アウトドアシティえびの サイクリングレポートその2「矢岳高原ルート」
宮崎県えびの市は九州の真ん中に位置するアウトドア天国。サイクリングレポートその1「えびの高原ルート」編では、霧島錦江湾(きんこうわん)国立公園内の景勝地「えびの高原」へのルートを紹介しましたが、もう少し楽なヒルクライムを楽しみたい人向けに、えびの市の北西にある絶景スポット「矢岳(やたけ)高原」までルートを走ってきました。
案内してくれたのは、地元えびの市「弘泉寺」のご住職、成松昇紀(なりまつ・しょうき)さん。成松さんは数年前から自転車にハマり、いまでは「ロードバイク和尚」を名乗る熱心なサイクリストなのです。

「道の駅えびの」の敷地内にある島津義弘公の銅像。九州制覇のためにえびのに26年間居城したという地元ゆかりの武将だ。
今回のコースは前回と同じく「道の駅 えびの」をスタートし、標高700mの矢岳高原展望台まで片道およそ13kmのサイクリングです。え~また坂道を上るの? なんて声が聞こえてきそうですが、こちらは「えびの高原ルート」よりも勾配の緩い坂道なので心配はご無用です。
まずは矢岳高原へ向かって、田園風景の中を行きます。ここは真幸(まさき)と呼ばれるエリア。米どころとして知られるえびの市の中でもとくに美味しいと言われる「真幸米」の生産地であり、沿道にはのどかな風景が広がっています。

のどかな田園風景が広がる真幸地区。今も明治初期に作られた石積みの棚田が残っている場所もあるという。
県道102号線から県道408号線に入ってすぐに現われるのが県内でもっとも古い温泉郷「吉田温泉」。かつては多くの入浴客で賑わったそうですが、現在は温泉旅館1軒、公衆浴場1軒のみの小さな温泉郷となっており、逆にそのひなびた風情も魅力のひとつです。

室町時代末期に霧島山が大爆発して湧出したという吉田温泉。鉄分を多く含んだ炭酸泉で、傷の治療によく効くそう。

吉田温泉から矢岳高原に向かって少し上ったところにある、ログハウスのカフェ「ココキャン」。

コーヒー&スイーツのほか日替わりランチも楽しめる。金曜午後は自家製パンの販売も。
吉田温泉を抜けると道はいよいよ本格的な坂道に。といっても斜度は3~5%という緩やかなもの。軽いギアを選択できるロードバイクやMTBでゆっくり漕げば、会話しながらでも難なく頂上まで登り切れちゃいます。

矢岳高原に向かう山道は斜度3~5%の緩やかな上り坂。林間を抜ける部分が多く、展望があるポイントは少ないが、緑の中を進むと風が心地いい。
県立自然公園 矢岳高原の展望台からは霧島の山々や加久藤(かくとう)カルデラを一望できる大パノラマが広がり、我々のテンションは最高潮に。成松さん曰く、天気の良い日だと遠くに錦江湾を望むこともできるとか。展望台付近には芝生の広場やベンチがあるので、あらかじめお弁当を用意して、絶景を眺めながらランチを楽しむのもオススメです。

矢岳高原展望台付近からの眺め。霧島連山とえびの市内を一望する絶景が広がる。天気の良い日には錦江湾に浮かぶ桜島も姿を現わす。秋から冬にかけて、早朝に雲海が見られることも。

矢岳高原にある「矢岳高原 ベルトンオートキャンプ場」はアメリカ テキサス州ベルトン市にちなんだ西部開拓時代がテーマのキャンプ場。約8haの広大な敷地にオートキャンプサイト、キャンピングカーサイト、ウェスタンスタイルのセントラルハウスなどが配置されている。

矢岳高原の登り口である、えびの市京町温泉の国道268号線沿いにある自転車&バイクショップ「大門サイクル商会」。オーナーは気さくで優しいと評判。サイクリング前後のメンテナンスはこちらでどうぞ。
※構成/佐藤旅宇 撮影/岩崎竜太 モデル/Reina 車両協力/ジャイアント