――そんな大自然の快楽主義者といっていいサウナーの皆さんは、日本にも昔からある石風呂などの〝和風天然サウナ〟をどう思いますか?
原「和風天然サウナは大きく分けて2種類。ひとつは温泉の蒸気や、鉱泉を薪で焚いた蒸気で室(むろ)を満たす蒸し風呂、蒸し湯の類。もうひとつが、室の中で実際に火を焚いて室自体を温める、今のサウナに似たパターン。西暦500年ごろから瀬戸内海沿岸で多く見られたのですが、石で室を築いた石風呂や、土で室を作った、から風呂。それが京都に伝わり、かまくら状の室になったかまぶろなどですね」
――いろんなパターンがありますね。
原「それぞれすべて仕組みは違うけど、結局はフィンランドのサウナと同じで、要するにみんな“自然に近づくための装置”です! そして素晴らしいのは、その熱源はすべて自然だということです。自噴している温泉の熱だったり、薪を燃やしたり」
濡「それは自然に近づける」
原「『みかゑり温泉』なんて、自噴している源泉の上に家建ててるようなもんで、本当に素晴らしい蒸し湯。さらに温泉の蒸気なんで、温泉の効能が体に入ってくる」
濡「ととのってきた!!」
原「『しらさぎ荘』では、まず飲泉を飲み、冷泉を薪で焚いた蒸し風呂で体を蒸して、毛穴から成分を吸収し、そして冷泉で体を冷やす。この冷泉がとにかく素晴らしいんだけど、どれだけ温泉という自然の産物を体に取り込むか? 段階的に工夫をしている和風天然サウナですね」
――水風呂が最高の和風天然サウナもあるってことですね。
ト「でも和風天然サウナには、必ず水風呂があるのかな?」
――いくつか水風呂のない施設がありますね。
原「それがちょっと辛い…」
濡「水風呂に入らないと、なにかピシッと決まってない、塩の効いてない料理みたいな気がするんですよね」