裏側には取り扱い説明書が記載されています。英語ですが、絵で見ても分かるので、はじめてのセッティング時には参考にしましょう。
フレームパーツを生地の両サイドに通します。この時点で生地の2面がピンと張られます。ですが残り2面が張られていないので、まだ使用できません。ここを脚パーツで固定します。
脚パーツにはスプリング構造のロック機構が備わっており、開放することで脚パーツをフレームに合わせることができます。パーツを合わせたら、ロックがカチッとなるまで押します。セッティング時は容易に行なえますが、撤収時は少々チカラが必要です。それだけしっかりと固定されている、ということでもあります。
脚のパーツを3つすべてセットすると、生地がピンッと張り、コットとして使用できる状態になります。ここでゆるんでいると脚が正常にセットできていない状態ですので、もう一度確認してみましょう。
写真はセッティングを終えて、裏返した状態です。脚がゆるむと思わぬ事故につながるので最終確認はマストです。
コットの側面には、カラビナなどを吊り下げられるループが備わっています。コッヘルやキーなどの小物を取り付けてることで、使い勝手が向上します。
背面のメッシュポケットも便利です。使用しているときは人の目に触れにくいので、貴重品なども◎。
オプションパーツのコットレッグはマストバイ!
ヘリノックス タクティカルコットコンバーチブルのユーザーに、とくにオススメしたいのが別売りのコットレッグです。12本ひと組みで、コットレッグを装着することで高さが38cmにもなります。ハイコットスタイルは、乗り降りがとても楽。腰の負担が低減されます(実際にハイコットを利用している、BE-PALスタッフの感想です)。
コットレッグでハイポジションに変化させてみよう!
コットレッグは各パーツの穴に差し込むようにしてセットします。奥まで差し込むとカチッという音がなり、固定されます。取り外すときはぐっと引き抜くだけでOKです。
すべてをセットすると、写真のように固定されます。もし、コットレッグが外れるようであれば、セットし直しましょう。
コットレッグの先はゴムパーツで保護されているので、地中に脚部が埋もれてしまうようなことがありません。また、ゴムパーツなので、自宅の部屋などで使用してもフローリングを傷つけることなく便利です。
オプションパーツで、ローポジションもハイポジションとれるヘリノックス タクティカルコットコンバーチブル。今回紹介したのはコヨーテカラーですが、この他にブラック、フォリッジ、マルチカモ、デザートタン、ダックカモ、リアルツリーなどの豊富なカラー展開があります。見た目にもグッドで機能も充実。それでいて長く使えるタフな仕様。一生モノのコットに選んでも間違いありません。
SPEC:
使用時サイズ:幅190cm×奥行き68cm×高さ16cm
収納時サイズ:幅54cm×奥行き16.5cm
本体重量:2365g
総重量:2540g
耐荷重:145kg
フレーム素材:金属(アルミニウム合金)、樹脂、ヒンジ
先端部素材:ナイロン
表面加工:フレーム(アルマイト)
シート材質:ポリエステル
付属品:収納袋
別売りコットレグ装着時高さ:38cm
ヘリノックス タクティカルコットコンバーチブル | エイアンドエフ :
https://www.aandfstore.com/store/commodity/0/19755008
※構成・写真・文/早坂英之