「自転車業界人限定」の2020最新パーツ&アクセサリー展示会に潜入してみた
5年目の開催となる『サイクルパーツ合同展示会』に潜入した。東京・浅草の会場には、国内外の自転車パーツ関連メーカーと輸入代理店など、200社を超えるブースが並んだ。このイベントの特徴は、自転車販売店向けで、一般サイクリストの入場ができないこと。各ブースは、ディスプレーの美しさにこだわらず、シンプルに売りたいものをたくさん並べているような印象だ。東京はもちろん、北海道、関西、沖縄の有力販売店や、名だたる完成車ブランドのスタッフも数多くみかけた。商談の場だけあり、どのブースも熱の入ったガチのやりとりが繰り広げられていた。
極太タイヤのファットバイク用トレーラーが登場
数多くの製品のなかで、もっとも気になったのが、ファットバイクにも装着できるポーランドのメーカー『extrawheel』が作った『MATE』(98,000円)というトレーラーだ(※上段の写真)。走りが軽快な一輪仕様で、タイヤサイズは26×4インチ。ファットバイクに装着された展示車の迫力に圧倒される。このトレーラーは、50リットルの防水バッグが左右に1個ずつ付属する。タイヤ幅5インチという自転車の規格の中でもっとも幅広のファットバイクにも対応する。装着できるトレーラーやラックの選択肢がごくわずかしかないファットバイク乗りには朗報だ。
https://www.rainbow-bike.com/
自転車を選ばず使えるバイクパッキングのお助けグッズ
『Gorilla Clip』 (2,800円)は、フロントフォークに専用のねじ穴がなくても取り付けできるコンパクトなラックシステムだ。『Gorilla Clip』を結束バンドでフォークに固定し、専用のラックとストラップがセットになった『Gorilla Cage』(3,500円)と、ドライバッグ『Gorilla Bag』(2,800円)を組み合わせれば、シュラフやマット、衣類などを自転車のフォークに取り付けて運ぶことができる。サスペンションフォーク仕様のマウンテンバイク、ロードバイク、フォールディングバイクでバイクパッキングしたい、なんて考えている方にも薦めたい。
https://www.kuwahara-bike.com/
本気で走るジュニアに向けたMTBパーツ
『SDG JR PRO KIT』(15,400円)は、キッズの体格に合わせてデザインされたサドル、ハンドル、グリップ、ペダルのセット。握力のない小さな子供のために、ハンドルとグリップの握る部分を細くデザイン。ペダルは、小さな足に合わせて薄くてコンパクト。しかもケガをしにくいプラスチック製だ。世界的なレーサーから支持されるブランドだけに、小さなサドルといえども作りは本格派。
https://aandf.co.jp/
アーバンライドで気分があがるスタイリッシュなラック
フィンランドの自転車ブランド『Pelago Bicycles』がデザインした、スタイリッシュなフロントラック。ホイールサイズ700Cと28インチの自転車に対応する。様々なフレームの形状に合うように着脱式の金具が3種類付属する(1台の自転車に1種類2個使う)。「余った金具は、キーホルダーにしたり、栓抜きとして使って」という発想がおしゃれ。『Pelago Comutter Front Rack』(13,500円)。写真はMサイズ。ほかにデッキ部分がさらに大きなLサイズもある。
https://jykkjapan.com/
この夏はワキ汗を気にせずライドに集中
会場にはサイクルアパレルブランドも新作を並べていた。東京に本拠地を置く『rin project』は、汗じみ防止加工を施した新作、『ノースウェットBIZシャツ』(12,000円)を発表。夏のサイクリングで気になる汗じみが驚くほど目立たないという。背中にはサイクルジャージ風の大型ポケットがある。カラーは、ブルー、グレー、ホワイトの3色。4月上旬発売開始予定。クールビズで着るにもよさそうだ。
http://www.rinproject.com/
デニムの町=児島で作られた超撥水パンツ
自動車のボディをコーティングする溶液などを開発する『クレストヨンド』という会社がリリースした『洗車ジーンズ』(19,800円)。その名の通り、自動車を洗うことに特化したジーンズ。自社開発の特殊撥水加工を施し、レインウェアに迫る撥水性能を誇る。写真の左のほうにある水玉を見れば一目瞭然。さらに、動きやすいように伸縮性に優れた生地を使い、丈夫な縫製加工技術で知られる岡山県倉敷市児島のジーンズメーカーで生産している。「この機能性はサイクリストにもピッタリでは?」と、異業種ながらこの展示会に参加したそうだ。児島製でこの機能なら納得の価格では?
http://4-crest.com/
自分色に染めながら長年楽しく乗れるスポーツバイク
自転車のフレームや完成車を並べるブランドも数社参加していた。『Pep Cycles』は、2018年にスタートしたばかりのブランド。長く、自分らしくカスタマイズしながら乗れる自転車をテーマに少量生産をするいわばインディーズバイクブランドだ。手前のグリーンのモデルが完成車販売されている『NS-S1』(105,000円)。価格を抑えるため変速機のないシングルスピードモデルとして組んであるが、購入後に変速機やサスペンション、ラックなどを取り付けることもできる。ドロップハンドルをつけてグラベルロードバイク風にしたり、ラックをつけてアーバン用にしたり、アイデア次第で様々なカスタマイズができる。フレームは、長寿命がうりのクロモリスチール製。気になる走りは、後日、テストライドをしてレポートしたい。
https://pepcycles.com/
デザインに特徴を持たせたもの、新しい機能を加えたものなど、2020年もサイクリングライフを楽しむため、ギアは、まだまだ進化を続けている。真新しい商品が自転車ショップに並ぶ日が楽しみだ。