寝心地のいいハンモックでひねもすゴロゴロしてすごすのは、まさに至福の時間です。キャンプに行きにくくなる季節なら、公園に持っていったり、自宅の庭や室内でのんびりの時間を過ごしてみてはいかがですか? 帆布を使ったハンモックの作り方をクラフト作家・長野修平さんに教えてもらいました。
自作ハンモックの作り方
ハンモック作りの道具
厚手の帆布生地に縫い糸を通すためには、革やテントの補修に使われる道具「ステッチャー」が便利。まずはステッチャーを用意しよう。
ハンモックの材料
ハンモックスタンドの材料
布を裁断する
帆布を図のように裁断。布幅は反物の定尺である110㎝。布の長辺の端はそのまま使用。小さい生地は補強用の当て布。4枚用意。
ステッチャーで補強布を縫い付ける
ステッチャーで1に補強用の布を縫い付けたら、2の先端を折って縫い、最後に3の斜め部分(両側)を縫う。3の反対側(図の左側)も同様に。
丸囲み部分は閂止め(かんぬきどめ)にする。閂止めとは補強のための縫い方で、ステッチャーを何度も往復させ、ていねいに補強する(詳細は後述)。布の前後ともにこの処理を施す。
ロープを通す
縫った箇所にロープ(1本)を通し、両端に自在を取り付ける。中央の輪の部分(ロープ長60㎝)は動かないようにロープごと縫って固定する。
使用時には、ロープの3つの輪をカラビナでまとめ、スタンドや木などに固定する。
基本の縫い方
ステッチャーの使い方
まず、針の先から、縫う長さ+10㎝ぐらい糸を引き出す。
最初は一度スタート地点に針を刺して糸を引き出し、針を抜く。
次の目に糸を通した針を刺し、その輪に引き出した糸を通す。
針を抜いて2本の糸を両側から均等に引っ張って縫い上げる。この工程を繰り返して縫っていく。
閂(かんぬき)止めのやり方
ほつれやすい箇所は、糸を数回渡してかがっておくと頑丈になる。
スタンドと周辺パーツの作り方
二脚スタンドを作る
2本の枝に8の字を描くようにロープを渡し(木の太さの幅ぐらい)、最後は2、3回縦に割って端どうしをかた結びする。
自在を作る
ロープの長さを調整するための「自在」を作る。まずは約10㎝長の枝の2か所にロープを通す穴を真っすぐあける。穴はトラックロープの太さより1㎜大きくする。今回は9㎜径のロープを使用。
支柱を作る
ハンモックの巾を確保して寝心地をよくするために、頭の側と足の側に2箇所、支柱(枝)を渡す。
頭部側の支柱を作る。木の端7㎝ぐらいの位置にドリルで穴をあけ、穴に向かって鋸で2本切れ目を入れ、余分な木片を外す。
ナイフで削って形を整え、サンドペーパーで切り口を滑らかにすればロープが掛けられる。片側は木のまた部分を使うと便利。
キャンプはもちろん室内でもハンモックを楽しもう
自作ハンモックの拙遺影方法の一例。片側を幅広ロープで木に固定し、もう一方を自作した二脚スタンドにつなぎ、二脚スタンドをロープとスクリューペグで地面に固定した。
4つの自在で好みの寝心地を調整できる仕組みだ。頭部側の支柱は外して使っても問題ない。
古布を使ったり、好みの布を選んで世界に一つのハンモックを作ってみよう。自分の体型にあわせてサイズのアレンジも可能。自作ハンモックならではの極上の寝心地をぜひみなさんも試してみてください!