日本にも古くからサウナがあった! そんな和風天然サウナを、今、日本を席巻するサウナブームの中心にいる、年間350回以上サウナに入るトッププロサウナーはどう見たか? 熱く語ってくれました。
【座談会参加者】
原山壮太さん
人生であと何回サウナに入れるか考え続ける、サウナー界の哲学者。和風天然サウナにも豊富な知識を持つ。
濡れ頭巾ちゃん
サウナー必見のブログ『湯守日記』主宰。サウナの黄色いタオル上で事切れたいサウナー界のトレンドリーダー。
トントン先生
今まで知られていなかった名サウナを発掘し、全国へ情報発信すること幾度か。サウナー界の切り込み隊長。
――世間は完全にサウナブームです。しかし、ビーパル読者にとってサウナといえば、“オヤジ臭い、アウトドアとはまったく無縁の世界”というイメージがまだ強いかと…。
原山(以下・原)「いや、サウナっていうのは“自然に近づく装置”なんですよ。もともとサウナは大自然の中で穴掘って火を焚いて体を温めるというのが起源です。今でも本場・フィンランドではサウナで体を温めたら、自然の川や湖に入って体を冷ます」
濡れ頭巾ちゃん(以下・濡)「そして、裸で外気浴をし、風に吹かれて自然と一体化」
トントン先生(以下・ト)「テントサウナっていう、簡易に持ち運びできるサウナがある
んですけど、この前も丹沢の山の中でテントサウナで体を温め、渓流に飛び込んで体を冷やしてきたんですよ。アレは楽しかったなァ~」
――まさしくアウトドアじゃないですか!?
濡「ただ最近は、ただ素っ裸になりたいだけなんじゃないか? と思ってきてますが」
――たしかに裸は一番ワイルドに自然体ですが…。
ト「サウナというと、サウナ室のことだと思ってる人も多いけど、サウナ室、水風呂、外気浴の3点がワンセットになって、初めて自然と一体化するサウナといえることを、まずは知ってほしいよね」
原「そのサウナ室も本来は薪で暖めるものが上質です」
――自然の火ですね。
濡「水風呂は温度も大事ですけど、一番重要なのは水質。伏流水とかのいい水風呂にはいると、水と体が溶け合うのがわかる。そのとき、自然とほら貝の音のような声が出るほど気持ちがイイ!」
ト「その後は、外気浴で自然の風に当たり、空気の流れを感じて、ここで完全に自然と一体化するんですよ」
――火、水、気……まさしく自然の3大エレメントを体で感じるのがサウナなんですね。
原「サウナと聞くと、街中のサウナを思い浮かべるかもしれませんが、私の尊敬するサウナメーカーの社長さんがお っしゃるには『究極のサウナは“先祖返り”である。今のサウナは利便性を追求しただけで退化しているに近い』」
――サウナとは本来プリミティブなものがイイんですね。
濡「それが一番気持ちいい」