スノーキャンプを体験してこそ、冬の醍醐味ってもの。女子3人、ありったけの防寒具を準備して、初めてのスノーキャンプにチャレンジしてきました。夏のキャンプでは味わえない冬キャンプならではの魅力をご紹介します!
冬キャンプならではの魅力とは
3人がかりで大型テントを張り終えると、リエちゃんが焚き火台の準備をしはじめた。今日の寝床が完成してホッとしたのもつかの間、日が落ちると一気に冷えてきたので、大急ぎで焚き火をつけたのだ。
この日、キャンプ場に宿泊していたのは私たちだけ。雪はしんしんと降り続いているけれど、とても静かで、焚き火のパチパチという音が響いている。夏のキャンプとは雰囲気がまったく違う。
「テントのほうが、暖かいかな。でも焚き火から離れたくないね」
ウェアを何枚も重ね着しているミキティは、寒いのが気持ちよくなってきたらしく、意外と気そう。体を温めようと飲み始めたホットワインを飲み干すころには、3人とも饒舌になっていた。
焚き火のまわりで恋愛話
議題は「男性の焚き火の楽しみ方から見る女性への優しさ度」。“火をつけたらほっとく人”、“いつまでも薪をいじる人”、“どんどん薪をくべて燃やす人”などなど。結果“安定した火力を保ってくれる人”がいちばんいいということになった(笑)。
辛辣な女子トークは寒かろうと関係ない。オンナ3人のキャンプといったら、やっぱり焚き火を囲んでの恋愛話が盛り上がる。
夜が深くなるほどに、空気が澄んでいく。肌に刺さる冷気がほんのり酔った体を冷やす。「寒くて過酷では!?」と思っていたスノーキャンプだが、不思議とそれが快感になっていた。厚着のまま寝袋に入り、3人くっついて横になる。顔を寄せ合いながら、眠る寸前まで笑い話。なんだか寒さがふたりとの距離を急激に近づけてくれた気がした。
スノーキャンプの基本
STEP 1 テントを張る前に雪面ならし!
設営場所は、テントのサイズよりもひと回り大きくなるように雪面を踏み固める。ブーツでもいいが、スノーシューのほうが簡単だ。
STEP 2 荷物の運搬にはソリが便利!
サイトまで車の乗り入れができないキャンプ場も多いので、荷物運搬にはソリが便利。キャリーでもいいがソリが圧倒的に楽。
STEP 3 暖房器具を板の上にのせよう
ストーブや焚き火台などの暖房器具の熱で雪がとけて下に沈み込んでしまうため、ベニヤ板などの上にのせて使用するのがベター。
STEP 4 ペグを抜くときはお湯をかける
雪の中にペグを埋めると、次の日には凍っている場合も。ショベルなどで掘るよりも、お湯をかけて雪をとかすほうが簡単だ。
STEP 5 ペグを横にして雪に埋める
雪が深いと、垂直方向に刺しても抜けてしまうので、雪を掘ってペグを寝かせるように置き、雪をかけて踏み固めるといい。
冬のおすすめフィールド遊び3つ
1 アイスクリーム作り
美味しいバニラアイスが完成!
2 スマホレンズで自然観察
4×4㎝のコンパクトな顕微鏡。倍率15倍で、LED照明まで付いている。
3 アイスランタン作り
冬キャンプの持ち物とお役立ち道具
基本装備はいつものキャンプと同じ。それに保温性の高いアイテムをプラスして、あったか~く過ごしましょう!
ogawa/ピルツ12
サーマレスト/トレイルプロ 女性用 レギュラー
ナンガ/オーロラライト750DX
センゴクアラジン/ポータブル ガス ストーブ
ベアボーンズリビング/ビーコンライトLED
ベアボーンズリビング/フォレストランタンLED
MSR/オペレーターD
スノーキャンプの服装
【ウェア】ナンガ/レディースタキビダウンジャケット
できるだけ焚き火の近くで温まりたかったので、難熱素材のダウンジャケットに。760FPのダウンで氷点下でも問題なし!
【ブーツ】ソレル/ウィットニートールレースⅡ
ウォータープルーフのロングブーツ。内側にフリース素材が使われていて、中綿も入っているので足先まで暖かい。スノーシューもキャンプもこれ1足でOK。
※構成/中山夏美 撮影/工藤 了(BE-PAL2019年2月号より)