ロングテールバイク「ビッグダミー」との出会い
出会いは10年前。富山県の立山で行われた野外イベント「ワンアース」のために、富山市にあるショップ TOOLATE SPORTSが、ロングテールバイク(ビッグダミー)を1週間だけレンタルしていたのを見かけたときのこと。
その頃すでに私は1年余りピストバイクに乗っていましたが、私の最大の弱点ともいえる、「バッグを背負って走った時に背中の汗がハンパなく出ること」が嫌で、ピストバイクをやめようと思っていたころ。
ビッグダミーを目の当たりにした時、わずか3秒で購入を決意。2mオーバーの車体の迫力よりも、「これでバッグを背負わなくていい!」という魅力の方が上回っていました。
積載量がすごい! 上手に積めば軽自動車1台分に匹敵する積載力
ここでちょっとロングテールバイクの特徴を紹介します。その名の通り、自転車の後輪部分へと繋がるフレームを長く伸ばしたものを「ロングテールバイク」と呼びます。長くする目的は「荷物をたくさん積むスペースを作るため」です。
メーカーオリジナルの専用バッグをリアホイールの左右に取り付けて、そのバッグの中にたくさんの物を詰め込めこんで走れます。専用バッグを装着しなくても、自転車旅用としては一般的なパニアバッグを片側2つ、計4つの取り付けが可能です。
その気になれば軽自動車1台分と変わらない荷物が積めて、しかも自動車を保有しなくて済みます。排気ガスを出さないから環境負荷が少ないし、経済的にも安上がり。自動車に依存しない生活を送りたい方にも「ロングテールバイク」を薦めます。
ビッグダミーをオールパープルに!?
見た目は重そうですが、乗ってみるとすぐわかることですが、漕ぎ出しは驚くほどスムーズ。荷物を積んだ状態でも重さは感じず、普通のMTBと変わりません。そして何より目立ちます。10年前は、まだまだ富山ではロングテールバイクは珍しく、通りすがりの全ての人がコチラを見ているような視線による高揚感と優越感が、たまらなかったですね。
ビッグダミーはメーカーがセットアップした完成車を購入したので、しばらくは何もいじりませんでしたが、突如キテレツな方向へ自分のスイッチが入りました。ロングテールバイクの強みは見たまま「積載量」なんですが、あの頃は積載よりも、ただひたすら目立つことだけを考え、SPANKのパープルリム(ホイール)にHALOのパープルタイヤとパープルグリップなどにカスタマイズ。あらゆるパーツがオールパープルになりました。気分によってはアメリカの国旗がプリントされたタイヤも履いていたので、車体が大きいだけに、ただでさえ目立つバイクをさらに目立つようにすることを積極的に楽しんでいました。若かった~。
サイクリングイベントに参加、10kg減量!
しばらくして、このチャリでサイクリングイベントに出場したらもっと目立てるのではないか? と考え、白山スーパー林道サイクリングという大会に初めてエントリー。登坂オンリーだったので少しでも重量を減らそうと、ビッグダミーのラックとバッグを外して軽量化バージョンに。上の写真でもわかる通り、ビッグダミーはバッグを外しフレームのみにすることにより、スタイリッシュに変化します。タイヤとハンドルの高さにもよりますが、かなりカッコイイです。
FREITAGのバッグをビルトイン
初期の頃は積載そっちのけで、いかにフレームのみで走るか(理由はカッコイイから)を探求していました。シートポストにBAZOOKAの超ロングステム&ライザーバーを取付け、そこにFREITAGのJOAN(ショルダーバックにもなるし自転車のハンドルにも取り付け可能な優れたバッグ)を付けたりしました。自分で言うのもなんですが、かなりのセンスだったと思います。この仕様で、年間5、6回のサイクリングイベントに参加。1年で10kgも減量できました。が、現在は12kg戻る(笑)。
ロングテールバイクをロングライド巡航仕様に
そして上の写真が、現在のハンドル周りの写真です。ハンドル周りはERGONのGP5を並行に付け、ハンドル幅を530mmとかなり狭くして、ロングライドに耐えられるようにマルチポジション化。なんちゃってTTバーも取り付け、富山グランフォンド180㎞と、石川県「ツールドのと400」を3日通しで完走。
大会中、自衛隊の方に「それはうちら専用の自転車では?」と声をかけていただきました。ホイールはノーマルでは、26インチ径が標準ですが、ワンサイズ上の650B(27.5インチ)のMAVIC クロスマックスを装着。リアには1.95インチ幅のタイヤを無理やり入れてます。26インチ径のタイヤなら2.30インチ位まで装着できますが、このサイズですと、リアタイヤ周りがフレームで囲われてるビッグダミーではギリギリです。
使い勝手の良いXTRACYCLE社のX2バッグ
最近は歳をとってきたのでバッグを装着して走ることが常となり、それにつれてバッグの消耗も激しくなり、ロングテールバイク専用バッグはこれで3回目の交換となりました。今回はXTRACYCLEのX2カーゴバッグに交換。じつは意外に使っている人は少ないバッグです。
後期のビッグダミー完成車を購入すると、自動的にSURLYのラック&バッグになるので、互換性はあってもなかなかコレに交換しようとは思わないのかもしれません。
SURLYのバッグもいいですが、X2の方が優れている部分もあります。理由は2つ。ひとつは上の雨避けカバーが簡単に取り外し出来て、晴れの日と雨の日の2通りの使い方ができること。もうひとつは側面が90%ほどカバーされていること。このおかげで雨の侵入率はSURLYバッグより低く、更には二重構造になっているので、バッグの容量を超える大きな荷物にも対応しています。意外にビッグファットダミー(SURLYが作るロングテールのファットバイク)にX2バッグを取り付けるのもアリかもしれません。
ロングテールバイクを所有されている方の多くは、フルに積載能力を使って活用されてますが、一旦その能力を取り払い、真逆の使い方をすることによって、また新たなロングテールバイクをカスタムする楽しみも見いだせるのではないでしょうか?
ぜひ皆様もこんな自転車で新しいライフスタイル、新たな用途を探してみてください。
下記が、ロングテールバイクの有名ブランド2社のリンクです。
SURLY https://surlybikes.com/
XTRACYCLE https://www.xtracycle.com/